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自身の未来は

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レティシアに諭され、父親である宰相が、ミリアの結婚について無理強いはしていないという事に気が付いたミリア。落ち着きを取り戻したミリアは、少しだけ結婚に対して期待を持てた。


「ミリア、考えてもみて。アイオロス様は副騎士団長と言う肩書きがついたの。それにまだお歳は21か22と聞いてるわ。これからの方だもの。いくら平民出身だからといって、これだけの肩書きがつけば、宰相様もダメとは言わない気がするの。それにウィルも年齢的に次に渡すところに来ているわ。副騎士団長様を後継として育てようとしているのかもしれない。尚のこと、宰相様としては欲しい婿じゃないかしら?」

「そ、そうなのかしら・・・」


それからいくらかの時間話をして、ミリアは帰路についた。もしかしたら想い人の彼と結婚できる未来が待っているのかもしれない。期待がどんどんと膨らんでいった。父親に話してみればいいのか。でも、話を切り出したところでダメだと言われた時のショックは計り知れない。結局ミリアは何も言い出せないまま、少しの期待だけを持って時間だけが過ぎていった。






ミリアとレティシアがアバンス家で話をしている同時刻、王宮では王の謁見の間で二人の処遇が言い渡されていた。


「マクシミリオン、レイバン、久しいな。二人とも少しやつれたか?」

「お見苦しい姿をお見せして申し訳ありません」


すぐに言葉を発したのはマクシミリオンだった。レイバンは俯いて何も反応をしない。


「今日ここに来てもらったのは二人の今後の話の為だ」


謁見の間には国王、並びに第一王子のヴィンセント、第二王子のアルバート。それに宰相、ウィルフレッド、副騎士団長となったアイオロス、コルテオ。数名の近衛騎士。


「まずレイバン。お前の後には副騎士団長としてアイオロスが決まった」

「・・・」

「なにか意義はあるか?」

「・・・ありません」

「わかった・・・レイバン。お前には本当に申し訳ない事をしたと思っている。過去の事は取り消す事はできん。だが、未来はいかようにでも己の力で切り拓くことができる。お前に任せたい仕事がある」


レイバンは俯いていた顔をゆっくりをあげ、国王を見つめる。そこには復習の意は込められていない。


「レイバンよ。お前には伯爵の地位を授ける」

「伯爵・・・ですか?」

「あぁ、伯爵となって、イズヴァンドの地を治めよ」

「っ!?」

「イズヴァンドは民が流失していく一方で、税収が安定せず領主として経営するのが困難な地となった。故に、彼の地は領主不在のままだ。しかし誰もいないわけではないのだよな?ウィルフレッド」


国王はウィルフレッドに投げかけた。



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