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差し込んだ光

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「おい、ゲルグ。辺境伯にはデビュタントぐらいの年齢の令嬢はいるか?」

「ご令嬢ですか?お二人いらっしゃいますよ」

「それは本当か!?」

「えぇ、たしか今は・・・19歳と18歳くらいだったかと」

「18と19・・・」


思っていたよりも少し上の年齢だったが、ウィルフレッドも騎士も誤差の範囲だろうと思った。


「その二人のご令嬢の髪の色はわかるか?」

「えっと・・・確か、一人は亡くなられた母君の色を継いでおられて金の髪ですね。もう一人は当主と同じで銀の髪ですね」

「ぎ、銀なのか!?」

「はい、銀です。あまり見かけない色ですから珍しいですよね」

「瞳の色はわかるか?」

「・・・んーはっきりとはわかりませんが、銀の髪のお嬢さんの方でしたら、確か青っぽい、もしくは紫っぽい色をしておられたかと・・・」

「団長、これは・・・」

「あぁ、間違いない」

「ゲルグ助かったよ!」

「あ、いいえ」


辺境出身の騎士ゲルグが言う通り、この国に銀の髪は珍しい。しかし、存在がわかったところでやすやすと会いに行ける距離ではないこともわかった。


「団長よかったっすね。でも、辺境ですか・・・馬車で5日、馬で駆けても3日はかかる距離ですね。往復だと・・・6日、いや、7日は見ておいたほうがいいですね」

「あぁ、確かにそうだな・・・」

「そんな休み、団長とれないですよね」

「・・・」

「いっその事、今度の視察についていけばいいんじゃないですか?」

「視察?」

「第一王子のヴィンセント殿下、数日後に辺境に視察の予定ではなかったですか?」

「!!!」

「団長、ご令嬢の事になるとポンコツになるんですか?」

「う、うるさい!」

「副団長が同行の予定でしたよね?代わってもらえないでしょうかね?」

「しかし・・・私情を挟むわけには・・・」

「ん?急病人の件で世話になったんでしょう?騎士団として礼となれば私情とは言えないのではないですか?」

「そ、そうか・・・そうなのか」


光が見えたような気がしたウィルフレッドは、早速手をまわし、5日後の視察に同行する事となった。



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次回

それが何か?


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