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27.強くなるよ
726.波風のど真ん中 (sideシバ)
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なんなんだこの人達は……
新しい訓練施設の準備を整えるのに慌ただしく働いているのに、そんなときに現れたのがこの訳も分からかい三人組!
急に連絡もなく偉そうに、まだ開いてない玄関口の扉をガンガンっと叩くと
十人くらいの冒険者達を引き連れて、ドカドカっと我が物顔で入ってきたのだ
「あの…アポイントメントを取っていただかないと困ります!
こちらはまだオープンしておりませんし……」
まだ研修中の受付のお姉さんがアワアワっと一生懸命に応対しているが、鼻で笑って歩を止める様子はない……
俺は思わず、歯をむき出しにして怒鳴ろうとすると
後ろからぐいっと服の襟足を引っ張られて、つんのめってしまった。
俺が無様に倒れかけている横を、サササッと小走りに通り過ぎたのは……
細い体に襟足の長いサラサラの髪、相変わらずの黒一色コーデのムカつく姿で……
「どうも、こんにちは!
皆様どうされたんですか?
わざわざまだオープンしてない、こんな辺ぴな訓練施設に視察ですか?
皆様は本当にお仕事熱心ですねぇ
僕も見習わなきゃ!」
猫撫声のような鼻にかかった可愛らしいしゃべり方に、柔らかな笑顔で小走りに三人のもとに向かう姿は
媚びを売りまくる娼婦にすら見えて…気持ちが悪い!
「貴方のような外部からぽっと入社して、即座に役員に成り上がった方が副所長の訓練施設はどんなものかと思いましてね?
不正経理や冒険者達を顧みないようなトレーニングなんかしていないか、心配でね?」
「嫌だなぁ、アブさん!
僕がそんな度胸あるわけないじゃないですか、僕のこの見た目みてくださいよ?アブさんが吹けば飛んでくような見た目ですよ?アハハ」
リーダーのような男は、昔は大層に体がデカかったと思えるような小山のような体だが、その表面には明らかに脂肪がついている。
腹などでっぷりっと妊婦のように突き出している。
そんな男にアイツはニコニコと親しげに話しかけ、なんなんだ…
アイツの仲間か?
「はっ!いつもの坊っちゃんはいないみたいだしなぁ?
直接お話できるいい機会だと思ってなぁ?ははっ…あんたはなかなか可愛い顔をしてるからなぁ
いつかお近付きになりたいと思ってたんだよなぁ」
金髪でぱっと見は優男みたいな見た目だが、金髪には白髪がまじり
肌にもシミやシワがある。
筋肉質な体は鍛えてそうだが、胸筋ばかりが分厚くて腰や足の筋肉は付いていない…
まったく実質的じゃない筋肉だ!舌なめずりをする様はゾワゾワっと背筋に悪寒が走る…
「いやだなぁ、色男のラダさんにそんなこと言われたら嬉しくなっちゃいますよ!
また胸筋が大きくなったんじゃないですか?しっかり鍛えていてすごいな
僕にもその筋肉分けてくださいよ」
腰に回された手に抗うことなく、盛り上がった胸を悪戯に押して笑っている姿は軽蔑しかできない
「へへへっ…流石は兄貴達だ!
これでこの施設も俺達が牛耳れるんだよな?俺達がもらえるんだよな?
だって、役員達が褒めちぎってるアキラがあんなにペコペコして
へへっこれであのクソみたいな寒い倉庫とはおさらばだ!」
「ヌキは黙ってろ!!」
「あはは…ヌキさんはあいかわらず冗談が面白い!さぁさぁ中にどうぞ、入り口は冷えますからね?
冒険者の方々もどうぞ、シバさん冒険者の方々を案内してください」
ガリガリで腰の曲がった卑屈そうな表情でネズミみたいに前歯がでている。
そんな男にすら気を使った言葉を吐いている。情けないヤツだ!
偉そうな命令されて、腸が煮えくり返るが……俺にはどうしたらいいのかすらわからないから、仕方がない!
