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王太子アルフレッドの新たな婚約者
そして全てを失った
しおりを挟むソフィアが王宮に来て、すぐ王太子妃教育が施された。初めは贅沢な暮らしにソフィアも喜んでいた。しかし、数日経つと、教育担当の教師から逃れ、アルフレッドの元へと逃げ込む。教師が怖い、わからないとすぐに怒られるなどと愚痴をこぼしていた。可哀想に思ったアルフレッドも最初は慰めていた。しかし、さすがに一ヶ月が過ぎた頃、このままではいけないと感じ始めた。
「マリテール侯爵夫人、ソフィアに厳しくしすぎではありませんか?」
「・・・殿下、御言葉ですが、半年の期間で全てを詰め込むなら、ソフィアさんでは時間が足りません。別に間に合わなくて良いのなら厳しくしませんが?」
「どういう事だ?間に合わないとは・・・」
「ソフィアさんは学園は出ておいでですわよね?簡単な計算や国の歴史などさっぱりなのです。それに、5歳の子どもでもできる礼儀作法すら身についていません。あれでは半年とは言わず、何年かかろうが無理ですわよ」
「・・・そんな・・・しかし、学園での成績は優秀だったはず・・・」
「・・・殿下は何もお知りにならないほうがよろしいですわ」
「どういう・・・意味だ?」
アルフレッドは知らないが、王家の影が在学中から貼り付いていて、不貞の証拠も全て知られている。そして、学園での成績の真実。ソフィアは、教師をも籠絡していた。自らの屋敷に招き、何人もの男性教師と身体の関係を持っていた。時には親とも言えるような年齢の教師さえいたほどで、妻とは違う、若い女の身体に喜んだ。まだ女を知らない若い教師には、女の身体を教えてのめり込ませた。男達は喜んで腰を振った。ソフィアの嬌声と共に、あなただけと囁かれ、ソフィアの成績はいとも簡単に改ざんされた。
「とにかく、私が言えるのは、このままでは陛下に認めてもらうのは無理だという事です」
状況は酷いものだった。あと5か月でどうにかなるのかと不安だけが募っていった。そんな時、国王に呼び出された。
「アルフレッド、まだ1か月だが、男爵令嬢の教育は終いだ。残念だったな」
「まだ、1か月ではないですか!まだ期限はあります」
「期限の問題ではないのだ。男爵令嬢は王太子妃教育を投げ出した」
「教師が厳しく疲れているだけですよ」
「本当にそう思っているのか?令嬢は王太子妃教育を抜け出して逃げていたのは知っているか?」
「教育をしている者が怖いと言い、すぐ叱責されると怯えて私の所へ逃げてきていました」
「それだけだと思っているのか?」
「どういう・・・事です?」
「お前は、本当に愚鈍だな」
「・・・」
「抜け出した後に向かうのはお前のところだけではなかったという事だ。城の文官や、護衛の騎士、王宮に出入りする貴族令息・・・与えている客間の自室に何人男を引き入れたと思う?」
「それがなんだと言うのです」
「説明せねばならんか?茶でも飲んで話をしていただけならよかったろうな」
「それだけではないとおっしゃりたいですか!」
「注意ぐらいで済めばよかっただろう・・・こっちが確認できただけでも4人だ」
「・・・4人・・・それで、それがなんだと言うのです」
「身体の関係にある」
「・・・そ・・・そんな・・・しかし、彼女の腹には私の子が!」
「そんな嘘にも気付かぬとは本当に愚かだな。腹の目立たぬうちは、悪阻で体調の変化があるものだ。どう考えてもあの令嬢はいたって普通。ましてやその最中に性交渉をするなどありえん。それに、万が一本当に子が宿っておったとしても、お前の子である可能性は低い」
「・・・しかし、もう少し待ってください、期限はまだ」
「待とうにもな・・・本人がおらん」
「・・・なぜ・・・どういうことですか!?」
「逃げたそうだ。部屋はも抜けの殻だ。お前が贈った宝石やドレスも無くなっているとな」
「・・・そんな・・・」
「諦めるんだな。お前にはこちらが決めた相手と結婚してもらう。それまで大人しくしていろ」
気付けばアルフレッドは、自室の寝台の上にいた。どうやって戻ってきたのか覚えていない。誠実で聡明な婚約者を蔑ろにし、己に女を教えてくれた愛した女性にも裏切られた。貴族からの支持も失い、アルフレッドは全てを失った。もう、何も残っていなかった。
国王はソフィアは逃げたと聞かされた事をアルフレッドに話していた。が、実際のところは、王妃によって王宮から追い出され、厳格な修道院へと送られた。
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次回
部屋を間違ったのか?
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