夢から覚めるなら殺して〜虐待を受けてきた白狼、天才科学者はなんとか助け出すが、歪んだ性知識と無知な性知識、いつになったら幸せになれるの?

モスマンの娘

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27.強くなるよ

736波風の終焉  (sideバスター)

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小山のようなリーダーをあのカジノに置き去りにして、またアキラさんは足取りを軽く雑居ビルを進んでいく

もう私はたぶんこの人がいなければこのビルから出られないのではないか?っと思えるほど入り組んだ廊下を進んで


アキラさんは先程と同じようにインターフォンを鳴らして、小窓に手を降れば重い扉が開いていく


「お待ちしておりました。
リリス様がお待ちです。どうぞ」


今度は小柄なヤギの獣人が頭を下げてくる。
両脇には細見だが、酷く冷たい目に尖った耳真っ白な男が立っている。
こちらも応接間を抜ければ、薄暗い部屋に静かな音楽が流れていて程よく離れたソファとローテーブルが置かれている。

そこには酒を飲みながら、目見良い女性と男性が座っていて……ここはキャバクラか?それにしては雰囲気がもっとねちっこくって……


「さぁラダさん、ここは出会い喫茶みたいなものです。
ただ出会えるのは少し特殊な女性か男性、飲み物代と部屋代を払えばいくらでも楽しめますからね?リリス姉さん
ラダさんに素敵な子をお願いね?」


「うん、アキラちゃんの紹介だからね?もちろんだよ、それに凄い筋肉だし精力も強そうでいいね!
きっと取り合いになっちゃうかな?よろしくね、ラダさん!」


まだ顔立ちは幼くて、こんなアダルトな雰囲気の場所にはとても似つかわしくない、低身長の少女が馴れ馴れしく話しかける。
真っ黒でミニスカートのドレスには、可愛らしくレースと真っ赤なリボンがあしらわれている。

少女の黒髪に真っ白な肌、そして毒々しいほどに赤い唇がリボンと一緒で酷く似合っているが…どこか恐ろしい
すぐに黒服の男の子たちが呼ばれてくる。

少女はアキラさんに抱きつき頬ずりをするように、すり寄っていく。

この少女もですか?アキラさん?




複数の男の子と話をしながら酒を飲みだした優男風情を置き去りにして
アキラさんは雑居ビル更に進んでいく

本当にこんなに長く歩くほどこの雑居ビルは広かったか?っと疑問に思うほどの距離を歩いていけば、

またもや銀色の扉の小さな細い小窓にあいかわらずの挨拶をアキラさんが行っていけば


「お待ちしておりました。
清姫様がお待ちです。どうぞ…」


鍵を開けたのは作務衣を着た坊主頭の修行僧で、手は胸で合わせられアキラさんに丁寧にお辞儀をしていく。
両脇にはムキムキで同じ作務衣を修行僧が立っていて、まるで仁王像のように恐ろしい眼光をしている。
やはり応接間のような部屋を抜ければ、そこは………


大きな何もない畳敷きの広間にひたすらに祈りを捧げるようにひれ伏しながら、ブツブツっと呟いている人々人……

違う!ここだこ明らかに前の二つの部屋と毛色が違う!!


「ヌキさん、貴方はいつも不安を感じているように見えました。
ここでは全ての不安を浄化してくれる場所ですよ?
まずは貴方の話を聞いてもらってください
あぁ清姫姉さん、この人がヌキさんだよ、しっかりと話をきいてあげてね?」

「えぇ…可愛いアキラちゃんの紹介ですものね?まぁ不安に喘いで可愛そうな目をしているは
大丈夫ですよ、蛇神様が導いてくださぃすからね?さぁ…一緒に祈りましょう」


深い紺色に銀の刺繍で鈴蘭が、帯は黒地に朱色の鱗模様が
長いストレートの黒髪は美しく、腰まで伸びている。
生気を感じられないほどに白い肌に、細い目にすっとした鼻筋、小さな唇にはやはり真っ赤な紅が差されている。

細い指先で、アキラさんの頬を愛しそうに撫でると冷たさしか感じられなかった表情が僅かにゆるんでいく……


アキラさん…貴方はどんだけの女性をたらし込んでいるんですか?


三人を各々の場所に置き去りにして、アキラさんはご機嫌な足取りで車に戻っていく……
私はその後ろ姿をひたすら黙って付いていくしかできなかった。
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