鸞翔鬼伝 〜らんしょうきでん〜

紗々置 遼嘉

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一章 天命

二十一.夜伽 〜信長と、二〜 ※

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【信長との伽・二】
(苦手な方は見ないようにして下さい)





 
確かに市姫が男であったなら、良い弟として補佐してくれるに違いない。
 そう思っていると、信長の顔が目の前にあった。
「のぶ…」
言い掛けて、口付けで塞がれた。
「ん…っ!」
舌を絡め取られて、歯裏まで舐められてから唇を離された。
「い、いきなり…」
「抱いては悪いのか?」
「…い、いえ……」
いけなくはないが、突然されると驚いて固まってしまう。
それにも構わずに、信長は翔隆を抱き寄せて首筋を舐めると、そのまま肩まで舐めてグッと噛み付いた。
「いっ…!」
信長は噛み痕を付けて満足すると、翔隆の腰紐を解いて脱がすと苦笑した。
「…脱がせやすいな」
「えっ?! あ…袴を履いた方がいいのでしょうか…??」
「クッ!」
信長は喉を鳴らして笑うと、翔隆のふんどしも取る。
「そうではない。…寧ろ履いていない方が良い」
「そ、そう、ですか…」
翔隆はカーッと顔を真っ赤にして俯く。
すると、信長も裸になって正面からぎゅっと翔隆を抱き締めた。
「ん…」
少し痛い位に抱き締めてから、また口付けする。
〈…舌って、動かした方がいいのか…?〉
そう思いながら、翔隆は躊躇いがちに少し舌を動かした。
〈! こ奴…〉
それにそそられた信長は、翔隆の顎を掴んで深く舌を押し入れて舐める。
そしてそのままの態勢で、信長は片手で翔隆の尻の蕾を弄る。
「ん! ふ…」
息苦しさと刺激とで、信長を押し退けてしまいそうになるが、それを堪えながら翔隆は両手を信長の肩に置く。
それ以外にどこに置けばいいのか、分からない…。
「はっ…」
やっと口を解放されて、息を整えている翔隆をそのまま支えて押し倒す。
翔隆の顔を見ると、真っ赤になって目を閉じて喘いでいた。
「こちらを見ろ」
「は、はい」
言われて信長を見ると、信長はいやらしく笑って翔隆の乳首を吸う。
「んんっ」
くすぐったいような、もどかしいような、よく判らない感覚に襲われる。
翔隆は思わず信長の肩をきゅっと握る。
「…気持ち良いのか?」
「わ、判りませ…んっ!」
「犬は喜ぶがな」
そう言い笑うと、信長は翔隆の左足を持ち上げて広げさせる。
「鍛えてあるくせに軽いな」
「えっ、も、申し訳…」
「そうではないというに…」
信長はククッと笑いながら、灯明の皿から油を拭い取る。
そして、それを翔隆の尻の蕾に垂らして入れていく。
「ひゃあっ!」
「なんて声を出す」
信長は思わず軽笑しながらも、蕾をほぐしていく。
「だっ、す、すみま、んんっ!」
「クククッ…何が言いたいのか判らんぞ?」
信長は慌てながらもビクリと躰を跳ねさせて感じる翔隆を、面白そうに眺める。
そんな事を言われても、言葉にならないのでどうにも出来ず、翔隆は開花されながらも涙目で信長を見た。
「だっ、て……そっん!!」
「だって? 何だ?」
「んあっ!! やっ…」
油がぬるぬるとしていて、信長の指が滑るように蕾を掻き乱す。
「…まだまだ教え込まねばならんか…?」
そう言い、信長はその蕾に己の反り立った男根をぬるりとれた。
「うあっ!!」
「いつになったら、いい声で喘ぐか…愉しみだな」
信長は笑って男根を蕾の奥までれて、翔隆の腰を抱いて持ち上げると、膝の上に乗せた。
「ああっ、や…!!」
奥まで挿れられている上に、こんな格好をさせられると、全くどうしていいか分からずに狼狽する。
そんな翔隆の両足を伸ばさせて、信長は寝転がる。
「ふあっっ!! やっああっ」
「ほら、しっかり膝で立て? そのままではずっと奥に入ったままだぞ?」
信長はいやらしく言い、翔隆の腰を持って上下に動かした。
「あっ、だ、だめ…っ!!」
「何が駄目なんだ」
「っっ!」
寵愛だから、駄目というのはおかしい。
翔隆が涙を堪えながら両手を彷徨わせていると、今度は両手を持たれた。
「ここに置けば良かろう?」
そう言って信長は自分の胸に翔隆の両手を置いてやる。
しかし、主君に自分の体重を掛ける訳にもいかず、必死で両膝に力を入れて踏ん張る。
…踏ん張るのだが、腰を持たれて下から突き上げられると手が浮いてしまう。
「はっ、あ!」
翔隆は真っ白な思考の中で、何とか両手を自分の太腿に置いた。すると、信長が笑って言う。
「胸の上に置いて、自分で動いてみよ」
「は…はい…っっ!!」
翔隆は乱れた息で答え、言われた通りに信長の胸に両手を置いて、ぎこちなく腰を動かして抜き差しをしてみる。
「んっ、ふ…!!」
「そうそう、もっと早くしないと転がすぞ?」
「…っ!?」
蹴り転がされるという意味なのだろうか?
翔隆は必死に突かれていた時のような速度と同じように、膝の屈伸をして動かした。
「んっ、くっ、んんっ」
余りに必死になり過ぎて目を瞑っている翔隆を見て、信長は上半身を起こしてまぶたに口付ける。
「?! な、なん…んっ!!」
「…構うな、続けろ」
「はっ…」
信長は頑張っている翔隆の頬や髪を撫で、目や耳を舐める。
「んっ、んん…」
従順な翔隆にそそられて、信長はいきなり翔隆を抱き寄せて押し倒すと、そのまま激しく貫いた。
「ああっ、はっ!!」
「一度放ったら、またやるぞ。慣らしてやろう」
「えっ、ああっ!」
突き上げられて、返事もままならない。
 
