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✿❀✿ 番外編 ❀✿❀

§§ ネクタイ 裏2 暴力表現有 §§

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かなりの暴力表現があります
苦手な方はスルー願います


===============
首筋をザラザラした皮膚に爪の伸びた汚れた手で撫でられて悪寒が走る…
耳元に臭い吐息をかけられて、吐き気を催す…




僕は本当に今まで幸せな性生活を送ってきたのだと実感してしまう
これがジョンであれば、僕はもう煽られてたまらなくなっているのに…
できる限りの軽蔑した顔をして



「汚い手で触んなよ…
クッソ気持ち悪い…臭い息も耐えられない!
同じ空気すら吸いたくないですよ…」



僕の吐き捨てるような言葉に顔を赤くして、拳を振り上げる頬や胸、腹など目につく場所を手当たりしだい殴る


興奮しきって蹴りやエルボーなどあらんかぎりの暴力を振るってくる



ドゴッダガッ


鈍い音が応接室に響く



「ぶひゃひゃ…俺に逆らうからだ!
まだまだ終わらんぞ?
怖がれ…泣いて許しを請えよ?
ぶひゃひゃひゃ…」



醜い豚男の興奮した笑い声が耳に障る


だが…
そうだよ…そうやって殴っといてくれよ
殴られていた方がさっきみたいに触られるずっとマシだ
痛みに耐えるだけでいい



この豚男たいして力は強くないが、全体重をかけてくるエルボーやニードロップ膝落としはかなり効く
肋が嫌な音をしていたから…
一本くらいいったかもしれない



「う"う"ぅぅ…ごぼぅふぅ………ごほっこふぅ」


殴られた衝撃で血の混じった吐瀉物を吐き出すと、頭を掴まれて持ち上げられソファの取手に叩きつけられた




額が割れて血がほとばしる、ボタボタとソファ、僕のズボン、胸に血しぶきが落ちる
目に血が入って瞬かせてもなかなか見えない…
まぁ豚男の醜悪さを見なくていい分ありがたいかもしれないが…



血に興奮したのか、更に声高にブヒャブヒャと笑う
本当に耳障りだ…



再度頭を掴んで顔を上に向かせると、首筋を垂れる血を舐めあげるように舌を這わせる
あぁこれは駄目だ…


そこから体が腐っていくような、汚されていくっという実感に体が震え、そこで始めて恐怖を感じた…



「……あっ…イヤだ、触らないで…」


殴られようが蹴られようがこんな豚男に殺されはしないと恐怖などなかったが…



性的に舐められ触られるのがとても耐えられない…



自然と見開かれた瞳からポロポロっと涙が落ち、体が強張りカタカタとと震えだした


そのような姿は豚男を喜ばせるだけだとわかっていたが…とても止めることができなかった…



「ぶひゃ?ヒャぴゃはひゃ…いい顔だ!やっといい顔になってきた!!」



案の定、気を良くして興奮し
僕の乳首を汚い黒い垢が溜った爪で引っかき、乱暴につまみ上げた


体がピクリっと跳ねた…
今…僕は感じた?この気持ち悪い男の刺激に感じた?



「あああぁ……うそだ…最悪だ…」



思考がパニックを起こしてまとまらない…
僕の体はこんな男の刺激にすら感じるのか?
信じられない…気持ちが悪い…


そんな最悪な気分に落とされているのに…
更に豚男はあろうことか唇を重ねてきた…



今…僕はこの醜い豚とキスをしてるのか?唇に当たるものは…あの臭い息を撒き散らす汚い黄ばんだ歯の豚の口か?



理解した瞬間、悪寒が走り…喉から悲鳴とも怒号とも呼べる声が上がるが…唇で塞がれほとんど声は漏れない



さらにこれ幸いとばかりに、短い分厚い舌が滑りこんできて…



耐えられない…気持ちが悪い…
汚い………汚される……腐っていく……

ギャアアア!


