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34.二人の家に

1054.俺達の番式 (sideシバ)

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バスターさんに渡された組合報を読めば、『ベストカップルついに番に!!』のデカデカとした見出しに顔がニヤけてしまう

番届けを出しに行った俺達の幸せそうな写真が何枚も載っていて、記事の大半が俺達への祝福とバスターさんの賛美で…
これは絶対に保存しとこう!もう家宝レベルで保存しなければ!!

それでもバスターさんをみれば、ちょっとシュンとしてて口を尖らせて何か不満顔で…
なんだろう?と読み進めていけば…なるほど、コレか…


「あぁ…組が番式をバックアップって…組が番式を執り行うのは、それこそ組長レベルですよ?あぁ…でもこれってダーク様まで話がいってそうですね…」

「そうなんだよ、組に執り行われると…さすがに私達が好きにはできないだろう?はぁ~かなりビジネス関係者が来ることになるだろうし…」


そう記事には俺達の番式を組が全力でバックアップする予定だとしっかりと書いてある。…しっかりとダーク様の写真も乗っているからきっと組での確約までされているのだろう。

それでも向かいに座るバスタはションボリしていて、バスターさんは番式をすごく楽しみにしていたから
ずっと番式の細やかな準備をしていたのを知っている。式場もピックアップしてたし、テーブルコーディネートとか招待状のデザインとか選んでは俺に見せてくれていた。
それは母ちゃんに反対されている時の不安を紛らわすように、ずっと俺と番う未来を夢見るように続けられてきた行為で…


「断りましょう!バスターさん、組のバックアップは結構ですって…俺は俺達の番式をしたいです。だってずっと用意してきたんだから…」

「そうもいかないだろう?シバはもう組の筆頭幹部だし、私は会社の役員だ…たぶんそのバックアップには会社も絡んでいるだろうから…はぁ~でもそうなると呼べない人出てくるなぁ…」


バスターさんが俯いて悲しそうなため息を漏らしていく、でもバスターさんを悲しませてまで俺は番式をしたくないし…それなら…


「ならっ…二回やるのはダメですか?一回は組の番式をして、そっちはもう完全にビジネスとしての番式としてやって…俺達の番式はそれはそれで本当に番式としてやるのは?俺は絶対にバスターさんと考えてた番式をやりたい!」

「えっ?…いいのか?そんな…でも確かにそれなら親しい友人だけを呼べるし、ずっと夢見てた番式もできる。ビジネスと割り切るなら二回きてもらうのも許されるか…
ふふっ、シバ、ありがとう…私のためにだよな?」


よかった!バスターさんが顔を上げて嬉しそうに微笑んでくれる。あとは…俺が交渉して組がどれくらいバックアップしてくれるか引き出せないと!
少なくともビジネスの方の番式の費用は持ってもらおう、あとこれっ組長クラスくらいにバックアップするならかなりのビジネスになるな!
それならちょっとくらい無茶言ってもいいよなぁ…ずっと欲しかったものをねだってもいいだろうか?

もうちょっとワクワクしながらダーク様へのメールの内容を考えながら、バスターさんの朝ご飯のお味噌汁を注いでいった。
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