夢から覚めるなら殺して〜虐待を受けてきた白狼、天才科学者はなんとか助け出すが、歪んだ性知識と無知な性知識、いつになったら幸せになれるの?

モスマンの娘

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✿❀✿ 番外編 ❀✿❀

§§ 一番綺麗な私を 9 (sideシバ) §§

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「バスターさん!何をしているんですか??
すぐにこっちに来て…危ないから、今の貴方じゃ、そこから落ちたらタダじゃ済まないから!」

「ゔゔぅ…だって、これしか思いつかない…私は前みたいに自分を強くできない…だって、今の私じゃ…ふぅぅ…もうもどれないならっ、私はっ」


バスターさんが病室の窓をまたがって飛び降りようとしていた。ポロポロと大粒の涙を流して、カタカタと震えながら下を見つめている。

ギュッと目を瞑って、短い呼吸を何回もしていて高さに怯えているけど、その表情は決心したようで、体はジワジワと窓の外に向かって行っている。


「バスターさん!やめてください…なんでそんなこと、お願いだから、やめて!!」

「だって…シバは今の私じゃダメでしょ?
こんな弱くて、筋肉だってない、こんな私じゃ…でももうあの私には戻れないから、私はコレしか…」


ブルテリア系看護婦長はアワアワとして入口近くにいて少し邪魔だが、俺からの窓までの距離は5mほど、バスターさんは窓をまたがって、腕の場所は…よし、いける!


「バスターさん、本当に止める気はないんですか?さすがに俺っ、これは…怒りますよ?」

「えっ?…シバが、怒るの…私を?あのっ…ゔえっ、だって…もうコレしか…だって…」


バスターさんの綺麗な可愛らしい顔がくしゃりと崩れて涙が溢れ出していく、それでもまたがった状態から動く気配はなくて、両手は窓から離れていく…コレはもう待てないな!


「ヴゥガガウゥゥゥゥ!!!?」

「ひっ!!?」


俺はバスターさんに向けて自分の最大の力を込めた威嚇を放ち、飛び掛かかっていった。バスターさんが目を向いてビクリっと大きく体を跳ねさせると、そのままグラリっと体は窓の外に倒れていく、俺はその落ちていくバスターさんの腕に手を伸ばして…




「うわああ…もう、シバさん無茶し過ぎですよ!まったく動きに付いていけませんでしたよ
本当に瞬間移動みたいなスピードでしたね?
それにしても、貴方まで一緒に落ちるところでしたよ…まったくっ!」

「ありがとうございます。ダーク様が支えてくださって助かりました!
まぁ最悪、一緒に落ちてもここは二階だから、俺がクッションになれば怪我で済むかと思って、俺なら受け身もとれるし壁とかで勢いを消せばなんとかなるかと…」


しっかりと俺の腕はバスターさんに届いていて、窓から落ちたバスターさんをぷら~んな状態で捕まえていた。
ただ俺の勢い付いていたのと、思ったよりあったバスターさんのウェイトで、あわや落ちかけそうになってしまった。そこを駆けつけたダーク様が支えてくださったのだ!


「それでも貴方は怪我は免れないでしょう?はぁ…雄が雌を守るのは本能みたいなものですが、シバさんは体を張り過ぎです。もう少し言葉で説得しようがあったでしょうが…
まぁそれは置いといて、バスターさんは気を失ってますね?シバさんの威嚇を受けた影響かな?あぁ…どうされるおつもりですか?」

「すいませんが、今回は俺は本気で怒ってますから、もうこれだけは、許せませんから!!」

「はぁ~、わかりました、とりあえず一週間後にバスターさんの診察はさせてください!もし診察に現れなかったら、お二人の寝室にカズマの転移魔法で乗り込みますからね!」

「……はい、承知しました。」


苦々しい顔をして、ダーク様はバスターさんを連れ帰ることを許してくれた。ダーク様もきっとわかっている。俺がこれからバスターさんににする酷いことを、そして容認してくださっている。
それ程に今回のバスターさんが行ったことは許されないことだから
バスターさん、貴方は既番の人狼にとって最大の禁忌を犯そうとしたんですよ?
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