夢から覚めるなら殺して〜虐待を受けてきた白狼、天才科学者はなんとか助け出すが、歪んだ性知識と無知な性知識、いつになったら幸せになれるの？

28.シバという人

753.恋敵なの？？ (sideシバ)

『一緒に住んでますからね？』


あいつの言葉に少し驚いたが…
そういえば冒険者になりたての頃は、俺もお金がなくてバスターさんの家で下宿をさせてもらっていた。
たぶんそんな感じかな？ジョン君はまだかなり若そうだし、牙狼だからきっと稼げる方法なんて限られてくるだろうから

アキラこいつもなかなかいい所があるじゃないか……
神経質そうだけど、最近はちょっと融通がきくことがわかってきたし


『コーチ達もハイポーション使ってくださいね？
内勤でも冒険者相手に実戦みたいな組合したら怪我しちゃうでしょ、どんどん使ってください！』

『疲労回復ポーションとかいりますか？二日酔い止めポーションもありますし…
そちらの綺麗な魔法のコーチのお姉様には魔力回復ポーションなんかどうかな？それとも美肌ポーションのモニターとかしてもらえると助かります。
申請書とモニターしたら報告書をお願いしますね？』


コーチ陣に対しても丁寧な柔らかな対応は変わらないし、ポーションの評判もいい
あの気難しいばあちゃん魔法使いもなんだかニコニコだった。
たぶん自分のこだわりポーション以外のところはかなり寛容なんだろう

ただ僕は好きにはなれないけど！


『アキラさんはすごいなぁ
あれだけの書類を、半日で用意していたよ…私なら一週間以上かかるんじゃないだろうか？』

『この前の私の役員選出の役員会議で、アキラさんが猛プッシュをしてくれてな？
お陰で滞りなく役員になれたよ…
冒険者時代の実績なんて、めちゃくちゃ細かく調べてくれていてなぁ
ははっ…途中であまりにも褒めるから照れてしまったよ』


なんだよ、あいつのことばかり褒めて…
わかってるよ！すごく仕事ができるんでしょ？でも…


『今日はアキラさんとまた新しいポーションを試してくるから、数時間は開けるからな？
いやぁ…ちょっと疲労回復ポーションらしくてな』


って言って薬品臭くなって帰ってくるのはなんなの？
絶対にくっついてなんかしてたでしょ！
ポーション飲んだ臭いじゃないし、もっともっと変な臭いだし！
なんかめちゃくちゃご機嫌で、心なしか肌艶いいし！
本当に何してきたの？？


好きなの？バスターさんはあいつアキラさんのことが好きとかなの？
だから二人でコソコソあって…隠れて…何かを……



アァァァァァ！！？腹が立つ！！？




「シバさん…」

「あぁん！！？
あっ…はい、…ごめんね、なんだった？
考えごとしてたものだから…ごめんね…」


ジョン君に話しかけられたのに、すごく感じ悪く返事をしてしまった！
びっくりお目々でキョトンとした顔をしている
こんな表情はやっぱり幼く見える…
故郷の弟達を思い出して、荒れていた気持ちが落ち着いていくのに


「あの…所長さんてどんな方ですか？アキラと仲がいいのかな？
最近アキラがバスターさんの話しをよくしてるから…」


ジョン君の言葉にまた俺の気持ちは荒ぶってしまったけど！
なんなのあいつは！！
やっぱり恋敵ライバルなわけ？？


「アキラと仲良いのが、気になっちゃって……」


んっ？ジョン君？……君って……あぁ、なるほど！そうかっ、そうかっ……