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二章 変転
外伝 〜翔隆の成長日誌〜
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幼い頃…。
「父しゃん、父しゃん」
志木「ん?」
「あのね、あしょこの水溜りにカエルがいたの、水なくなる?」
志木「…どこだ?」
「こっちこっち」
翔隆が手を引いて案内して転ぶ。
志木「大事ないか」
「あ、カエルしゃん…」
転んだ場所はちょうど水溜りだった。
オタマジャクシがビチビチと跳ねている。
「うええっ、えっぐふ」
幼い翔隆が泣きながらのろのろとオタマジャクシを捕まえるのと、見えない志木が手探りで水に戻すもどかしい絵面。
結局、そこの水溜りに毎日水を足す事になる。
五年後▼
「父さん、父さん!」
志木「ん?」
「あそこの水溜りにカエルがいたんだ! 水無くならないかな?」
何やらデジャヴュ…
志木「水を足したらどうだ?」
「桶一つ使ってもいい?」
志木「…入れるのか?」
「大丈夫だよ、睦月達の小屋に置いて貰うから!」
それもそれで不安しかないが…。
楽しくオタマジャクシを捕まえて桶の中に入れ、睦月と共に育てる。
「どんな色になるかな?」
睦月「…緑か…黒か茶色か…」
じーっと二人で拓須を見る。
拓須「そんな物の種類など知らん」
「ちぇー…足が生えたら分かるよね。何食べるかな?」
睦月「………」
じーっと二人で拓須を見る。
拓須「…その辺の草や飯粒で良かろう…」
本当に知らないのに答えを求められる苦しさから、適当に答えてみた。
どうやら食べたらしく、尊敬された。
…悪い気はしない。
数日後。
いよいよカエルになりそうだ。
前足が生えたら、きっと何色か変化する。
ワクワクして睦月と共に眠りにつく。
拓須「翔隆あ!」
睦月「わ、わあぁ…」
小さなカエル達が小屋の中を大脱走。
「うわあ、待って踏まないで!」
恐らく、数匹犠牲になるだろう。
まだ集落が襲われない頃▼
オタマジャクシを桶に入れて、小屋の外で飼うようにはなった。
その代わりに、何かの塊を睦月と共に見つけて来て、何になるのか小屋の中に飾って楽しみに待った。
「何が出るのかな?」
睦月「もう出た後かな?」
どうやら二人共楽しみらしいので、拓須は何も言えない。
そして、その物体が何かまでは知らなかった…。
数日後。
拓須「翔隆あ!」
激怒する拓須に、狼狽する睦月。
睦月「ちょ、あああ…これは…蟷螂?」
「カマキリ?」
そう、カマキリの卵。
草などの先に、丸い形の不思議な卵を産む。
そこから、無数の小さなカマキリが連なって下に出てきて、小屋中に広がる地獄絵図。
結局、捕まえきれずに拓須がわざわざ術を使って外に追い払い、二人共ゲンコツを食らう。
義成「あはは! あはははは!」
外から見ていた義成だけが腹を抱えて笑っていた。
集落を無くしてから、長屋に移り住み、独り寝の夜。
…不安で中々眠れない日が続いた。
いつ敵が来るかも分からない…。
何か、少しでも安心したかった。
土間に降りて水瓶からひしゃくで水をすくって飲む。
ふと薬草を見ると、アマガエルが出てきた。
「……やあ、こんばんは」
翔隆は思わず挨拶して、アマガエルを手にして桶の中に入れる。
しかし、ピョンと飛び出してしまう。
…寂しいから枕元に居て欲しかっただけなのだが…。
自由に歩くアマガエルを座って見ている内に、眠りについていた。
「父しゃん、父しゃん」
志木「ん?」
「あのね、あしょこの水溜りにカエルがいたの、水なくなる?」
志木「…どこだ?」
「こっちこっち」
翔隆が手を引いて案内して転ぶ。
志木「大事ないか」
「あ、カエルしゃん…」
転んだ場所はちょうど水溜りだった。
オタマジャクシがビチビチと跳ねている。
「うええっ、えっぐふ」
幼い翔隆が泣きながらのろのろとオタマジャクシを捕まえるのと、見えない志木が手探りで水に戻すもどかしい絵面。
結局、そこの水溜りに毎日水を足す事になる。
五年後▼
「父さん、父さん!」
志木「ん?」
「あそこの水溜りにカエルがいたんだ! 水無くならないかな?」
何やらデジャヴュ…
志木「水を足したらどうだ?」
「桶一つ使ってもいい?」
志木「…入れるのか?」
「大丈夫だよ、睦月達の小屋に置いて貰うから!」
それもそれで不安しかないが…。
楽しくオタマジャクシを捕まえて桶の中に入れ、睦月と共に育てる。
「どんな色になるかな?」
睦月「…緑か…黒か茶色か…」
じーっと二人で拓須を見る。
拓須「そんな物の種類など知らん」
「ちぇー…足が生えたら分かるよね。何食べるかな?」
睦月「………」
じーっと二人で拓須を見る。
拓須「…その辺の草や飯粒で良かろう…」
本当に知らないのに答えを求められる苦しさから、適当に答えてみた。
どうやら食べたらしく、尊敬された。
…悪い気はしない。
数日後。
いよいよカエルになりそうだ。
前足が生えたら、きっと何色か変化する。
ワクワクして睦月と共に眠りにつく。
拓須「翔隆あ!」
睦月「わ、わあぁ…」
小さなカエル達が小屋の中を大脱走。
「うわあ、待って踏まないで!」
恐らく、数匹犠牲になるだろう。
まだ集落が襲われない頃▼
オタマジャクシを桶に入れて、小屋の外で飼うようにはなった。
その代わりに、何かの塊を睦月と共に見つけて来て、何になるのか小屋の中に飾って楽しみに待った。
「何が出るのかな?」
睦月「もう出た後かな?」
どうやら二人共楽しみらしいので、拓須は何も言えない。
そして、その物体が何かまでは知らなかった…。
数日後。
拓須「翔隆あ!」
激怒する拓須に、狼狽する睦月。
睦月「ちょ、あああ…これは…蟷螂?」
「カマキリ?」
そう、カマキリの卵。
草などの先に、丸い形の不思議な卵を産む。
そこから、無数の小さなカマキリが連なって下に出てきて、小屋中に広がる地獄絵図。
結局、捕まえきれずに拓須がわざわざ術を使って外に追い払い、二人共ゲンコツを食らう。
義成「あはは! あはははは!」
外から見ていた義成だけが腹を抱えて笑っていた。
集落を無くしてから、長屋に移り住み、独り寝の夜。
…不安で中々眠れない日が続いた。
いつ敵が来るかも分からない…。
何か、少しでも安心したかった。
土間に降りて水瓶からひしゃくで水をすくって飲む。
ふと薬草を見ると、アマガエルが出てきた。
「……やあ、こんばんは」
翔隆は思わず挨拶して、アマガエルを手にして桶の中に入れる。
しかし、ピョンと飛び出してしまう。
…寂しいから枕元に居て欲しかっただけなのだが…。
自由に歩くアマガエルを座って見ている内に、眠りについていた。
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