25 / 211
25、騎士として一人の男として
しおりを挟む
サファイア宮の部屋に戻り、ベッドのフチにミーティアを座らせる。
バージルはミーティアの前に膝をつき、俯いたまま話し始める。
「おれはティアの騎士なのに・・・守れなかった」
「ジル、あなたはちゃんと守ってくれたわ」
「いや、もっと早くに気付けたはずなんだ。今朝サファイア宮にいた騎士達が、いつもと違う様子だとすぐに気付いていれば!サファイア宮から離れたりはしなかった!」
「・・・ジル」
「・・・騎士失格だ」
ミーティアはベッドから立ち上がると、床に膝をつき、バージルの首の後ろに腕をまわしてしっかりと抱きしめた。
「いいえ、あなたはわたくしの騎士よ。わたくしの騎士はあなただけ。助けに来てくれてどれだけ嬉しかったか。もうダメだって思ったの・・・助けに来てくれて抱きしめられた時、あぁここが、ジルの腕の中が私の居場所なんだって思ったわ」
「・・・ティア」
「だから自分を責めないで」
「でも・・・」
「わたくし頑張ったわよ。まだご褒美貰ってないのだけれど?」
「ティア?」
「キスして・・・」
「・・・ティア」
「キスしてよ・・・」
静かに唇を重ねる。一度は離れたが、すぐにまた互いを求め合う。何度も何度も、確かめるように、不安を消すかにように。
「ごめん、ちょっとやりすぎた」
「いいえ、もっとご褒美貰わないと足りないくらいよ」
「ああ、ティアは頑張ったよ」
そう言って、また何度か口づけを交わし、互いをしっかりと抱きしめた。
コンコンコン。
ノックする音がして、国王が入ってくる。
「ミーティア、バージル」
「お父様」
「落ち着いたか?」
「ジルがいるから大丈夫」
「わしよりバージルか、少し妬いてしまうな」
「お父様に嫉妬されても嬉しくないわ」
「父は悲しいぞ」
「陛下、ライアン殿下は・・・」
「ああ、殿下は貴族牢で近衛に監視させておる。明日にでも隣国に送り返す。もちろん厳重に抗議し、しばらくは入国を拒否する」
「そう、ですか」
「今回はわしが招いた失態だ。ミーティアすまなかった。国交を優先し、お前の気持ちや意志は全く考えておらんだった。バージルがおるから大丈夫であろうとたかを括っておった。婚約の話も最初から断るつもりであった。まさか何度も顔を合わせておる国賓なのに、こんな事になろうとは・・・」
「お父様、起きた事は仕方ありませんが、わたくしに二度と縁談は持ってこないでくださいませ!わたくしにはジルがいるのです。ジルではないとダメなのです。これはお父様でも譲れません」
アルフレッドは、国王であると同時に親である。あんなに小さかった娘が、愛する者を守ろうとする強い意志を見せている。
「ミーティア!」
「お母様!」
「怖い思いをさせましたわね・・・私が早くに気付いていれば、こんな事にはならなかったのに・・・これも全て陛下の落ち度です!反省しているのですか!」
「すまない・・・」
「お母様、怖い思いはしましたが、結果何もなかったのです」
「ええ、本当によかった・・・バージル感謝します」
「いえ、俺にも落ち度がありました。異変に気付いていれば、もっと早い段階で食い止める事ができたのです。本当に申し訳ありません」
「頭を上げて、バージル。あなたはきちんとミーティアを守ってくれているわ。この子が泣くだけではなく、きちんと意志を示している。あなたを守ろうとしている。こんな強い子になったのは、バージル、あなたの存在があるからよ。これからもミーティアの側で支えてくれるかしら?」
「俺は王女殿下に騎士の忠誠を誓いました。お望みならばいつまでもお側に仕えましょう」
「いいえ、騎士としてだけではなく、一人の男性として、心も守ってあげて」
「はい、王妃殿下のお心のままに」
「さぁ、陛下、後処理があります、行きますよ!」
(王妃様怒ってるな・・・陛下より王妃様の方が強い・・・うん、怖い)
「ああ、ミーティアよ、ゆっくり休んでおくれ。バージル頼んだ」
「御意」
二人は1日、部屋の中で寄り添うようにして過ごした。
ーーーーーお知らせーーーーー
近日、新作投稿開始します
仮タイトル
【影、落ちました】
王家の侍従で影としての裏の顔も持つノアール。ある日、落ちてしまう。屋根から!?
感情を表に出さないノアールは、ある1人の令嬢から絆され、感情に抑えが効かなくなってしまう。
別人のようになってしまったノアールは、独占欲丸出しの、まるでじゃれつく大型犬!?
女性にべったり独占欲丸出し、怖がり甘えたな年上男子が好きな方は是非!!
