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12.新婚旅行(後編)
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「少し出かけようか」
そう言ってレイモンドが私を誘ってくれたのは、歓迎の宴がすんだ後の事だった。
「ソフィーに見せたい物があるんだ」
こんなにも遅い時間にどこへ行くというのだろう?
「見せたいものってなぁに?」
「それは着いてからのお楽しみだよ」
レイモンドに抱き抱えられるようにして馬に乗り、暗い平原をかけていく。今日は月がとても綺麗だ。
「ソフィー、怖くないかい?」
「ちっとも。とっても楽しいわ」
馬の程よいスピードで、頬に当たる春の風が心地よい。
レイモンドが馬をとめたのは、まだ暗い平原の、何もない寂しい場所だった。
ここに何があるの?
月明かりで明るいとは言え、明かりひとつない平原ではあまり遠くまでは見渡せない。目を細めて当たりを見ても、特にコレといったものは見当たらない。
「きゃっ!!」
突然布か何かが私の視界を奪った。焦って体が傾き馬から落ちそうになった私を、レイモンドが抱きよせる。
「目的地に着くまで、少しだけ我慢して」
突然の暗闇はレイモンドによる目隠しだった。私を驚かせたいので、目的地までこのまま目隠しをしていて欲しいらしい。
それは構わないんだけど……不安定な馬の上で、視界が奪われるというのは少し不安だった。
「大丈夫。私が落ちないように支えてあげるから」
レイモンドが私を支える腕に力を入れた。確かにこれだけ抱きしめられていたら、落馬する可能性はないだろう。
「ねっ、ほら。怖くないだろう?」
レイモンドが耳元で囁く声に、体がビクッと反応する。視界が奪われているせいか、いつも以上に耳が敏感になっているのかもしれない。
「どうしたの?」
レイモンドが私の耳に息がかかる程の距離で囁いた。途端にゾワワワっとした刺激が体をかけめぐる。
「な、何でもないわ」
目隠しされて興奮してるなんて、レイモンドにバレたら大変だ。
いや、もしかしたら、もうすでにバレているかもしれない。かすかにだが、レイモンドのフッという笑い声が聞こえた気がする。
「もう少しだよ」
どうやら目的地に到着したようだ。
馬がとまり、レイモンドが地面に降り立つような音が聞こえた。
目隠しをしたままの状態で体が宙に浮かんだ。聞こえてくるのは、私を横抱きにしたまま動き出したレイモンドの土を踏む音だけだ。
「さぁソフィー、目隠しを外してごらん」
レイモンドに言われ目隠しを外す。クリアになった視界に映る光景に圧倒され、言葉が出ない。それほどまでに美しい花畑の真ん中に私はいたのだ。
「この地方で、この時期にだけ咲く特別な花なんだ」
その花は『星花』というらしい。千日紅のような丸い形をしていたが、私が見たことがあるどんな花とも違い、ほのかな光を放っていた。
「毎年決まった日に一斉に空に向かって綿毛を飛ばすんだ」
それがまるで星達が空へ帰って行くように見えるから星花というのだとレイモンドが教えてくれた。
「素敵ね。見てみたいわ」
「うん。私もソフィーに見せたくて、新婚旅行先をここに決めたんだよ。でも……」
レイモンドは言葉を止め、いたずらっ子のようなにんまりとした顔で私を見た。
「その日は見物人が多いからね。いくらロマンチックでもソフィーとキスできないだろう?」
だから今日、前もって私を連れて来たのだと言うレイモンドに呆れてしまう。そりゃ確かにロマンチックだけど、わざわざキスしたいがためにここまで来なくても。
「……もうバカなんだから……」