  結局三回程やって、やっと信長から解放された。
 翔隆は、中に出された精液をなんとかする為に、そっと眠る信長の側を離れて、よろよろしながらも厠に向かった。


 厠から戻ってくると、襖の前に控える長秀が手招きしてきた。
「…?」
近寄っていくと、腕を掴まれて歩き出す。
「長秀?!」
「静かにせい」
そう言って、長秀は誰もいない座敷に入ると、翔隆を強引に座らせた。
〈な、何か怒らす事でもしただろうか?〉
寵愛の事か? などと思っていると、長秀は自分も座って翔隆に顔を近付ける。
「お主、舐めていなかったであろう!」
「えっ?! なに、を…」
「殿の男根だ! まず、舐めて差し上げるものであろう!!」
「えっ!? そ、そう…言われ、ても…」
舐めるものなのか、という衝撃に驚いてしまう。
「口淫をしてさしあげるのだ。こう……」
長秀は手で形を作ってから、やめて、翔隆を立たせる。
「わしが教えてやる! まずは、殿の襦袢はだぎをお脱がせして…」
言いながら、翔隆の着物を丁寧に脱がせる。
「ちょっ…長秀っ!」
「良いから黙って見ておれ! それから、男根をこう持って…」
長秀は翔隆の男根を持って、口に咥える。
「んんっ!」
声を上げると長秀は口を離して、ジッと睨むように翔隆を見て言う。
「喘いでないで、きちんと躰で覚えろ!」
「す、すまんっ!」
「こうして、先を舐めたり…男根の裏を舐めつつ、ふぐりを優しく揉み、口に含んで動かす」
と、やりながら説明して男根を吸うように出し入れした。
そんな刺激を受けては、どうにも堪え切れない。
「んっんん!!」
逃げ腰になると、長秀に尻を掴まれた。
「逃げるな!」
男根をギュッと握られた。
「いたっ…」
「このように起ってきたら、己も着物を脱いで尻に入れやすくする」
長秀は着物を手早く脱いで、指に唾を付けて己の尻の穴にれ、ほぐす。
翔隆はしゃがんで真面目にそれを近くで見る。
「…そして、殿のやりやすい体勢になる。座っておられたら、四つん這いになるか、殿に擦り寄って自ら乗るか…」
長秀が翔隆を押し倒した時。
「それをじっと眺めるのも悪くはないが…」
と声がして、二人は驚愕して襖を見た。
そこには、ニヤニヤした信長が居る。
「と、殿!!」
「…手枕たまくらに誰もいないのは寂しい。二人共参れ」
「はっ」
言われて二人は着物を手に、信長と共に歩いていった。


      【伽二・ここまで】
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