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ウィルフレッドの手紙4
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君は馬には乗るだろうか?もし乗らないなら一緒に乗って出かけたいな。馬の上は景色が違って見える。辺境にも一緒に行ったが、俺の愛馬は白馬なんだ。名前はブルーノ。近衛騎士団の中でも白馬はブルーノだけだ。こいつは気難しい奴で、俺以外を乗せたがらない。初めは黒毛のラスティという馬が俺の馬になる予定だったんだが、どうしてもブルーノが他の騎士に懐かなくてな。辺境の街道で君が近付いてもピクリともしなかった。珍しい事だ。ブルーノはきっと君を気に入ったのかもしれないな。でも、なんだかモヤモヤする。俺は嫉妬しているのかもしれない。ブルーノは雄だからな。
I like you just the way you are.
(そのままの君が好き)
ウィルフレッド・アバンス
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【ウィルフレッドside】
ブルーノは賢い馬だ。しかし、他の騎士には懐かなかった。コイツは王都にいる馬で唯一の白馬だ。ブルーノは元はヴィンセント殿下の馬になる予定だった。しかし、懐かずアルバート殿下でもダメだった。騎士団に譲渡されてからも騎士達がこぞって世話を焼いたがダメだった。ダメもとで俺が跨ってみると、なんと軽快に走り出し、指示もきちんと聞いた。満場一致で俺の馬になった。ラスティもいい馬だった。アイツは今、副騎士団長が愛馬にしている。辺境でレティシア嬢がブルーノに近付いた時はひやっとしたが、ピクリともしなかった。本当に人間を毛嫌いしているから、気に入らないと少し近寄っただけでも危険なのだ。その点、あの距離まで近づいて何も反応しなかったのは珍しい。嬉しい反面、ちょっと嫉妬してしまった。コイツも馬とはいえ、男だからな。しかし、レティシア嬢を乗せて散歩などしてみたいな。一緒に乗れば必然と密着する形になるからな・・・いかん・・・俺の想像力がどんどん豊かになってきている・・・。
【レティシアside】
馬ね・・・これ以上お転婆になったら困るとか行って乗せてもらえなかったのよね。辺境の騎士達が乗っていたのを、いつも羨ましく眺めていたわ。こっそり副騎士団長のジョセフさんに乗せてもらった事があったわ。でも、あの白馬は綺麗だった。いい子そうだとは思った。しかし、馬に嫉妬するのはやめてくれるかしら?そんなものにまで嫉妬されていたら、そのうち私の触れた物にまで嫉妬しそうだわ・・・。
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次回
心配せずとも私の妃の座は君の為にあけたままにしているから、何も心配はいらない
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