レイモンドも馬鹿だけど、キスして欲しいと思っている私も馬鹿なのかもしれない。そんな事を考えながら、瞳をつぶりレイモンドの愛を受け取った。
☆ ☆ ☆
新婚旅行も終わりに近づいた日、屋敷では私達のために夜会が催された。レイモンドの叔父達が気さくな方達だからか、夜会はとてもよい雰囲気だった。
問題が起こったのは、夜会が盛り上がりのピークを迎えた頃だ。
お手洗いで会場を離れた私は、廊下で動けなくなってしまっていた。この廊下の角の向こう側で、令嬢達が私の悪口を言っているからだ。
「レイモンド様の奥様の事、ご覧になりました? レイモンド様より6つも年上なんですって!!」
「びっくりですわよね!!」
「しかも趣味が畑仕事だとか。あり得ませんわ」
私みたいな女に捕まってレイモンドがかわいそう。そのうちレイモンドだって目を覚ますはず、っという話が延々と続いていく。
分かってはいたけれど、直接耳にするとやっぱり落ち込むわね……
若く美しいレイモンドに、私なんかが釣り合わないという事は分かっている。それでも一緒にいると決めたのは私なんだから、これくらいの噂話に負けてはいけない。
そう思ってはいるけれど、彼女達の前を通るのも気まずいし、今はただ隠れるように立ち尽くすしかできない。
「コホン」
咳払いが聞こえ、令嬢達の噂話が終わった。
こっそり様子を伺うと、ウォーレンが彼女達の側を通るのにわざとらしく咳払いをしていたのだ。
助かった……
我先にと散っていく令嬢達を廊下の角から覗いていたら、ウォーレンと目が合ってしまった。
ウォーレンが何となく気まずそうな顔をしているのは、私が悪口を言われているのを見てしまったからだろう。
「ありがとうございます。なかなか通れなかったので助かりました」
これ以上ウォーレンに気を遣わせたくなくて、できるだけ明るく振る舞った。
「無理してませんか?」
私を見るウォーレンの瞳はとても優しい。
「少し落ち込みましたけど……私がレイに釣り合わないのは事実ですから」
自分で口に出してさらに落ちこんだ。でも泣くわけにはいかない。
「えっ!?」
涙を堪えて俯いた瞬間だった。ウォーレンが私の手を掴み引き寄せた。
な、何が起こったの!?
頭がついていかない私をウォーレンが抱きしめる。
「そんなに悲しそうな顔をしないでください」
恐怖で鳥肌がたつ。
気がつくとウォーレンのことを突き飛ばしていた。涙が頬を伝う。
「ソフィー?」
戻らない私を探しに来たのだろう。レイモンドが歩いてくるのが見えた。
ダメ!!
今泣いているのを見られるわけにはいかない。それなのに、涙はおさまることなく次から次へと溢れてくる。
泣いている私を見たレイモンドが慌てて駆け寄って来た。
「ソフィー、どうしたんだい?」
「何でもないわ」
私からは情報が得られないと思ったレイモンドはウォーレンにも確認すると、ウォーレンは「ごめん」っと小さく呟いた。
「ごめんって……」
「やめて!!」
さらに深く追及しようとするレイモンドの言葉を遮った。
「ウォーレン様は私をなぐさめてくださっただけですから!!」
もうこれ以上何も聞かないで。ウォーレンに抱きしめられたなんて、レイモンドには知られたくない。
レイモンドは泣き止まない私を部屋へ連れて帰ってくれた。
「大丈夫かい?」
レイモンドがベッドに腰掛ける私の頭を優しく撫でた。
「ごめんなさい。もう大丈夫です」
なんとか笑うことができただろうか。
「……ソフィー……いや何でもないよ」
レイモンドの笑顔はいつもと少しだけ違って見えた。いつもより少し陰のある笑顔を浮かべたレイモンドは、よしよしっと私の頭を優しく撫でる。
「今日はもう休んだ方がいい」
レイモンドは何も聞かず、私が眠るまで側にいてくれた。
次の日、起きるとすでに日は高く昇っていた。急いで準備をし、皆が集まる部屋へ向かう。
