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想い合っていた恋人だった二人
30年のご褒美
しおりを挟む末娘ミーティアが15歳になった。そして事は突然急展開する。ミーティアがバージルの元へ突撃したのだ。エリアナは秘密裏にバージルと会った。これまでの事を話した。バージルは、あの頃の愛しい彼とそっくりで、優しい雰囲気を持つ青年だった。最後にハリーに会ったのは16歳の頃。大人になった彼はこうだったのだろうと思いを馳せた。
念願叶ってミーティアとバージルの気持ちが通じ合った。いろんな事も起きた。二人は自分達の出会いを奇跡と称し、流星の祝祭という祭りを作った。物語に演劇・・・思い出してしまった。再び熱が込み上げた。
ー『夜空を見上げて互いを思い出そう・・・流れ星に願うんだ。僕は君の幸せを、君は僕の幸せを。その時だけは、誰にも邪魔されない、僕達だけの時間だ・・・』ー
あの時ハリーから言われた事は今でも覚えている。あの日から30年・・・エリアナとハリーは夫婦になった。ミーティアとバージルが背中を押してくれたのだ。アルフレッドと離縁をし、ハリーと一緒になった。子爵家だったユリシール家は侯爵家へと格上げされた。最初はハリーを思っての事業斡旋だったが、いつしかユリシール領が自身の領地のように思え大事になっていった。功績が評価されての格上げ。いつしか自分が経営に関われたら・・・それが実現したのだ。
「30年あなたの妻として頑張ったわ・・・それくらいのご褒美、いいでしょう?アルフレッド・・・」
ハリーと結婚する事が決まるまで、エリアナは王妃権限を最大限使ってユリシール領を盛り上げたのだった。
一度は違う相手と結婚したエリアナとハリー。エリアナは若くして亡くなったハリーの妻であったマリーの事も大切に思っていた。マリーがいなければ今の二人はないのだ。
ハリーの屋敷には、誰も足を踏み入れられない場所がある。そこは裏庭の花壇。悲しみ、変わらぬ愛という意味を持ったマリーゴールドが咲いている。
「ねぇ、マリーさん、本当にありがとうね。ハリーと出会ってくれて。ハリーに子どもを残してくれて。あなたがいたから私達の今があるわ・・・もう少しだけ。もう少しだけ・・・ハリーを独り占めさせてね。待ってて、そして見守ってて。私達がそちらに行くまで・・・」
ハリー×エリアナ編(完)
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これにてバージルの父ハリーと王妃エリアナの話は完結です。お付き合いありがとうございます。
この二人が最初から夫婦になっていれば、何もなくただ幸せな話でした。あまりにも可哀想な引き裂かれ方。晩婚夫婦を幸せに書きたくて、こういう結末となりました。本編でも、ところどころエリアナが意味ありげな言葉を発していましたが、目論見の為に裏で操作するしっかり者で強かな女性をイメージしました。夫を尻に敷いて頼れる妻というのもいいですが、いつまでも恋する乙女な王妃様も可愛いですよね。
そして新たに番外編追加決定です!
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◆拗らせ過ぎた片想い
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お楽しみに!!
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