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32.亀裂
950.痛めつけられて (sideシバ)
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車に乗せられて、荷台にカスマさんと俺、そして俺に薬を食らわせた金髪優男が乗り込む。
後から隠れていた小山ほどのでかくて醜い図体の男は助手席へ、キティさんがハンドルを握る。
まじか…キティさんが運転席とは思わなかった。キティさんのイメージがどんどんと変わっていく。さっきの蹴りといい、この人はやっぱりただの事務員じゃないぞ…
そんなことを考える暇もなく、すぐに優男にマズルガードを付けられた。今の俺では力が入らずに威嚇すらもできないが、少しでも抵抗をして首を振る。簡単に顎を掴まれて、ニヤニヤ顔で頬を撫でられながら、ゆっくりと付けられていく
やめてくれ!背筋に悪寒が走ってしかたがない!!
「ハハッ、そんな可愛くイヤイヤしてもダメだぜぇ?キスができないのは残念だが、人狼だからな?噛みつかれたら大怪我になるからなぁ?しっかりとお口を縛っておかなきゃな?」
気持ち悪い言葉をかけられて、締められたベルトをなぞりながらそのまま首元に指を這わされて鳥肌が立つ
気持ちが悪い、力がを入らないがゔゔぅ…っと自然と不快感から唸り声が漏れていく。
それでも動かない体は簡単に後ろ手に縛られ自由を奪われる。
カズマさんを見れば腹からどす黒い血が溢れているし、ちらりと見えた顔も血の気はなく真っ青だ、その顔面もひどく腫れ上がっていて。もうまともに動けないだろうに、それでもカズマさんも後ろ手に縛り上げられる。
カズマさんは魔法に関しては俺と同じB級冒険者クラスのはずなのに、なんで安々と捕まっているんだ?しかもほとんど無抵抗で捕まったように見える。
とりあえずその疑問は追いやって、今できることをしよう、すぐに目隠しもされてしまったけど、体感でどちらの方向に曲がったか推測して、方角と移動距離を…
「ゔゔゃうぅぅ!!!!」
右足に激痛が走る。やばいこの痛みは!やられた!!もともと力が入らなくて動かせないけど、間違いなくこれは…
「悪いねぇ?薬が切れたりしたらあんたの身体能力だと逃げられかねないだろう?足の腱を切らせてもらったよ
俺の可愛い雌ちゃんになったあかつきには、ちゃんて治療してあげるからねぇ」
「あぁ~、可哀想にな?それじゃあ逃げ出せもしないな、くくっ…アジトに戻ったらお楽しみするんだろう?だったら俺はそっちのエルフと遊ぶかな?なかなか口を割らなそうだが、でもエルフなら生命力強いから、そうそうは死なないだろう?だいぶ楽しめそうなんだよ…」
足を曲げるように小さくなりながら痛みに堪える。しまった、今ので方角を見失ってしまった。クソッここまでやるか…
収容対象を徹底して逃亡されないようにするのは、同じ冒険者として尊敬に値しますよ!他の行動は反吐が出ますけどね!!
アブさんにラダさん!!
かなり風貌は変わっているけど間違いない、元役員で最近退職させられた二人だ…
以前はまだ小綺麗だったし、筋肉だってついていた。今はアブさんはブヨブヨに脂肪だらけの小山のようになってるし、ラダさんはげっそりと痩せて隈もひどくて筋肉は見る影もない!
以前見たときの威圧感は見る影もなく、今はただただ醜悪な見た目で、訓練所で会ったときは少なくとも俺では敵わないって思えるほどだったのに…
確かアブさんは会社の金を横領して懲戒解雇に、ラダさんは度重なる無断欠勤で役員を降ろされた上に、同じく懲戒解雇になったんでしたよね?
それの逆恨みですか?仲間は何人いるんだろうか…たぶん一番危険を伴う対象捕獲を自分で行わないといけないほどに少ないのか?
雰囲気からしてもとても誰かを使うような立場には見えないなくて、今はひたすらに粗野て、薄汚くて、醜悪で、完全にチンピラの輩に落ちたとしか見えなくて
そんなチンピラに捕まってしまった自分が情けないけど、今はひたすら助かる術を探るしかない
どんどん塞がれていく退路を、なんとか探り当てないと…俺はこんなところで死ぬわけにはいかないんだから!
