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32.亀裂
980.疑惑 6 (sideシバ)
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「痛っ、ゔゔぅぅ…ぐあぁ!!!」
腹を蹴り上げられて、前のめりになったところに上から叩きつけるように殴られる。
べシャリと地面に顔を打ち付けるが、すぐに体を回転させて立ち上がり体制を立て直す。
対面するバスターさんは、にこやかな笑顔のままで、オフホワイトの七分袖のシャツには汗染み一つない!クソッ…
体制を低くして、バスターさんに突っ込んでいく、迎え討つように構えるのを、地面を蹴って飛びかかればすぐに片腕を出して防御される。その腕を取り右に流して開いた首元に歯を立てようとすれば…
「うわああぁぁ!!?ゔゔぅぅ……」
「あはは、今のはいい動きだったな?危うく頸動脈を喰われるところだった!
素早さも昔より上がってるんじゃないか?足の調子もよさそうだし、もう全快かな?」
掴んでいた腕を振り上げられて、その勢いで体が反転してそのまま地面に叩きつけられてしまった。仰向けに倒れる俺を、バスターさんは涼しい笑顔で見下ろしてくる。
休日に運動不足解消にと庭で組手しようと誘われて、久しぶりの組手にワクワクしていたがやはりコテンパンに負かせれてしまって…
勝てるとは思ってなかったけど、俺はずっとコーチ業で、バスターさんは基本的にデスクワークだったから、少しはいい組手ができるかな?っとか思ってたけど、やっぱり一方的な組手になってしまって悔しい!!
吹き出る鼻血を手で拭って、差し出されてるバスターさんの手をとって立ち上がる。
「はぁ~、バスターさんは全然、衰えてないですね?あぁ…俺なんか一発もバスターさんに入れれなかったし…」
「最後のはヒヤリとさせられたよ?それに顎のところに一発と肩にも一発入ったじゃないか!大丈夫だ、シバは強くなってるぞ?」
顎のところは俺の引き裂きがかすっただけで少し血が滲んでいる。肩は苦し紛れに噛みついたが、ほとんど歯が食い込まなくて歯型がついたかな?くらいだ
それに比べて俺はボッコボコで腹に一発綺麗に入れられて一回吐いたし、たぶん全身青あざだらけで鼻血も出ている。
「それは一発に入るのかな?でもありがとうございます。久しぶりに体が動かせれてスッキリしました!やっぱりデスクワークばっかりだと体がうずうずしちゃって…早く訓練所が再開してほしいです。」
「そうだなっ、なかなか警察の調査とかもあって、保健所の監査とか入ってな、あと二ヶ月ぐらいは無理だな…」
バスターさんは少し疲れた様な顔をして応えてくれる。きっと連日、本社や訓練所に出かけているのはその対応をしてるのだろう
バスターさんは訓練所の所長だから、責任者なのだ…
今までは俺の症状が落ち着かなくて、バスターさんは婚約者ということで、休職扱いにしてもらっていたみたいだけど、俺が落ち着いてからはそうも言ってられなくて、今はほぼ毎日仕事に追われている。
あの不穏な雰囲気だった日から二週間は経っているけど、あの日以外のバスターさんは普段通りで何も変わらなくて…
だから、俺は目をつぶることにした。もしかしたらバスターさんは誰かとお試しをしたのかもしれないけど、バスターさんが側にいてくれるってことは、俺を選んでくれたってことだから
きっと人狼の雄としたら、この行動が正しいのだから…
バスターさんはずっと怪我した俺の看護してくれてて、俺が他の人と番ったかもしれないって不安に襲われてて、そんな酷いストレスを抱えてたんだ。
俺には知られたくないような鬱憤が溜まってただろうし、一度のお試しなら俺が我慢しなきゃって、だから口をつぐんで見ないようにしたんだ…
腹を蹴り上げられて、前のめりになったところに上から叩きつけるように殴られる。
べシャリと地面に顔を打ち付けるが、すぐに体を回転させて立ち上がり体制を立て直す。
対面するバスターさんは、にこやかな笑顔のままで、オフホワイトの七分袖のシャツには汗染み一つない!クソッ…
体制を低くして、バスターさんに突っ込んでいく、迎え討つように構えるのを、地面を蹴って飛びかかればすぐに片腕を出して防御される。その腕を取り右に流して開いた首元に歯を立てようとすれば…
「うわああぁぁ!!?ゔゔぅぅ……」
「あはは、今のはいい動きだったな?危うく頸動脈を喰われるところだった!
素早さも昔より上がってるんじゃないか?足の調子もよさそうだし、もう全快かな?」
掴んでいた腕を振り上げられて、その勢いで体が反転してそのまま地面に叩きつけられてしまった。仰向けに倒れる俺を、バスターさんは涼しい笑顔で見下ろしてくる。
休日に運動不足解消にと庭で組手しようと誘われて、久しぶりの組手にワクワクしていたがやはりコテンパンに負かせれてしまって…
勝てるとは思ってなかったけど、俺はずっとコーチ業で、バスターさんは基本的にデスクワークだったから、少しはいい組手ができるかな?っとか思ってたけど、やっぱり一方的な組手になってしまって悔しい!!
吹き出る鼻血を手で拭って、差し出されてるバスターさんの手をとって立ち上がる。
「はぁ~、バスターさんは全然、衰えてないですね?あぁ…俺なんか一発もバスターさんに入れれなかったし…」
「最後のはヒヤリとさせられたよ?それに顎のところに一発と肩にも一発入ったじゃないか!大丈夫だ、シバは強くなってるぞ?」
顎のところは俺の引き裂きがかすっただけで少し血が滲んでいる。肩は苦し紛れに噛みついたが、ほとんど歯が食い込まなくて歯型がついたかな?くらいだ
それに比べて俺はボッコボコで腹に一発綺麗に入れられて一回吐いたし、たぶん全身青あざだらけで鼻血も出ている。
「それは一発に入るのかな?でもありがとうございます。久しぶりに体が動かせれてスッキリしました!やっぱりデスクワークばっかりだと体がうずうずしちゃって…早く訓練所が再開してほしいです。」
「そうだなっ、なかなか警察の調査とかもあって、保健所の監査とか入ってな、あと二ヶ月ぐらいは無理だな…」
バスターさんは少し疲れた様な顔をして応えてくれる。きっと連日、本社や訓練所に出かけているのはその対応をしてるのだろう
バスターさんは訓練所の所長だから、責任者なのだ…
今までは俺の症状が落ち着かなくて、バスターさんは婚約者ということで、休職扱いにしてもらっていたみたいだけど、俺が落ち着いてからはそうも言ってられなくて、今はほぼ毎日仕事に追われている。
あの不穏な雰囲気だった日から二週間は経っているけど、あの日以外のバスターさんは普段通りで何も変わらなくて…
だから、俺は目をつぶることにした。もしかしたらバスターさんは誰かとお試しをしたのかもしれないけど、バスターさんが側にいてくれるってことは、俺を選んでくれたってことだから
きっと人狼の雄としたら、この行動が正しいのだから…
バスターさんはずっと怪我した俺の看護してくれてて、俺が他の人と番ったかもしれないって不安に襲われてて、そんな酷いストレスを抱えてたんだ。
俺には知られたくないような鬱憤が溜まってただろうし、一度のお試しなら俺が我慢しなきゃって、だから口をつぐんで見ないようにしたんだ…
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