夢から覚めるなら殺して〜虐待を受けてきた白狼、天才科学者はなんとか助け出すが、歪んだ性知識と無知な性知識、いつになったら幸せになれるの?

モスマンの娘

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22.阻む君

596.ひどい現実  (sideマサト) 痛表現有

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飛び込むようにアキラさんの家に入れば、そこは信じられないほど荒れていて


以前はチリ一つないような床が、割れた食器や倒れた鉢植えなどが散乱し、しかも所々に血の擦れた跡がある


明らかにここで暴行が行われていた痕跡に、血の気が引いていく。


「なんで?なんでいないの?
アキラ!アキラはどこ?」


ジョン君がリビングには目もくれず、向かった寝室から悲鳴のような叫び声がする。
急いで向かえば… 


そこには、大量の血とわずかな精液で汚れたシーツがかかっているベッドがあって…
思わず胃からこみ上げそうになったものを、口元を抑えることでなんとか飲み込んだ。


「アキラ……なんで?……いないの!
………嘘でしょ?」


ジョン君が床に目をやる。そこには何かを引きずったような、血の擦れた跡があって


リビングにもあったそれを見つめ
みるみるジョン君の顔色が青くなって、目が見開かれてカタカタと体が震えていく。


「はっはっ這ったんだ……アキラ、僕を探して、あんな体で……僕のことを、わあぁぁ、なんで?アキラァ!!
どこなの?なんでそんなことを、わあぁぁ!!」


絶叫するようなジョン君の言葉にアキラさんの異常性を感じて体が震える


だが今は、それどころじゃない!
部屋中をアキラさんを探して三人で走り回る…


そこらかしこにある、この跡が本当に這った跡だと言うなら……アキラさんの精神状態はかなり危ない
ほとんど家中を這い回っていることになる、完全に常軌を逸している。


「ジョン君、ここは?こっちにも跡があるんだよ、地下は見た?」


ほとんどの部屋を見てもアキラさんは見つからず、焦りを感じだした俺とジョン君に谷口が冷静に声をかける。


「地下……今はほとんど使ってないけど
ああぁぁ…アキラァ…もしかして…」


三人で地下へと続く階段を駆け下りて行く。
薄暗い照明が自動で暗い部屋を照らしていけば……


二つ目の隔離部屋に丸々ように倒れているアキラさんの姿があった。
ひと目で見てわかる、これはヤバい!


右足がありえない方向に曲がっている。
肌も青白くて生気が感じられない……
パジャマの上だけを羽織って、かろうじて隠れている下半身からは血が流れた跡があって
やられたであろう、酷い行為に怒りで体が震えあがる。


俺はすぐに自分のジャケットを脱いでアキラさんにかけて抱き起こした。


「アキラさん!しっかりしてください
アキラさん!!
谷口、救急車を呼べ!救急病院に連れて行くぞ!
これはやばい、会長のとこの医者じゃ無理だ、回復師が…」

「ゔぅっっ……はぁ…、ジョン……は?
病院…やめっ…」


俺の呼びかけに気がついたのか、でも顔が苦痛に歪んでいく。
当たり前だ…身体中が痛いだろうし
カタカタと体が震えている。
低体温症も心配なくらいに体温が感じられない
それでもアキラさんは、青白い顔のまま、必死に目や首を動かしてジョン君を探す。


そういえば、ジョン君はなんでアキラさんに駆け寄らないんだ?
いつもなら真っ先に駆け寄って、抱き上げる役はジョン君なのに……


部屋の入口の方に目をやると、ガタガタと震えて口元を抑えて目からボロボロっと涙を流しているジョン君がいて


「何してるの?ジョン君!
アキラさん、君のこと探してこんな、バカなことしたのに…
アキラさん呼んでるよ!ジョン君!!」

「ダメだ……触れない…、僕はもうアキラには触れない!
触る資格なんてないんだ……こんな酷いことしたのにぃ!!」


ジョン君の涙混じりの絶叫に目が見開かれていく
アキラさんをこんなに酷い状況にしたのは、本当にジョン君なの?


「いい…よ…、よかった、戻って……これたんだ」


なのにアキラさんは、なんでそんなに安堵した顔をしてるだよ?
あんた、今の自分の状況をわかってるのかよ!
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