悲鳴が応接室に響いた………








(少し時間が戻り  sideマサト)

本日は今回、M&A子会社化を行うポーション製造会社の視察だ…
今回はアキラさんたってのおねだり案件なので、アキラさんのやる気もあって大変ありがたい!



絶対に面倒くさがって嫌がる視察も文句言わずに来てくれる
それだけじゃなくて、社長や社長夫人とも楽しそうに談笑を率先して行っている


本当にすっごく助かる!
しかもこの会社の特徴やメリットをおしゃべりな夫人と共に、俺や谷口に楽しそうにアピールしまくるのだ…
これはアレだな…ちょっとオタク入ってる感じだな…



ポーションオタクのアキラさんの推し会社なんだな…この会社は…
しかし視察で見れば確かに素晴らしい会社だった
設備は古いが清潔に丁寧に使われていて、従業員の動きも機敏で的確だ
うん、アキラさんが推すだけある!


しかしわからない…
こんなしっかりと管理されている会社がなぜ倒産危機に?


しかしそんな有意義な視察中に、突然


「視察中ですが…少々お話をしたいことがあります…
あちらの面会室に起こしください!」


不躾にも名も名乗らず、それだけ言い残すとドカドカと重そうな体を足音うるさく去っていった


なんだ?残飯処理用の豚でも飼ってるのか?
SDGsにも考慮してる素晴らしい会社じゃないか!


「申し訳ありません、あれは私共の息子で…
気にしないでやってください!
あの子もそろそろ常識を持つべきだわ…いい年の大人なのに…
本当にお恥ずかしい…」


夫人が顔を赤くしてペコペコとしきりに謝ってくる
息子さん?あのぶくぶく太った豚が?


「………しかし、母さん……あいつ、もし無視なんかしてたら、このあと癇癪起こすぞ……少しの話くらい」


ん?なんだこの社長は?
まさかあの失礼極まりない豚の言うことを聞けというのか?
視察の予定を切り上げてアポ無し突撃で言い捨てて行ったあの言葉を?


そんな社長を視線で射り殺さんばかりに睨みつけている夫人は大変に麗しい…
まさに良識人!この夫人がいるからこの会社があるのだと思わずにはいられない!


「しかし…しかし…」


っとよっぽどあの豚が気になるのかオロオロし通しの社長に、アキラさんが大きくため息を吐くと…



「わかりました、社長がそんなに若社長のことが気になるなら僕が話を聞いてきますよ
僕はここの設備なんて見飽きるほど見てるし…マサトさん達で視察を続けてください
話を聞き次第そちらと合流しますので…」



いつもならあんな無礼千万なヤツは切って捨てて、目線にもいれないようなアキラさんが相手を買って出た…
はぁ今日のアキラさんは本当に真面目で助かるぅぅ




まさかあんな自体になるなんて思いもしないで、軽やかに歩くアキラさんの背中を見送ってしまった


あのときのそのような判断をした自分を引っ叩いてやりたいと思うことになろうとは…露ほども思わなかった











「女将さん!こちらにいらっしゃったんですね!!
視察中の失礼をお許しください…はぁ、はぁ……大変です…若様があの……あの…お客様に…」 


走ってきたのか汗だくで、激しく息を切らす年配の女性の必死な様子に目を剥く


「……アキラさんに何をしたんですか?
答えてください!!」

「………あっ…あの…ら…乱暴を」



弾かれるように走り出して、並列して必死に走り夫人が応接室に案内してくれた
足元の赤いパンプスは早々に脱ぎ捨てられ…
ストッキングの伝線も気にすることなく走る様は正に賞賛に値したが…
今はそれどころではなかった…



応接室から豚の首を締めたような叫び声が響き、ガタッバタッっと尋常じゃない物音がして怒号も聞こえる…



俺は走るスピードを緩めることなく、そのまま応接間の扉を蹴破った
目に入ってきた光景に
頭に血が登るのを感じた
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