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41、狼さんの解放
しおりを挟む王宮では、二人の結婚を祝う夜会が開かれていた。
今、ミーティアは非常に困惑している。
「カーラ、本当にこれ・・・着るの?」
カーラとメイド達により磨き上げられたミーティアの目の前に、生地の薄い・・・・・透けて見えそうな夜着がある。
「ねぇ、カーラ・・・やっぱりこれ、ちょっとダメじゃないかなぁ・・・」
「いいえ、お綺麗ですよ、ちっともダメじゃありません」
「で、でも、透けてるよ?恥ずかしいんだけど・・・」
「バージル様はきっとお喜びになりますよ」
「・・・・・」
ミーティアは、カーラの笑顔の圧に負けた。
互いの部屋から、内扉で繋がる夫婦の寝室に入ると、窓際に立って空を見上げているバージルの姿があった。
「ジル・・・」
「ティア・・・俺の星の妖精姫様」
バージルはそう言うと、扉付近で立ち止まっていたミーティアの元に歩み寄り、横抱きにして寝台に運んだ。ベッドのふちに静かにミーティアを座らせると、自身も隣に腰を下ろした。
「ティア、今日はお疲れ様」
「疲れたけど、楽しかったし、幸せ」
「ティア、俺もだ」
バージルがミーティアの手をとりキスをする。
「ティア・・・一年間、俺頑張ったよ。ティアの隣に立つ見合う男になろうって」
「えぇ、ジルが頑張ってたのは知ってるわ」
「でもこの一年、もう一つ頑張った事がある」
「何かしら?」
「・・・ティア・・・頑張った俺にご褒美は?」
「ご褒美?何が欲しいの?」
「ティアが欲しい」
「わたくしはもう、ジルのモノよ?」
「そうじゃない・・・俺の中に一年間、飼い続けている狼さんは、もう限界みたいだ。大人しく飼い続ける事はできないな」
「!!!」
熱のこもった瞳で見つめてくるバージルに、これから行う事が脳裏に浮かび、鼓動が早まるのを自覚した。
バージルはゆっくりと味わうようなキスをし、ミーティアの身体を寝台に押し倒す。
「ティア、嫌だったら言ってくれ、今ならまだ間に合うぞ」
「ううん、少しも残らずジルのものにして」
「・・・ティア、いつの間にそんな事覚えたんだ・・・煽ったのはティアだからな」
狼さんは、解放される事の喜びを必死に抑え、ゆっくりとじっくりとミーティアに触れていく。
※次回からR指定内容になります。
ーーーーー今後の予定ーーーーー
本編がまだ続きますが、今後、番外編として、二人のこどもの今後、二人の周りの恋愛模様、国王・王妃・子爵家当主ハリー・宰相・妻ナディアなど過去の話も投稿予定です。
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