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18.胸のホールを埋めてください

391.埋まらないホール

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シノダ教授に呼ばれてやってきたおじいちゃんに、アキラは柔らかな表情で正に見事なまでのビジネススマイルで言ってみせた。


「はじめまして、アキラと申します。
以前お仕事をさせてもらった、食品会社の会長ですよね?
HPで拝見させていただきました。
こちらは会長のお宅ですか?

すいません、ちょっと記憶が曖昧で…
事の経緯を説明していただけると助かります。
なぜ僕はここにいるんですか?」


おじいちゃんの顔が真っ青になっていく。
すぐ後ろにいたシノダ教授も目を見開いて、青ざめていく。


「……何を言ってるんじゃ?
アキラ君…はじめましてって
…ジーザス、何が起きてるんじゃ?」


会長に促され慌ててシノダ教授がアキラの前にたつと…
アキラは花が咲いたようにキラキラとシノダ教授を見上げる。


「はぁ本当にシノダ教授だ…さっきお会いしたときからそうじゃないかと……こんな格好じゃアレだけど
僕あの、シノダ教授の大ファンで…

えっと、なんでシノダ教授が僕の治療みたいなことしてくださってるんですか?
嫌とかじゃないんですよ!夢見たいなんですけど…状況がわからなくて…」



シノダ教授の息を飲む音がした。
体はカタカタと震えている、アキラ以外の全員の体温がどんどん下がっといく気がする。


「えっとアキラ君?
落ち着いて考えてくれるかな?
俺と最後に会った日はいつかな?」


アキラがキョトンっとした顔をする。
その後にはにかみスマイルで肩をあげて嬉しそうに答えた。


「何言ってるんですか?
ナンパみたいな冗談ですか?
僕がシノダ教授に会ってるなら忘れるわけないじゃないですか!
僕は本当にシノダ教授を昔から……えっ?」


冗談だと捉えて、クスクスと笑っていたアキラがシノダ教授のあんまりに絶望的な表情に気づいて固まる。


「………えっ?シノダ教授?」


戸惑ったアキラの声が部屋に響いていた。
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