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【アリエルside】これからお前と

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とうとうこの日がやって来た。やっと・・・リシェが、本当の意味での俺の嫁になる。今だに夢なんじゃないかと、目が覚めたらリシェがいなくなっていて、夢だったと知って絶望するんじゃないかと毎日不安だった。目覚めるのが怖かった。一度リシェが体調を崩した翌朝、目が覚めたらリシェが見当たらなくて・・・幸せな夢がとうとう終わってしまったと本気で絶望したものだ。

今も、この扉を開けたら、リシェはいなくて・・・そんな幸せな夢が現実に起こるはずないでしょう?とフローラから言われるんじゃないだろうかと思ってしまう。この扉の向こうにリシェはいてくれるのか?俺の花嫁は間違いなくリシェだよな?ずっと俺と一緒にいてくれるんだよな?もしかしたら嫌になって逃げてしまったかもしれない・・・もし、いなかったら・・・その時は、俺はどうすれば・・・



「陛下、いつまで扉の前に立ってるおつもりですか?」

「ハイド・・・リシェ・・・いるよな?いなかったらと思うと・・・これまでの事は全て夢でしたなんて事になったら・・・俺は立ち直れんぞ?」

「なんの心配なさってるんですか・・・開けますよ」

「ま、待て!」



コンコンコン


ハイドが止めるのを聞かずにドアを開けてしまった。


怖い・・・怖い・・・怖い・・・





「リシェ、準備はどう・・・」





あっ・・・・・いた・・・




驚きで固まってしまった。俺は今、天国いるのか?女神様に天国連れてこられたのか・・・なんか・・・この世のものとは思えないほど美しい・・・言葉にならないとはこういう事を言うのか・・・





「陛下、しっかりされてください。そのまま固まっていたら、他の殿方にリシェリア様が攫われてしまいますよ?」

「な、なんだと!?どこのどいつだ、俺からリシェを奪おうなんて!叩き切ってやる!」




どこのどいつが俺からリシェを奪うなどと!そんな事考えている不届き者は叩き切ってやる!





「陛下、もしもの話です。花嫁を放置されていいのですか?」




もしも・・・か・・・フローラも意地が悪いな・・・





「・・・あぁ・・・リシェ・・・綺麗だ」




普通の事しか言えん俺を許せ・・・リシェ・・・綺麗だ・・・こんな綺麗な花嫁が俺の嫁になるのか?夢じゃないんだよな?これから本当に結婚式あげるんだよな?






「ありがとうございます。アル様もとっても素敵です。いつも素敵ですけどね」





リ、リシェ!お前ってやつは・・・これはダメだろう・・・冗談ではなく本当に攫われてしまうではないか!





「・・・フローラ・・・結婚式は中止だ・・・」




結婚式は即刻中止だ!離宮に戻って、俺の腕で捕まえて、一時も離さず守る!




「アル様?」

「陛下は馬鹿なんですか?どうせ、こんな綺麗なリシェリア様を見せられないとか言うのでしょう?」

「わかってるなら隠せ!これは他の男に見せられん。もしもの話では済まされん事になるではないか!」




他の男から隠さんといかん・・・もしもの話ではすまされん事になりそうだ・・・





「陛下、ちゃんと警備は万全にしております」

「しかし・・・」

「アル様、私、今日を楽しみにしていたんですよ?ウエディングドレスを着れる事はもうないと思って、一時は諦めていました」





諦める必要がどこにある?お前は数多の令息の視線を集めるような女だぞ?結婚したからと言って安心できないぐらいだぞ?どれだけの男がお前を欲しているかわかってないのだな・・・





「でも、この日が迎えられたのは、アル様のおかげです。そして、今日、どうしてもしたい事があるのです」

「したい事?なんだ?」




リシェの望みは叶えてやりたいが・・・なんだろうか?ま・・・まさか・・・嘘だろ?嘘だと言ってくれ・・・結婚式の最中に他の男が攫いにくる演出でもあるのか?それともあれか?他に好きな男がいるとか言って逃げ出すのか?いなくなるのか・・・?そんな事・・・俺は・・・俺は・・・






「皆さんに、私の旦那様になる人は、こんなに素敵な人なんです!アル様が旦那様になるなんて羨ましいでしょう?って自慢したいのです!」





へっ・・・じ、自慢・・・?





「へっ?・・・俺が自慢?そう、なのか・・・自慢・・・」




俺が自慢になるのか?リシェは俺が夫になることをそんなに・・・自慢できるほど俺がいいのか?好きなのか・・・俺・・・自惚れてもいいよな?これは自惚れたっていいよな?






「アル様、ダメですか?」

「ダメじゃない!自慢になるかわからんが、自慢しろ」




自慢になるかはわからんが、したいだけ自慢すればいい!俺だってこんなに可愛い、今日に至ってはもの凄く綺麗なリシェが嫁になるなんて、これ以上の自慢はないぞ?まだ信じられないくらいだ・・・男達の羨望の眼差しが浮かぶようだな・・・






「はいはい、陛下、そろそろお時間ですよ。ちゃんと祭壇の前で大人しくお待ちになられないと、花嫁さんは来てくれませんからね?」

「それはいかん!では、リシェ、待ってるぞ」




リシェ、本当の夫婦になろう。俺と夫婦に・・・




「はい!」







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次回

後悔してももう遅いぞ?

覚悟なさいませ


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