後から隠れていた小山ほどのでかくて醜い図体の男は助手席へ、キティさんがハンドルを握る。
まじか…キティさんが運転席とは思わなかった。キティさんのイメージがどんどんと変わっていく。さっきの蹴りといい、この人はやっぱりただの事務員じゃないぞ…
そんなことを考える暇もなく、すぐに優男にマズルガードを付けられた。今の俺では力が入らずに威嚇すらもできないが、少しでも抵抗をして首を振る。簡単に顎を掴まれて、ニヤニヤ顔で頬を撫でられながら、ゆっくりと付けられていく
やめてくれ!背筋に悪寒が走ってしかたがない!!
「ハハッ、そんな可愛くイヤイヤしてもダメだぜぇ?キスができないのは残念だが、人狼だからな?噛みつかれたら大怪我になるからなぁ?しっかりとお口を縛っておかなきゃな?」
気持ち悪い言葉をかけられて、締められたベルトをなぞりながらそのまま首元に指を這わされて鳥肌が立つ
気持ちが悪い、力がを入らないがゔゔぅ…っと自然と不快感から唸り声が漏れていく。
それでも動かない体は簡単に後ろ手に縛られ自由を奪われる。
カズマさんを見れば腹からどす黒い血が溢れているし、ちらりと見えた顔も血の気はなく真っ青だ、その顔面もひどく腫れ上がっていて。もうまともに動けないだろうに、それでもカズマさんも後ろ手に縛り上げられる。
カズマさんは魔法に関しては俺と同じB級冒険者クラスのはずなのに、なんで安々と捕まっているんだ?しかもほとんど無抵抗で捕まったように見える。
とりあえずその疑問は追いやって、今できることをしよう、すぐに目隠しもされてしまったけど、体感でどちらの方向に曲がったか推測して、方角と移動距離を…
「ゔゔゃうぅぅ!!!!」
右足に激痛が走る。やばいこの痛みは!やられた!!もともと力が入らなくて動かせないけど、間違いなくこれは…
「悪いねぇ?薬が切れたりしたらあんたの身体能力だと逃げられかねないだろう?足の腱を切らせてもらったよ
俺の可愛い雌ちゃんになったあかつきには、ちゃんて治療してあげるからねぇ」
「あぁ~、可哀想にな?それじゃあ逃げ出せもしないな、くくっ…アジトに戻ったらお楽しみするんだろう?だったら俺はそっちのエルフと遊ぶかな?なかなか口を割らなそうだが、でもエルフなら生命力強いから、そうそうは死なないだろう?だいぶ楽しめそうなんだよ…」
足を曲げるように小さくなりながら痛みに堪える。しまった、今ので方角を見失ってしまった。クソッここまでやるか…
収容対象を徹底して逃亡されないようにするのは、同じ冒険者として尊敬に値しますよ!他の行動は反吐が出ますけどね!!
アブさんにラダさん!!
かなり風貌は変わっているけど間違いない、元役員で最近退職させられた二人だ…
以前はまだ小綺麗だったし、筋肉だってついていた。今はアブさんはブヨブヨに脂肪だらけの小山のようになってるし、ラダさんはげっそりと痩せて隈もひどくて筋肉は見る影もない!
以前見たときの威圧感は見る影もなく、今はただただ醜悪な見た目で、訓練所で会ったときは少なくとも俺では敵わないって思えるほどだったのに…
確かアブさんは会社の金を横領して懲戒解雇に、ラダさんは度重なる無断欠勤で役員を降ろされた上に、同じく懲戒解雇になったんでしたよね?
それの逆恨みですか?仲間は何人いるんだろうか…たぶん一番危険を伴う対象捕獲を自分で行わないといけないほどに少ないのか?
雰囲気からしてもとても誰かを使うような立場には見えないなくて、今はひたすらに粗野て、薄汚くて、醜悪で、完全にチンピラの輩に落ちたとしか見えなくて
そんなチンピラに捕まってしまった自分が情けないけど、今はひたすら助かる術を探るしかない
どんどん塞がれていく退路を、なんとか探り当てないと…俺はこんなところで死ぬわけにはいかないんだから!
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