正直レイモンドに会うのも、ウォーレンに会うのも、気まずくて仕方ない。
「ソフィー、おはよう。お寝坊さんだね」
部屋に入るとすぐにレイモンドが迎えてくれる。その笑顔がいつも通りでほっとする。
「……昨夜はごめん……」
ウォーレンが気まずそうな、申し訳なさそうな顔で私に頭を下げた。
「酔っ払ってたみたいで……あのあとレイモンドに嫌というほど説教されたよ」
ははっと笑うウォーレンの声は明るい。
「ソフィアお姉様大丈夫でしたか? ウォーレン、しばらくお酒は禁止ですからね」
メリッサがぷりぷり怒っているところを見ると、昨夜私とウォーレンの間にあった事を皆知っているのだろう。
ということは、当然レイモンドも……
おそるおそるレイモンドの顔を見ると、レイモンドはいつも通りの微笑みで私を見ていた。
「大丈夫だよ。ウォーレンのことはしっかり怒っておいたから」
抱きしめられた事をレイモンドに知られてしまったのは悲しかったが、仕方がない。何にせよ、レイモンドとウォーレンの関係はこじれてないなら、良かったと言うべきか。
夜になり、ウォーレンやメリッサも一緒に星花を見に出かけることになった。
花畑にはこの前と違い、大勢の人が集まっていた。っと、突然歓声があがる。それと同時に光り輝く綿毛が空へ浮かび始めた。
「素敵……」
光が空へと昇っていく、あまりに幻想的な景色に見とれてしまう。空を見上げたままの私の肩を、レイモンドがそっと引き寄せた。
「こんなに美しい景色を見たのは始めよ。レイ、連れて来てくれてありがとう」
レイモンドは何も言わず、肩を抱く腕に力をいれた。
やっぱりレイモンドに触れられていると安心する。私は本当にレイモンドの事が好きなのだ。
「レイ……私幸せよ。これからもずっと一緒にいてね」
レイモンドは微笑み、返事のかわりに熱いキスをくれた。
そう言ってレイモンドが私を誘ってくれたのは、歓迎の宴がすんだ後の事だった。
「ソフィーに見せたい物があるんだ」
こんなにも遅い時間にどこへ行くというのだろう?
「見せたいものってなぁに?」
「それは着いてからのお楽しみだよ」
レイモンドに抱き抱えられるようにして馬に乗り、暗い平原をかけていく。今日は月がとても綺麗だ。
「ソフィー、怖くないかい?」
「ちっとも。とっても楽しいわ」
馬の程よいスピードで、頬に当たる春の風が心地よい。
レイモンドが馬をとめたのは、まだ暗い平原の、何もない寂しい場所だった。
ここに何があるの?
月明かりで明るいとは言え、明かりひとつない平原ではあまり遠くまでは見渡せない。目を細めて当たりを見ても、特にコレといったものは見当たらない。
「きゃっ!!」
突然布か何かが私の視界を奪った。焦って体が傾き馬から落ちそうになった私を、レイモンドが抱きよせる。
「目的地に着くまで、少しだけ我慢して」
突然の暗闇はレイモンドによる目隠しだった。私を驚かせたいので、目的地までこのまま目隠しをしていて欲しいらしい。
それは構わないんだけど……不安定な馬の上で、視界が奪われるというのは少し不安だった。
「大丈夫。私が落ちないように支えてあげるから」
レイモンドが私を支える腕に力を入れた。確かにこれだけ抱きしめられていたら、落馬する可能性はないだろう。
「ねっ、ほら。怖くないだろう?」
レイモンドが耳元で囁く声に、体がビクッと反応する。視界が奪われているせいか、いつも以上に耳が敏感になっているのかもしれない。
「どうしたの?」
レイモンドが私の耳に息がかかる程の距離で囁いた。途端にゾワワワっとした刺激が体をかけめぐる。
「な、何でもないわ」
目隠しされて興奮してるなんて、レイモンドにバレたら大変だ。
いや、もしかしたら、もうすでにバレているかもしれない。かすかにだが、レイモンドのフッという笑い声が聞こえた気がする。
「もう少しだよ」
どうやら目的地に到着したようだ。
馬がとまり、レイモンドが地面に降り立つような音が聞こえた。
目隠しをしたままの状態で体が宙に浮かんだ。聞こえてくるのは、私を横抱きにしたまま動き出したレイモンドの土を踏む音だけだ。
「さぁソフィー、目隠しを外してごらん」
レイモンドに言われ目隠しを外す。クリアになった視界に映る光景に圧倒され、言葉が出ない。それほどまでに美しい花畑の真ん中に私はいたのだ。
「この地方で、この時期にだけ咲く特別な花なんだ」
その花は『星花』というらしい。千日紅のような丸い形をしていたが、私が見たことがあるどんな花とも違い、ほのかな光を放っていた。
「毎年決まった日に一斉に空に向かって綿毛を飛ばすんだ」
それがまるで星達が空へ帰って行くように見えるから星花というのだとレイモンドが教えてくれた。
「素敵ね。見てみたいわ」
「うん。私もソフィーに見せたくて、新婚旅行先をここに決めたんだよ。でも……」
レイモンドは言葉を止め、いたずらっ子のようなにんまりとした顔で私を見た。
「その日は見物人が多いからね。いくらロマンチックでもソフィーとキスできないだろう?」
だから今日、前もって私を連れて来たのだと言うレイモンドに呆れてしまう。そりゃ確かにロマンチックだけど、わざわざキスしたいがためにここまで来なくても。
「……もうバカなんだから……」
レイモンドも馬鹿だけど、キスして欲しいと思っている私も馬鹿なのかもしれない。そんな事を考えながら、瞳をつぶりレイモンドの愛を受け取った。
☆ ☆ ☆
新婚旅行も終わりに近づいた日、屋敷では私達のために夜会が催された。レイモンドの叔父達が気さくな方達だからか、夜会はとてもよい雰囲気だった。
問題が起こったのは、夜会が盛り上がりのピークを迎えた頃だ。
お手洗いで会場を離れた私は、廊下で動けなくなってしまっていた。この廊下の角の向こう側で、令嬢達が私の悪口を言っているからだ。
「レイモンド様の奥様の事、ご覧になりました? レイモンド様より6つも年上なんですって!!」
「びっくりですわよね!!」
「しかも趣味が畑仕事だとか。あり得ませんわ」
私みたいな女に捕まってレイモンドがかわいそう。そのうちレイモンドだって目を覚ますはず、っという話が延々と続いていく。
分かってはいたけれど、直接耳にするとやっぱり落ち込むわね……
若く美しいレイモンドに、私なんかが釣り合わないという事は分かっている。それでも一緒にいると決めたのは私なんだから、これくらいの噂話に負けてはいけない。
そう思ってはいるけれど、彼女達の前を通るのも気まずいし、今はただ隠れるように立ち尽くすしかできない。
「コホン」
咳払いが聞こえ、令嬢達の噂話が終わった。
こっそり様子を伺うと、ウォーレンが彼女達の側を通るのにわざとらしく咳払いをしていたのだ。
助かった……
我先にと散っていく令嬢達を廊下の角から覗いていたら、ウォーレンと目が合ってしまった。
ウォーレンが何となく気まずそうな顔をしているのは、私が悪口を言われているのを見てしまったからだろう。
「ありがとうございます。なかなか通れなかったので助かりました」
これ以上ウォーレンに気を遣わせたくなくて、できるだけ明るく振る舞った。
「無理してませんか?」
私を見るウォーレンの瞳はとても優しい。
「少し落ち込みましたけど……私がレイに釣り合わないのは事実ですから」
自分で口に出してさらに落ちこんだ。でも泣くわけにはいかない。
「えっ!?」
涙を堪えて俯いた瞬間だった。ウォーレンが私の手を掴み引き寄せた。
な、何が起こったの!?
