夢から覚めるなら殺して〜虐待を受けてきた白狼、天才科学者はなんとか助け出すが、歪んだ性知識と無知な性知識、いつになったら幸せになれるの？

27.強くなるよ

724.波風が立ちます

「いい感じに仕上がってるね！
これなら合格点いけるんじゃないかな？
ジョン君は普段の生活の知識が下地になってるから、社会と理科と国語と数学は問題ないんだよね
ただ英語だけがまったくだったからね……まだテストまでは一ヶ月あるからね？追い込みで頑張るよ！」


よかった、もうここ数日は単語帳片手に掃除したり、ヒアリング聞きながら筋トレしたり
本当に英語漬けな毎日を過ごしてきたから、これで結果でてなかったら泣いちゃいそうだし……

アキラにいたっては、僕に気を使ってか英語で日常会話しだしたからね！
本当はペラペラだったんだね、知らなかったよ！
意味がわからなくて、泣きそうになったからすぐに止めてもらったけど


「それとこれとは別で！
いたしてる？ちゃんといたしてないよね？
データがね、来てないんだけど！
一週間に一回はしないとだめでしょ？何？代わろうか？できないならすぐに代わるよ喜んでね！なんなら今晩にでも…」

「します！すぐに今日します！
アキラは僕のなの、シノダ教授とは代わりません！
ごめんなさい、僕の管理不足でした。本当に今日の今日いたします。」


そう、僕は勉強でアキラはお仕事でお互いが少し疲れ気味だったから…
時間が取れなくていたしてなかったのだ。そりゃ怒られるよね？

英語の勉強を優しく見てくれていたシノダ教授が、まったく別人みたいな顔になってびっくりした！
なんで半笑いで目はギラギラで迫ってくるの？
あの目は絶対に本気だったし…
隙さへあれば掻っ攫おうとしてる目だったし……


「わかりました。今日するんだよ？
まぁ、アキラ君も忙しくしてるから仕方ないかもしれないけど
アキラ君の体のためだからね？お願いね？」


すぐに優しい感じのシノダ教授にもどっていった。
本当にこの人は怖い、カズマさんには絶対に盗られない自信があるしアキラも受け入れないだろうけど
この人は本気でこられるとめちゃくちゃ危ない気がする！



そして今日の今日、いたすと決めたのに……アキラが帰ってこない！
さっき電話で

『ちょっと職場でトラブったから遅くなるんだよ、先に寝ててくれていいからね？ごめんね』

って連絡が入ったのだ……
でも今日しないとシノダ教授が何かしらちょっかいかけてきたら嫌だし
それにアキラが仕事で遅くなるのが心配だし

結局は寝るなんてできなくて、英語の参考者を解きながら待っていると
帰ってきたのはへべれけでお酒臭いアキラで………どういうことかな？


もうあからさま膨れて怒った顔の僕を見て、慌てて送ってくれた谷口さんがソファに座りアキラの前に出る。


「ジョン君ごめんね、今回は本当にアキラさんが悪いわけじゃないからね？
ほらっ、アキラさんをよく思ってない役員達がいるんだけどね…
その人達が社長がいないときを狙って視察の名目で訓練施設に突撃しにきたんだよ！

結局はアキラさんが対応してくれたから、なんとかなったんだけど……
その後は接待で切り抜けることになって……本当に申し訳なかったよ」

「いいんですよ、谷口さんも立場がねぇ……大丈夫ですよ？
はぁ、気持ち悪ぃ……
それにしても、あのジジィどもは……はぁ厄介だなぁ」


つまりアキラや谷口さんよりも立場が上の厄介なジジィが来たのかな？
そいつのせいで、アキラがこんなに気持ち悪そうにお酒飲まなきゃいけなかったの！

アキラはお酒は弱いけど、いつもはすごく楽しそうに飲むのに…
今日はくたびれてヘロヘロでちっとも楽しそうじゃなくて……


「ジョンありがとう、大丈夫だよ？
会社にはね、どうしても理不尽な付き合いってあるから
いつもはマサトさんや谷口さんが僕を守ってくれてるんだけどね？
今回はタイミングが悪かったんだよ」


僕が差し出した冷たい水をぐいっと飲んで、苦笑いをするアキラは僕なんかよりもずっと年上で
怒っている僕が酷く幼く感じて、嫌になる


それでもこの日はもうしかたないって、とりあえずいたすのは明日にしようって思えたけど……