夢から覚めるなら殺して〜虐待を受けてきた白狼、天才科学者はなんとか助け出すが、歪んだ性知識と無知な性知識、いつになったら幸せになれるの？

15.二人が一緒に歩むため

287君を疑うなんて必要なの？

「で？なんで僕をまた指名したんですか？
こっちは公務員ですよ！指名されてもご指名料金とれないんですよ！

あと僕は今ニ課で傷害事件は管轄外ですよ！
よく上も了承したな！」


相変わらず憤っている、今回も被害者ヒロシはアキラの前に座り、机をバンバン叩いている。

見ている限りではかなり激しい取調みたいだなぁ
と呑気にアキラは思っている。


「すいませんねぇ、ヒロシさんなら僕も話しやすいんですよ！
蛇塚さんだったかな？あの人と一緒に取調なんて考えただけでストレス感じる…

しかも何あの格好？アカハライモリみたいですよね？」

だるそうにアキラが愚痴れば、ヒロシはアカハライモリがツボったのが口を押さえて少し震えている。

「くくっとりあえず、傷害事件って何したんですか？

ん？これアキラさんが被害者じゃないですか？
取調室に通したりして何考えてんだ？

男の魅了被害だから怪しいって…
アキラさんに限ってありえないでしょうが！
性欲がスライムLvなんだから！」


ヒロシが調書の内容を見て、どんどん自己完結していってくれる。


ちょっと引っかかるフレーズがあるが、こりゃ楽だなぁ～
帰ってからのジョンとの話し合いもこんな感じにすすまないかなぁ～
と爪のササクレを気にしながら考える。


「とりあえず、何を取調るんだ？
当日の様子を見てもアキラさんが一人になったことなんてトイレ以外にないよな？

これでサキュバスに無理矢理迫って、魅了をかけさせたって無理があるでしょ？


………え～っと、お疲れ様でした。取調を終わります。」


「イヤイヤイヤ、もうちょっと延長してくださいよ！全然調べられてませんよ？

せめてあの蛇塚さんが来るまでは取調してました。みたいな顔でいてもらわないと困りますよ」


ヒロシは自己完結で取調を終わらせようとするので、ちょっとアキラは焦った。