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【マリーリアside】こんなはずではなかったのに

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どうしてなの!!ヴィンセント殿下が少しもこちらを向いてくださらない・・・

挨拶した時には美しいと褒めてくださったのに・・・

学園では年齢もあって、第二王子のアルバート殿下としかお会いできなかった。彼も悪い人ではないし、好意を寄せられているのはわかってはいたわ。でも、私はヴィンセント殿下の方が好みなの。ヴィンセント殿下がお相手なら、いずれは王太子妃になれるし、ゆくゆくは王妃。

アルバート殿下がお相手なら、臣籍降下で公爵位を賜るか、もしかするとこの辺境に婿入りなんて事もありえる・・・そうすれば私はずっとこの辺境から出られない。

はぁ、こんな何もないところではなくて、流行りが溢れた街に行きたいわ。

昨日、別邸に案内した後にお茶に誘って断られたのよね・・・しかもあの後会わせないようにしていたレティシアを呼びつけたらしい。なぜあの子なの!何を話したのかしら・・・お茶したのかしら・・・案内役を引き受けたのは私なのに!もう、頭にくる!


あら?お客様かしら?・・・この声、ヴィンセント殿下!出かけたって、レティシアの事を聞きにきたって言うの?またレティシア・・・このまま引き下がれないわ。




「お父様、街に出ると聞こえましたが、私がご案内いたしますわ」

「マリーリア嬢か・・・構わなくていい。勝手に見て回るだけだからな。では、失礼するよ」


なっ・・・そんな・・・どうして・・・まさかレティシアを追いかけて行くとでも言うの!?嘘でしょう?悔しい!私のほうが綺麗だってみんな言うわ。優秀で淑女としてもすばらしいって。なぜ私ではないの?なぜ、レティシアなの?



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次回

なんだ、いるではないか!






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