バージルはミーティアの前に膝をつき、俯いたまま話し始める。
「おれはティアの騎士なのに・・・守れなかった」
「ジル、あなたはちゃんと守ってくれたわ」
「いや、もっと早くに気付けたはずなんだ。今朝サファイア宮にいた騎士達が、いつもと違う様子だとすぐに気付いていれば!サファイア宮から離れたりはしなかった!」
「・・・ジル」
「・・・騎士失格だ」
ミーティアはベッドから立ち上がると、床に膝をつき、バージルの首の後ろに腕をまわしてしっかりと抱きしめた。
「いいえ、あなたはわたくしの騎士よ。わたくしの騎士はあなただけ。助けに来てくれてどれだけ嬉しかったか。もうダメだって思ったの・・・助けに来てくれて抱きしめられた時、あぁここが、ジルの腕の中が私の居場所なんだって思ったわ」
「・・・ティア」
「だから自分を責めないで」
「でも・・・」
「わたくし頑張ったわよ。まだご褒美貰ってないのだけれど?」
「ティア?」
「キスして・・・」
「・・・ティア」
「キスしてよ・・・」
静かに唇を重ねる。一度は離れたが、すぐにまた互いを求め合う。何度も何度も、確かめるように、不安を消すかにように。
「ごめん、ちょっとやりすぎた」
「いいえ、もっとご褒美貰わないと足りないくらいよ」
「ああ、ティアは頑張ったよ」
そう言って、また何度か口づけを交わし、互いをしっかりと抱きしめた。
コンコンコン。
ノックする音がして、国王が入ってくる。
「ミーティア、バージル」
「お父様」
「落ち着いたか?」
「ジルがいるから大丈夫」
「わしよりバージルか、少し妬いてしまうな」
「お父様に嫉妬されても嬉しくないわ」
「父は悲しいぞ」
「陛下、ライアン殿下は・・・」
「ああ、殿下は貴族牢で近衛に監視させておる。明日にでも隣国に送り返す。もちろん厳重に抗議し、しばらくは入国を拒否する」
「そう、ですか」
「今回はわしが招いた失態だ。ミーティアすまなかった。国交を優先し、お前の気持ちや意志は全く考えておらんだった。バージルがおるから大丈夫であろうとたかを括っておった。婚約の話も最初から断るつもりであった。まさか何度も顔を合わせておる国賓なのに、こんな事になろうとは・・・」
「お父様、起きた事は仕方ありませんが、わたくしに二度と縁談は持ってこないでくださいませ!わたくしにはジルがいるのです。ジルではないとダメなのです。これはお父様でも譲れません」
アルフレッドは、国王であると同時に親である。あんなに小さかった娘が、愛する者を守ろうとする強い意志を見せている。
「ミーティア!」
「お母様!」
「怖い思いをさせましたわね・・・私が早くに気付いていれば、こんな事にはならなかったのに・・・これも全て陛下の落ち度です!反省しているのですか!」
「すまない・・・」
「お母様、怖い思いはしましたが、結果何もなかったのです」
「ええ、本当によかった・・・バージル感謝します」
「いえ、俺にも落ち度がありました。異変に気付いていれば、もっと早い段階で食い止める事ができたのです。本当に申し訳ありません」
「頭を上げて、バージル。あなたはきちんとミーティアを守ってくれているわ。この子が泣くだけではなく、きちんと意志を示している。あなたを守ろうとしている。こんな強い子になったのは、バージル、あなたの存在があるからよ。これからもミーティアの側で支えてくれるかしら?」
「俺は王女殿下に騎士の忠誠を誓いました。お望みならばいつまでもお側に仕えましょう」
「いいえ、騎士としてだけではなく、一人の男性として、心も守ってあげて」
「はい、王妃殿下のお心のままに」
「さぁ、陛下、後処理があります、行きますよ!」
(王妃様怒ってるな・・・陛下より王妃様の方が強い・・・うん、怖い)
「ああ、ミーティアよ、ゆっくり休んでおくれ。バージル頼んだ」
「御意」
二人は1日、部屋の中で寄り添うようにして過ごした。
ーーーーーお知らせーーーーー
近日、新作投稿開始します
仮タイトル
【影、落ちました】
王家の侍従で影としての裏の顔も持つノアール。ある日、落ちてしまう。屋根から!?
感情を表に出さないノアールは、ある1人の令嬢から絆され、感情に抑えが効かなくなってしまう。
別人のようになってしまったノアールは、独占欲丸出しの、まるでじゃれつく大型犬!?
女性にべったり独占欲丸出し、怖がり甘えたな年上男子が好きな方は是非!!
1
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
魔性の大公の甘く淫らな執愛の檻に囚われて
アマイ
恋愛
優れた癒しの力を持つ家系に生まれながら、伯爵家当主であるクロエにはその力が発現しなかった。しかし血筋を絶やしたくない皇帝の意向により、クロエは早急に後継を作らねばならなくなった。相手を求め渋々参加した夜会で、クロエは謎めいた美貌の男・ルアと出会う。
二人は契約を交わし、割り切った体の関係を結ぶのだが――
【完結・おまけ追加】期間限定の妻は夫にとろっとろに蕩けさせられて大変困惑しております
紬あおい
恋愛
病弱な妹リリスの代わりに嫁いだミルゼは、夫のラディアスと期間限定の夫婦となる。
二年後にはリリスと交代しなければならない。
そんなミルゼを閨で蕩かすラディアス。
普段も優しい良き夫に困惑を隠せないミルゼだった…
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
**2026.01.02start~2026.01.17end**
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる