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【ウィルフレッドside】彼女が俺の屋敷にいる

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今日は俺の屋敷にシアが来る。念願叶って婚約者になれる。本当にまだ信じられない気持ちでいっぱいだ。早くシアに会いたい。昨日会ったばかりだと言うのに、すぐ会いたくなってしまうな。




「お会いしたかったです!お義姉様!僕、ルシアンです」




なんだ!?
・・・シア達が到着したんだな
迎えに行こう

・・・

ル、ルシアン!!
何、シアの胸に抱きついているんだ!何て羨ましい事を!!!




「きゃー!可愛い!!」




母上まで!?くそっ、シアを抱きしめていいのは俺だけだ!





「ちょっと、何してるんですか!俺のシアなんですよ!離れてください、ルシアンも離れろっ!羨ましい事するな、俺もまだなのに!」

「ウィル、何が羨ましいの?」

「えっ・・・えっと・・・その、む、胸に・・・」

「こんな小さな子ども相手に嫉妬しないで」





うっ・・・
ルシアンはまだ幼さも残っているが、れっきとした男だ。許可できるはずないだろう




「お兄様酷い!」

「そうよ、私だってレティシアちゃん愛でたいのに!」

「ダメです!シアは俺の!俺だけのものです!」

「おいおい、玄関で何やってるんだ・・・」




確かに父上の言う通りだ
ここは一時休戦だ
うん、俺が座るのはここだな
辺境伯の隣だ





「ウィル、おろしてくれない?」

「嫌だ」




嫌に決まってる
シアが座るのは俺の膝の上だ
もうここは指定席だな





「辺境伯、息子が・・・なんかすみません」

「いいえ、ここまで娘を慕ってくれているのは嬉しいものですよ」

「それにしてもレティシアちゃん、可愛いわぁ!娘が欲しかったのがやっと叶ったわ!」

「僕も綺麗なお義姉様ができて嬉しいです!」

「妻も次男もこの通りです。本当にウィルフレッドと一緒になってくれるご令嬢がいるなんて、嬉しい限りです」

「アバンス団長ほどの方なら引く手数多でしょうに」

「いえ、息子は本当に結婚をしたがらなかったんです。縁談の釣書を見もせずに片っ端から断っていくものですから・・・親としては難儀な問題でした。それなのに、こんなに素敵なお嬢さんを連れてくるなんて・・・」






家族がいろいろと何か言っているな
結婚なんて考えてなかった
どんな令嬢も皆同じに見えていたからな
だがシアに出会って変わった
シアを俺のものにしたくなったんだ
こんなの初めてだ
あぁ・・・嬉しい
俺がこんなにも嫉妬や独占欲を見せてもシアは否定しないし拒絶もしない
・・・そうだ・・・シアが俺の屋敷にいる・・・
これが夢だなんてもう言わない
本当にここにシアがいるんだから





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次回

【ルシアンside】

兄上が嫉妬している・・・
こんな兄上初めて見た。




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