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15.二人が一緒に歩むため

282.伝わらない訳、君が辛い訳

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アキラが退出すると、ジョンはイライラしたように椅子にドカッと座り机に突っ伏した。

その前の席に会長は座り、突っ伏しているジョンを見下ろすように目をやる。


「ジョンくんやしっかりと聞きなさい!」


会長のいつもより低い声にピクリとジョンのカラダが跳ねる。


「いいか?アキラくんはありゃ完璧に女脳じゃ!
性行為に感情がかならずくっついてるタイプじゃよ

その点ジョンくんは完全に男脳じゃ、性行為をダイレクトに生殖行為として考えるタイプじゃ」


いきなり始まった会長の難しげな話にジョンは?マークがついた顔をあげた。


「よいか?どっちの脳が正しいとか悪いとかじゃあないからな!
脳の作りが違うだけじゃ!

それを踏まえて、ワシは今回はジョンくんが悪いと思うぞ!」


ジョンは目を見開いて固まる。


「アキラくんはお前さんとのオナニーを完全に性行為として捉えとる!
好きな相手とする肌の触れ合いはアキラ君にとって、もう性行為なんじゃよ!

それはお前さんはどうせ淡々と進めて、さっさと脳波とか測ったんじゃろう?

アキラくんはさっき、そんなお前さんとする行為が辛いと言っとったんじゃよ!」



「え?…あのオナニーを僕に抱かれてるとカウントしてたの?
…あんな簡単な行為を?
…アキラが?」


ジョンの顔色がどんどん青くなる。声は驚きから、どんどん大きくなっていく。


愛の言葉も、甘い触れ合いもなしにただ逝かせただけの行為をセックスと捉えて、アキラはどんな思いだったのか考えただけで震えがでる。


「ワシは古い人間じゃからな!
今は考え方はいろいろあるが、性行為において雰囲気作りは攻め入る側がするもんじゃと思っとる!

ジョンくんやアキラくんをよく見とったか?
あんだけアキラくんがゴネとったんじゃ、前もってSOSくらい出しとったろうよ!」


ジョンはアキラの様子を思い出す。
脳波計を付けるときの諦めた顔、分身を扱うときに添えられた震える手、物言いたげに動いては止まった唇

思い出すたびに罪悪感がわきでてくる
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