お嬢さんはある日森の中で熊さんに出会った

agapē【アガペー】

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【アリエルside】想像が捗りすぎる

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「先に王宮に行ってるぞ?明日待ってるからな」

「明日、準備が整い次第向かいますわ」




俺は一足先に王宮へと向かっている。それはこれからの生活の為に確認する事があるからだ。





「離宮の改装は終わったか?」

「はい、滞りなく」




俺の問いに答えるのは宰相シグルドだ。俺とリシェの部屋は王宮内ではなく、離宮に準備をさせた。シグルドは、最初こそ離宮に住まう事に難色を示していたが、事件を知る人物でもあり、リシェの事を気遣っての事だと知ると、それには賛同してくれた。

王宮に住まうことで、リシェは嫌でも思い出すだろうし、そんな辛い思いはさせたくない・・・まぁ、それは建前なのだが・・・実のところ、リシェとの時間を邪魔されないために離宮を選んだのだ。執務室もリシェと一緒にいられるように、離宮の二間を一部屋にし広めに改装させた。もちろん二人分の机も入れた。

そうだ、人の行き来の少ない離宮で、リシェを構いたい放題なのだ。なんて幸せな生活・・・今までは騎士団の執務室が俺の仕事場だった。だが、ここには王妃になるリシェが一緒に執務をしていくことになる。いつも一緒にリシェがいる。

離宮は、俺が王都から出るまで住んでいた場所でもある。この離宮は、王宮から見える位置にあるが、周りは木々に囲まれていて、人目にはつきにくい。なんとなく、辺境の屋敷にも雰囲気や、環境が似ているから気に入っている。

離宮のすぐそばに新たな使用人棟を建てた。これはハイドとフローラ夫婦のものだ。あの二人には、リシェのすぐ近くにいて欲しい。俺が最も信頼する使用人だ。




「リシェ、離宮はどうだ?好みがわからんだったから、とりあえずシンプルな内装にしてある。後からいくらでも好きに変えればいい」

「とても素敵ですわ。私の旦那様には負けますけれど」




うっ・・・リシェ、ズルいぞ。不意打ちは心臓に悪い・・・しかし、嬉しいな。リシェはいつも俺を喜ばせるのがうまい。幼い妻にいつもドキドキさせられっぱなしだ・・・俺も、俺ももっとリシェをドキドキさせたいのに




「アル様をドキドキさせたいので、突然言わないと効果がありませんもの」

「・・・俺の嫁が可愛すぎる・・・」




くぅぅぅ・・・可愛い、可愛いな、おい!俺の嫁は本当に可愛すぎる





「アル様、こちらは?」

「そ、それはだな・・・」




リシェ、そのドアは・・・その先は・・・あれだ、夫婦の・・・寝室ってやつだ。






「?」

「あの、あれだ、その・・・って、リシェ!?」





ま、待て!開けるな!想像してしまうではないか・・・リシェが一糸纏わぬ姿で・・・って、今はそんな事考えてる場合ではない!





「夫婦の寝室でしょう?」




ん?・・・気にしているのは俺だけか?なんだ・・・俺のほうが経験がないみたいで恥ずかしいな・・・って、そうだな、ないんだった。リシェはどう思うだろうか?リシェとが初めてだなんて、慣れてなさすぎて引かれるんではないだろうか・・・俺はフラムウェルや側近達より・・・いや、あれはリシェは望んでいなかった事だ。いや、でも・・・10代と比べるとな・・・その勢いもな・・・元気もな・・・うぅ・・・歳の差が悔やまれる・・・





「今日からここで寝ますの?」

「えっ!?あ、いや、どう、しようか・・・」




えっと・・・この場合、何が正解なんだ?どうせすぐ夫婦になるのだ、もう使っても良いのではないか?





「うーん、初夜までは互いの部屋を行き来しましょう」

「そ、そうだな、それがいい、それがいいのか?わからんが、そうしよう」




・・・そうだよな。それが正しい。まだ夫婦ではないからな。変な噂がたって、リシェが気にするのといけない。俺は・・・がっかりなんかしてないぞ?だって、行き来するって事は、これまで通り、一緒に寝てはくれるって事だよな?それに・・・夫婦の寝室なんて使ったら・・・否応なしにでも想像してしまって、俺の俺がヤバいことになりそうだ。それでよかったのかもしれん・・・ん?なんか・・・リシェの顔が暗くなったな・・・不安に思っていたのかもしれんな。それにあの事件を無かった事にはできんのだ。きっと気に病んでいるのかもしれないな





「リシェ・・・俺は急がない。リシェがいいと思うまでいくらでも待てるぞ?」

「アル様・・・結婚式が待ち遠しいですね!」




ちょっ・・・と・・・リシェ、それは結婚式が楽しみだとそのままの意味でいいんだよな?まさか、その後の話をしているのか!?お、俺はリシェを満足させられるだろうか・・・い、いや、その前に結婚式だ!絶対、リシェを世界一の花嫁にしてやる。俺を選んでよかったと思えるように幸せにする。

結婚式は三カ月後だ。そこまでくれば、誰の子かわからんなんて事はないからな。まだ不安だろう。もし妊娠がわかればリシェは辛い思いをする事になる。誰の子かわからん子を産むのも辛ければ、意図的に流すのも辛かろう。子に罪はないのだ。

リシェに子が宿っていない事が証明できれば、心も少し軽くなるのではないかと思う。まずは、貴族たちの批判や噂からリシェを守るために、結婚までの期間を設けることにした。これだけ間があけば、俺の子で間違いがないからだ。文句は言わせない。

しかし、不安だ・・・リシェの全てを俺のものにできる喜びと、経験のなさに自信が持てない不安で、複雑だ・・・





ーーーーーーーーーーーーーーー


次回

どこに行くんだ!?俺も一緒に・・・

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