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31.番う軌跡
887.貴方に死んでほしくない (sideシバ)
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スキル機能亢進症
頭脳系スキルが暴走することにより起きる合併症、頭痛、不眠、嘔吐、意識混濁、痙攣、脳炎、脳機能障害、脳機能不是、全身麻痺、死亡 五年間生存率2‰
スマホの画面に並ぶ文字に体の血が一気に下がっていく気がした。
アキラさんの病気は深刻な病気で、治療法はなければ対処療法も酷いものだった。
脳に電流を流して気絶させるや、劇薬で気を失わせるとか…
こんな絶望的な病気を患ってるのに、あの人は飄々と仕事をこなしているの?
もしかしたらダーク様を突き放したのは、この病気がわかったからで、それはもう五年間くらい前だから、アキラさんの寿命は幾ばくとかかもしれなくて…
「………おい、シバ?シバっ?どうした?
こんな暗い部屋でなんて顔をしてるんだ?
どうかしたのか?」
「えっ!……あっ…あれ?今って何時?あっ…バスターさん、すいません、俺っ…晩御飯とかお風呂とか、全然用意してない…あのっ」
「そんなのいいから、どうかしたか?何かあったんだろう?酷い顔だぞ!ほらっ…ゆっくりでいいから、教えておくれ…何があったんだ?」
ずっとアキラさんのことを考えていた。あの人はもしかしたらひどく辛い人生を送ってきて、ダーク様とのことも自分の病気のために諦めざる負えなくて…
そしてもしかしたら、すぐにでも終わってしまうかもしれない命で
そんなことを考えてたら、苦しくて悲しくて、あんな優しくて素敵な人なのに…ジョン君とすごく幸せそうに笑ってたのに…
気づいたら部屋が真っ暗でバスターさんが心配そうに見つめ返してきていた。
バスターさんはいつものスーツ姿で、バッグも持ったままで…きっと帰ってきたばかりなんだろう
こんな遅くまで頑張って働いてきたのに、何も用意してなくて申し訳ないけど…バスターさんの顔をみたら、もう堰を切ったように涙がボロボロと落ちてきて…
バスターさんに必死に手を伸ばして縋りつきながら、溢れる涙も鼻水も止められなくて、バスターさんのスーツにシミを作っていく
「ゔぅぅ…ゔぅぅ……ぶぁずだーじゃん!
おれっ…あぎらじゃんがぁっ、死んじゃいやだぁ…」
「えっ?アキラさんが?いやっ…はっ?何かあったか?さっきまで普通に仕事の話をしてきたぞ?いやっ…めちゃくちゃズバズバと商談の話をしまくっていたが?」
「だって…あぎらじゃん…病気だって…死んじゃう病気だっていっでだからぁ…あんな優しく人なのにぃ…しんじゃいやだぁぁ!」
「あぁ…病気の話を聞いてきたのか!
まぁ…楽観視できるような病気ではないみたいだが、でもシノダ教授が新しい治療法を試しているんだろ?お前からトレーニングも受けたいって言っているんだから、治療は上手く言ってるんじゃないのか?」
バスターさんの言葉に涙が引っ込んでいく、バスターさんが抱きついた俺をしっかりと抱きしめ返してくれていて、背中をよしよしと擦ってくれてて、さっきまでのグチャグチャだった頭も落ち着いてきて…
「えっ……そうかっ、そうだよね…
体調よくなきゃトレーニングなんかしないだろうし、副所長なんかならないし、これから結婚式とかも挙げないよね…
あぁ、よかった!俺っ病気のこと知っちゃったら、アキラさんはすぐに死んじゃうって思って…」
「あぁ、私も無理はさせないようにって釘はさされたし、その病気のことを知らされてすごく驚いたが…
ははっ、シバのいつもの勘違いか?……でも結婚式は初耳だな、アキラさん達もするのか?」
バスターさんの言葉に顔に血が上るのを感じる。またやってしまった…でもよかった!
アキラさんは死なないんだ…
頭脳系スキルが暴走することにより起きる合併症、頭痛、不眠、嘔吐、意識混濁、痙攣、脳炎、脳機能障害、脳機能不是、全身麻痺、死亡 五年間生存率2‰
スマホの画面に並ぶ文字に体の血が一気に下がっていく気がした。
アキラさんの病気は深刻な病気で、治療法はなければ対処療法も酷いものだった。
脳に電流を流して気絶させるや、劇薬で気を失わせるとか…
こんな絶望的な病気を患ってるのに、あの人は飄々と仕事をこなしているの?
もしかしたらダーク様を突き放したのは、この病気がわかったからで、それはもう五年間くらい前だから、アキラさんの寿命は幾ばくとかかもしれなくて…
「………おい、シバ?シバっ?どうした?
こんな暗い部屋でなんて顔をしてるんだ?
どうかしたのか?」
「えっ!……あっ…あれ?今って何時?あっ…バスターさん、すいません、俺っ…晩御飯とかお風呂とか、全然用意してない…あのっ」
「そんなのいいから、どうかしたか?何かあったんだろう?酷い顔だぞ!ほらっ…ゆっくりでいいから、教えておくれ…何があったんだ?」
ずっとアキラさんのことを考えていた。あの人はもしかしたらひどく辛い人生を送ってきて、ダーク様とのことも自分の病気のために諦めざる負えなくて…
そしてもしかしたら、すぐにでも終わってしまうかもしれない命で
そんなことを考えてたら、苦しくて悲しくて、あんな優しくて素敵な人なのに…ジョン君とすごく幸せそうに笑ってたのに…
気づいたら部屋が真っ暗でバスターさんが心配そうに見つめ返してきていた。
バスターさんはいつものスーツ姿で、バッグも持ったままで…きっと帰ってきたばかりなんだろう
こんな遅くまで頑張って働いてきたのに、何も用意してなくて申し訳ないけど…バスターさんの顔をみたら、もう堰を切ったように涙がボロボロと落ちてきて…
バスターさんに必死に手を伸ばして縋りつきながら、溢れる涙も鼻水も止められなくて、バスターさんのスーツにシミを作っていく
「ゔぅぅ…ゔぅぅ……ぶぁずだーじゃん!
おれっ…あぎらじゃんがぁっ、死んじゃいやだぁ…」
「えっ?アキラさんが?いやっ…はっ?何かあったか?さっきまで普通に仕事の話をしてきたぞ?いやっ…めちゃくちゃズバズバと商談の話をしまくっていたが?」
「だって…あぎらじゃん…病気だって…死んじゃう病気だっていっでだからぁ…あんな優しく人なのにぃ…しんじゃいやだぁぁ!」
「あぁ…病気の話を聞いてきたのか!
まぁ…楽観視できるような病気ではないみたいだが、でもシノダ教授が新しい治療法を試しているんだろ?お前からトレーニングも受けたいって言っているんだから、治療は上手く言ってるんじゃないのか?」
バスターさんの言葉に涙が引っ込んでいく、バスターさんが抱きついた俺をしっかりと抱きしめ返してくれていて、背中をよしよしと擦ってくれてて、さっきまでのグチャグチャだった頭も落ち着いてきて…
「えっ……そうかっ、そうだよね…
体調よくなきゃトレーニングなんかしないだろうし、副所長なんかならないし、これから結婚式とかも挙げないよね…
あぁ、よかった!俺っ病気のこと知っちゃったら、アキラさんはすぐに死んじゃうって思って…」
「あぁ、私も無理はさせないようにって釘はさされたし、その病気のことを知らされてすごく驚いたが…
ははっ、シバのいつもの勘違いか?……でも結婚式は初耳だな、アキラさん達もするのか?」
バスターさんの言葉に顔に血が上るのを感じる。またやってしまった…でもよかった!
アキラさんは死なないんだ…
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