「どうぞ、コチラです。」
ボソリっとつぶやきながら食堂へと案内した。
新しい訓練施設の準備を整えるのに慌ただしく働いているのに、そんなときに現れたのがこの訳も分からかい三人組!
急に連絡もなく偉そうに、まだ開いてない玄関口の扉をガンガンっと叩くと
十人くらいの冒険者達を引き連れて、ドカドカっと我が物顔で入ってきたのだ
「あの…アポイントメントを取っていただかないと困ります!
こちらはまだオープンしておりませんし……」
まだ研修中の受付のお姉さんがアワアワっと一生懸命に応対しているが、鼻で笑って歩を止める様子はない……
俺は思わず、歯をむき出しにして怒鳴ろうとすると
後ろからぐいっと服の襟足を引っ張られて、つんのめってしまった。
俺が無様に倒れかけている横を、サササッと小走りに通り過ぎたのは……
細い体に襟足の長いサラサラの髪、相変わらずの黒一色コーデのムカつく姿で……
「どうも、こんにちは!
皆様どうされたんですか?
わざわざまだオープンしてない、こんな辺ぴな訓練施設に視察ですか?
皆様は本当にお仕事熱心ですねぇ
僕も見習わなきゃ!」
猫撫声のような鼻にかかった可愛らしいしゃべり方に、柔らかな笑顔で小走りに三人のもとに向かう姿は
媚びを売りまくる娼婦にすら見えて…気持ちが悪い!
「貴方のような外部からぽっと入社して、即座に役員に成り上がった方が副所長の訓練施設はどんなものかと思いましてね?
不正経理や冒険者達を顧みないようなトレーニングなんかしていないか、心配でね?」
「嫌だなぁ、アブさん!
僕がそんな度胸あるわけないじゃないですか、僕のこの見た目みてくださいよ?アブさんが吹けば飛んでくような見た目ですよ?アハハ」
リーダーのような男は、昔は大層に体がデカかったと思えるような小山のような体だが、その表面には明らかに脂肪がついている。
腹などでっぷりっと妊婦のように突き出している。
そんな男にアイツはニコニコと親しげに話しかけ、なんなんだ…
アイツの仲間か?
「はっ!いつもの坊っちゃんはいないみたいだしなぁ?
直接お話できるいい機会だと思ってなぁ?ははっ…あんたはなかなか可愛い顔をしてるからなぁ
いつかお近付きになりたいと思ってたんだよなぁ」
金髪でぱっと見は優男みたいな見た目だが、金髪には白髪がまじり
肌にもシミやシワがある。
筋肉質な体は鍛えてそうだが、胸筋ばかりが分厚くて腰や足の筋肉は付いていない…
まったく実質的じゃない筋肉だ!舌なめずりをする様はゾワゾワっと背筋に悪寒が走る…
「いやだなぁ、色男のラダさんにそんなこと言われたら嬉しくなっちゃいますよ!
また胸筋が大きくなったんじゃないですか?しっかり鍛えていてすごいな
僕にもその筋肉分けてくださいよ」
腰に回された手に抗うことなく、盛り上がった胸を悪戯に押して笑っている姿は軽蔑しかできない
「へへへっ…流石は兄貴達だ!
これでこの施設も俺達が牛耳れるんだよな?俺達がもらえるんだよな?
だって、役員達が褒めちぎってるアキラがあんなにペコペコして
へへっこれであのクソみたいな寒い倉庫とはおさらばだ!」
「ヌキは黙ってろ!!」
「あはは…ヌキさんはあいかわらず冗談が面白い!さぁさぁ中にどうぞ、入り口は冷えますからね?
冒険者の方々もどうぞ、シバさん冒険者の方々を案内してください」
ガリガリで腰の曲がった卑屈そうな表情でネズミみたいに前歯がでている。
そんな男にすら気を使った言葉を吐いている。情けないヤツだ!
偉そうな命令されて、腸が煮えくり返るが……俺にはどうしたらいいのかすらわからないから、仕方がない!
「どうぞ、コチラです。」
ボソリっとつぶやきながら食堂へと案内した。
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