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18.胸のホールを埋めてください

390.そしてホールは開かれた

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ひたすら握っていた手が何かを確かめるようにギュッと強く握られた。
アキラに目をやれば、目がピクピクと震えている


あぁ目がゆっくりと開いていく
待ちわびていた、でも不安から握っている手が震えている


どうか、暴れないで…
どうか、どうか、もう死にたいなんて言わないで…


開かれた目がぼんやりとしてまだ焦点があわないのか、二度三度ゆっくりと瞬きをする。
天井がいつもと見慣れないのか、キョロキョロと忙しなく動き出し…



僕の方に目線が来た…


大きく見開かれていく目、その後ゆっくりと目を細めうっとりと見つめてくる………




え?ちょっと何?その反応?


「あっ!アキラ君、意識戻ったの!
ちょっと動くの待ってね、君はまるっと3日寝てたからね?
気分はどう?」

シノダ教授がアキラの目にライトを当てる。
そんなシノダ教授にも目を見開いて、頬を少し赤らめている。しかも口元ゆるんでいる。


ちょっと待って!本当に何?その反応!
僕の時より嬉しそうなのが腹立つ!!



「OK!目眩とかはなさそうだね、暴れる様子もないし、ギルマス呼んでくるよ!
まだベッドからは降りないでね?」



シノダ教授はバタバタとおじいちゃんを呼びに行ってしまった。
まだ手は握ったままで、離せないでいる…


でもアキラの反応があきらかにおかしい…


ゆっくりと上体を起こしていって、綺麗な微笑みを浮かべる、またうっとりとした表情で少しはにかんだように口元を緩めている


「ありがとう、手を握っててくれたんだね?
…君、名前は?
ここってどこかな?」


アキラの言葉に、一瞬理解ができなかった…


「…………えっ?………アキラ?」


やっと絞り出した声は、可笑しいくらいに震えている。


「あっ………ごめんね、もしかして会ったことあったかな?
君みたいな人は一度会ったら忘れられないと思うんだけど…ごめんね」


ちょっと困った顔をするアキラに、目の前が暗くなった気がした。
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