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25.やり捨てと正論

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「アキラ!ほらっ…とりあえず少し休もう?息が荒いよ、呼吸は辛くない?とりあえずここに座って…」

「うんっ、ありがとう…でも早くジョンの誤解を解かなきゃ、絶対に僕達のことを…あぁ、ジョンに嫌われたらどうしよう…僕がしっかりと話しておけばよかったんだ…」


近くの公園のベンチに促されて休めば、どっと汗が溢れてくる。確かに息も上がっていている、こんなに走ったのはいつ以来だろうか
数学オリンピックで海外から帰ってきたとき以来かな?

あのときはジョンと離れて慣れない海外で、すごく心細かったんだ…
飛行機で帰ってきて、少しでも早くジョンに会いたくて、走って帰ってきたら、ジョンが家の前で僕を待っててくれて、今日よりずっと寒い日でジョンの手が氷みたいに冷たくなってたんだ

ジョンか僕のためにクリームシチューを作って待っててくれて、二人でゆっくり食べたんだ…


「ねえ?お試しって何?あいつは今アキラと付き合っていけるか試してるわけ?」

「うん、ジョンがずっと友達だった僕を恋人として見られるかわからないって言うから、半年間だけお試しで付き合うことにしたんだ
でも僕はどんな形でもジョンと付き合いたかったんだよ…すごく、すごくいい感じにはいってたんだけど…でもっそれも僕の思い違いだったのかな、やっぱり僕には魅力がないんだろうね…」


カズマがすごく不快そうな表情をしていく、そうだよね…健全な付き合い方とは言えないよね、はぁっと盛大に溜息が聞こえる。


「それで?あっちから手を出してこないから、アキラは悩んでるわけ?手を繋ぐとかとかキスとかもしないの?」

「あぁ…手は繋ぐし、キスもするんだけど、そのっ…ちょっとだけそういうこともしたんだけど、一回きりで、それから何も…だからつまらなかったんだろうなって思って…」

「はぁっ!!?一回したの?あの野郎!アキラをやり捨てするつもりかよ!」

「違う…違うんだ…僕もしたいって言ったからで、やり捨てって…そうかっ、僕の今の状態はやり捨てに見えるのか…」


カズマの言葉に気付かされる。そうだよねっ、初めてエッチなことして、それ以来は手を出されなくて、今はキスとハグぐらいしかしてくれなくて…そうかっ、僕はこのまま捨てられるのか…

このままあと4ヶ月もすれば約束の半年で
そした僕とジョンは友達に戻ることに…嫌だ!またジョンに触れられもしないくて、抱きしめてももらえなくて、キスもしてもらえない単なる友達に戻るなんて…


「ねぇ!カズマは男同士のエッチの仕方とかわかるの?僕はやっぱりジョンと別れたくないし、捨てられたくもない!教えてよ…
もしジョンを受け入れられたら、別れないで済むかもしるない、僕はジョンの恋人でいたいんだよ!」

「えっ?ちょっと待ちなよ…あのさ…、まずアキラは間違ってるよ!
別れたくないからエッチするんじゃなくて、好き合ってるからエッチするの!
そうやって相手を繋ぎ止めるためにするエッチなんて…悲しいだけだよ?」


カズマの言葉に息が詰まる、そうだ正論でしかない…
それでも、僕はジョンと…目に涙が溜まっていくのがわかる。泣くときはいつもジョンが側にいてくれるのに、今はいなくて…それがひどく胸を苦しい気がした。
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