頭がついていかない私をウォーレンが抱きしめる。
「そんなに悲しそうな顔をしないでください」
恐怖で鳥肌がたつ。
気がつくとウォーレンのことを突き飛ばしていた。涙が頬を伝う。
「ソフィー?」
戻らない私を探しに来たのだろう。レイモンドが歩いてくるのが見えた。
ダメ!!
今泣いているのを見られるわけにはいかない。それなのに、涙はおさまることなく次から次へと溢れてくる。
泣いている私を見たレイモンドが慌てて駆け寄って来た。
「ソフィー、どうしたんだい?」
「何でもないわ」
私からは情報が得られないと思ったレイモンドはウォーレンにも確認すると、ウォーレンは「ごめん」っと小さく呟いた。
「ごめんって……」
「やめて!!」
さらに深く追及しようとするレイモンドの言葉を遮った。
「ウォーレン様は私をなぐさめてくださっただけですから!!」
もうこれ以上何も聞かないで。ウォーレンに抱きしめられたなんて、レイモンドには知られたくない。
レイモンドは泣き止まない私を部屋へ連れて帰ってくれた。
「大丈夫かい?」
レイモンドがベッドに腰掛ける私の頭を優しく撫でた。
「ごめんなさい。もう大丈夫です」
なんとか笑うことができただろうか。
「……ソフィー……いや何でもないよ」
レイモンドの笑顔はいつもと少しだけ違って見えた。いつもより少し陰のある笑顔を浮かべたレイモンドは、よしよしっと私の頭を優しく撫でる。
「今日はもう休んだ方がいい」
レイモンドは何も聞かず、私が眠るまで側にいてくれた。
次の日、起きるとすでに日は高く昇っていた。急いで準備をし、皆が集まる部屋へ向かう。
正直レイモンドに会うのも、ウォーレンに会うのも、気まずくて仕方ない。
「ソフィー、おはよう。お寝坊さんだね」
部屋に入るとすぐにレイモンドが迎えてくれる。その笑顔がいつも通りでほっとする。
「……昨夜はごめん……」
ウォーレンが気まずそうな、申し訳なさそうな顔で私に頭を下げた。
「酔っ払ってたみたいで……あのあとレイモンドに嫌というほど説教されたよ」
ははっと笑うウォーレンの声は明るい。
「ソフィアお姉様大丈夫でしたか? ウォーレン、しばらくお酒は禁止ですからね」
メリッサがぷりぷり怒っているところを見ると、昨夜私とウォーレンの間にあった事を皆知っているのだろう。
ということは、当然レイモンドも……
おそるおそるレイモンドの顔を見ると、レイモンドはいつも通りの微笑みで私を見ていた。
「大丈夫だよ。ウォーレンのことはしっかり怒っておいたから」
抱きしめられた事をレイモンドに知られてしまったのは悲しかったが、仕方がない。何にせよ、レイモンドとウォーレンの関係はこじれてないなら、良かったと言うべきか。
夜になり、ウォーレンやメリッサも一緒に星花を見に出かけることになった。
花畑にはこの前と違い、大勢の人が集まっていた。っと、突然歓声があがる。それと同時に光り輝く綿毛が空へ浮かび始めた。
「素敵……」
光が空へと昇っていく、あまりに幻想的な景色に見とれてしまう。空を見上げたままの私の肩を、レイモンドがそっと引き寄せた。
「こんなに美しい景色を見たのは始めよ。レイ、連れて来てくれてありがとう」
レイモンドは何も言わず、肩を抱く腕に力をいれた。
やっぱりレイモンドに触れられていると安心する。私は本当にレイモンドの事が好きなのだ。
「レイ……私幸せよ。これからもずっと一緒にいてね」
レイモンドは微笑み、返事のかわりに熱いキスをくれた。
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