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21.進む僕
570.昔の君は
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「ステータス値を人間がいじるのは、禁忌だって見解をしてるめちゃくちゃでかい団体があるんですよ!
その名も『奇跡の実』って団体でね?
ダンジョンとかで力の実とか素早さの実とかがモンスターや宝箱から稀にドロップするじゃないですか?
その実を取り仕切ってるっていう、たいへ~んありがたい、でか~い団体なんですよ!」
ジーザス、あの団体のこと好きじゃないじゃろう!
言い方に棘がありまくりじゃ…
「そのでかい団体に、5年くらい前に真っ向勝負を挑んだ研究室がありましてね?
まず無理だって言われてた攻撃力のステータス値をあげるポーションの論文を学会発表したんですよ!
本当に小さな研究室で、そこの中心人物が少女Aって子でね、可憐で儚げな見た目なのに
バッサバッサっと嫌らしい質問者を切っていく様は、まぁ圧巻!まぁ痛快!!
僕もネット中継で見てたけど…
本当に美しくて…尊くって…もう推しに推しまくってました!
その時期はその研究室の話で持ちきりだったのですが…」
ちらりっとアキラ君の方を悲しげに見ると、痛々しい顔になっていく…
「本当にその団体の存在意義を潰せそそうってところで!
論文の学会発表を取り下げてしまってね、研究室も閉鎖になってしまって…
ネットではかなり辛辣な書き込みが溢れたけど…
あれは君ってことだよね?」
ジーザスが熱く語ってる間
アキラ君がずっとちょっと複雑そうな顔で、苦笑いを浮かべている。
「ロンさんはさすがですね?
よくご存知だ…
そうですよ、アレは僕です。
学会での発表する名前をアキラのAにしてたら、見た目から何故か女って勘違いされてしまって…
否定もしなかったら、少女AとかQUEEN Aとか呼ばれるようになりました。
アレはね…僕たちの教授の最後の祭りだったんですよ」
懐かしむように、アキラ君は目を細めて笑う…
「僕達の研究室は本当にあのクソみたいな団体に何度も嫌がらせを受けてきたんですよ…
研究費削られるは、ポーションの材料を差し止められるは…
本当にくだらない嫌がらせをずっとね…
だから、最後にでっかい花火を打ち上げたんですよ!
本当に攻撃力を上げるポーションはありますし、あの当時の僕は作れてた!
でもその祭りの最中にね…死んじゃったんですよ、主役の教授がね…
ずっと前から病気で、伏してたから…
そこからは発表者不在で論文は取り下げ、教授不在で研究室は閉鎖ですよ
本当にあっけない幕引きでしたよ…
僕はね…またあの攻撃力のポーションを作りたいんですよ
あれこそが僕達のポーションの中の最高傑作だから!
その存在を知らしめたい…あのときなかったものにされた、僕達のポーションを!!」
悲しげな雰囲気はどこへやら、大変にギラギラした顔で挑戦的に笑っておる…
こんなアキラ君は初めて見た。
自信に満ちて、いつもの儚さも弱々しさもなく不敵に笑う様は
なるほどQUEENAとはよく言ったものじゃ
「あそこの団体に喧嘩を売るとなると…ちと厄介じゃな…
あそこはいろいろなところに根を張っておるからなぁ
長いスパンが必要じゃぞ?
じゃが…面白いのう
攻撃力を上げるポーションなんぞ、冒険者からしたら喉から手がでるほど欲しいわい!
全力で応援させてもらうわい!!」
「あぁそんながっつり応援されても…大丈夫ですぅ…
カッコつけておいてなんですけど
たぶん今の僕にはまったく作れませんから!
本当に作れるかなぁ…歳も歳だしなぁ…昔より体力ないしなぁ
はぁ、骨が折れそっ!明日から頑張ろう…」
おい!さっきまでの自信はどこいった?しっかりせんかい!!
その名も『奇跡の実』って団体でね?
ダンジョンとかで力の実とか素早さの実とかがモンスターや宝箱から稀にドロップするじゃないですか?
その実を取り仕切ってるっていう、たいへ~んありがたい、でか~い団体なんですよ!」
ジーザス、あの団体のこと好きじゃないじゃろう!
言い方に棘がありまくりじゃ…
「そのでかい団体に、5年くらい前に真っ向勝負を挑んだ研究室がありましてね?
まず無理だって言われてた攻撃力のステータス値をあげるポーションの論文を学会発表したんですよ!
本当に小さな研究室で、そこの中心人物が少女Aって子でね、可憐で儚げな見た目なのに
バッサバッサっと嫌らしい質問者を切っていく様は、まぁ圧巻!まぁ痛快!!
僕もネット中継で見てたけど…
本当に美しくて…尊くって…もう推しに推しまくってました!
その時期はその研究室の話で持ちきりだったのですが…」
ちらりっとアキラ君の方を悲しげに見ると、痛々しい顔になっていく…
「本当にその団体の存在意義を潰せそそうってところで!
論文の学会発表を取り下げてしまってね、研究室も閉鎖になってしまって…
ネットではかなり辛辣な書き込みが溢れたけど…
あれは君ってことだよね?」
ジーザスが熱く語ってる間
アキラ君がずっとちょっと複雑そうな顔で、苦笑いを浮かべている。
「ロンさんはさすがですね?
よくご存知だ…
そうですよ、アレは僕です。
学会での発表する名前をアキラのAにしてたら、見た目から何故か女って勘違いされてしまって…
否定もしなかったら、少女AとかQUEEN Aとか呼ばれるようになりました。
アレはね…僕たちの教授の最後の祭りだったんですよ」
懐かしむように、アキラ君は目を細めて笑う…
「僕達の研究室は本当にあのクソみたいな団体に何度も嫌がらせを受けてきたんですよ…
研究費削られるは、ポーションの材料を差し止められるは…
本当にくだらない嫌がらせをずっとね…
だから、最後にでっかい花火を打ち上げたんですよ!
本当に攻撃力を上げるポーションはありますし、あの当時の僕は作れてた!
でもその祭りの最中にね…死んじゃったんですよ、主役の教授がね…
ずっと前から病気で、伏してたから…
そこからは発表者不在で論文は取り下げ、教授不在で研究室は閉鎖ですよ
本当にあっけない幕引きでしたよ…
僕はね…またあの攻撃力のポーションを作りたいんですよ
あれこそが僕達のポーションの中の最高傑作だから!
その存在を知らしめたい…あのときなかったものにされた、僕達のポーションを!!」
悲しげな雰囲気はどこへやら、大変にギラギラした顔で挑戦的に笑っておる…
こんなアキラ君は初めて見た。
自信に満ちて、いつもの儚さも弱々しさもなく不敵に笑う様は
なるほどQUEENAとはよく言ったものじゃ
「あそこの団体に喧嘩を売るとなると…ちと厄介じゃな…
あそこはいろいろなところに根を張っておるからなぁ
長いスパンが必要じゃぞ?
じゃが…面白いのう
攻撃力を上げるポーションなんぞ、冒険者からしたら喉から手がでるほど欲しいわい!
全力で応援させてもらうわい!!」
「あぁそんながっつり応援されても…大丈夫ですぅ…
カッコつけておいてなんですけど
たぶん今の僕にはまったく作れませんから!
本当に作れるかなぁ…歳も歳だしなぁ…昔より体力ないしなぁ
はぁ、骨が折れそっ!明日から頑張ろう…」
おい!さっきまでの自信はどこいった?しっかりせんかい!!
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