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【続編・神々の祭日】騎士と甘橙(オレンジ)
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「――と言う感じで……あいつが逃げなくなったら、取り巻きの2人も楽しそうに訓練に参加していたんだ」
その日の夕暮れ時。
相変わらず謎の収集物で溢れている王城の執務室で、レオンはソファに身を預け、事の次第を報告していた。
オスカーは何時もの通り執務室の大窓に背を向け、机に広げられた沢山の書簡を前に羽根ペンを走らせている。
「そうか……それは良かったな」
彼は耳だけを貸しながら仕事を続けていて、先刻から気の無い相槌しか返ってこない。
まるでこちらに全く興味を持たれていないかのようで密かに寂しい思いが募る。
「……可笑しいんだ、最後なんてやったことのない片づけまでやるって……」
それでも話を続けていると、突然オスカーの手元でバキッという音が立った。
見ると、羊皮紙の上を滑っていたペン先が粉々に砕けている。
びっくりしてヘイゼルの瞳を見開いたレオンに、彫りの深い目蓋を伏せたままオスカーが呟いた。
「……。やっぱり、お前にあんな助言をしたのは間違いだった……」
「えっ」
「俺は謹慎が解けてからと言っただろうが……地下牢であいつと2人きりになったのか?」
表情が怒りに歪むと共にオスカーの瞳が緑から赤に変化し、金髪の間から巻角が生え始める。
その入り混じった姿が普段よりも悪魔的で恐ろしく、レオンは息を呑んだ。
「オスカー……半端に変身が解けてるぞ……」
指摘すると、彼はハッとしてすぐに角を引っ込めた。
「2人きりと言ったって特に危険なことは何も無かった……俺を殺して逃げるとか、そこまでするような男じゃない」
レオンが付け加えると、彼は溜息をついて砕けたペンを置いた。
「新しい悩みが増えないといいがな……今日はもう、仕事にならない」
座っていた椅子から貴公子が立ち上がる。
ソファに身を預けるレオンの元へ近付き隣に座る頃には、彼は銀髪の妖艶な神の姿となっていた。
久々に見るその容姿に切なく焦がれるような気持ちになりながら、眉を下げる。
「悪かった……余計な話でお前の仕事の邪魔をして。何か不快な思いをさせたなら謝る……」
忙しい彼に自分のことばかり話して聞かせたのが悪かったのだろうか。
独りよがりなことをしてしまったと罪悪感が湧き、シュンと俯く。
「礼が言いたかっただけなんだ……お前のお陰だか……ら」
言い終わらない内に、カインの両腕がレオンの体を痛い程強く抱きしめていた。
「カインっ……?」
戸惑いながら隣を振り向く。
相手は何かを押さえ込んだような無表情で、感情が読めない。
「もう二度とあの男と2人きりになんなよ……」
「そんな機会はもう無い……」
「触れたり、肩を抱いてやるのも絶対許さねえ」
「それはもうした」
罪悪感がない故にさらりと告白したレオンに、カインの顔色が変わる。
相変わらず表情は固いまま、イライラしたように尻尾が上下にのたうち始めた。
「抱いてやったのか? お前のこの、胸の中に」
「ダメなのか……? お前はいつもしてくれるのに」
憮然としている恋人の顔を見上げ、レオンは驚きと共にその青白い頬を両手の平で包んだ。
「もしかして、……心配じゃなくて……嫉妬、してくれているのか……?」
「してねえよ。お前がボンヤリしててヤられちまわねえか心配してやってんだ……っ」
ムキになって言い返した彼がどうしようもなく愛おしくなる。同時に、欲しくて堪らなくなった。
「……なんだか、嬉しいな……」
「何がだ」
カインの整った眉が吊り上がる。
「だって、俺は男で、華奢でもないし、俺を抱きたいと思うのなんてお前くらいなのに」
「……本気でそう思ってんのか?」
ルビーの瞳に呆れたように睨まれた。
「うん」
微塵も疑問を感じることなく頷くと、上腕を掴んだカインの指が痛いほど皮膚に食い込んだ。
「っ……ン……痛い、カイン……」
強引な所作にも心臓がドキドキと高鳴る。
何度も身体を繋げて、全てを見せている相手なのに、未だに恋い焦がれるような気持ちになるのが不思議だった。
「服を全部脱げ」
耳元で囁かれて頬が熱くなる。
「い、今、こ、こんな場所で……っ? よ、夜まで待てないのか……っ……汗も、沢山かいているし……」
「駄目だ。俺の気が変わるぞ……仕事は山程あるんだからな」
冷たく言い放たれて心が揺れる。
「……っ」
毎日ここに来て顔を合わせてはいるが、もう一週間近くカインは二人の寝室に帰っていなかった。
脅すような言葉に屈するのは悔しいが、身体の奥底から来る切実な飢えに逆らえず、ギュッと目蓋を閉じて頷く。
「ぬ、脱ぐ……っ」
「物分かりのいいお前は好きだぜ……さあ、立って机の前に行け」
好き、という言葉に情けないほど身体が従順に反応して火照る。
カインがレオンの腕を離し、促すように背中を押した。
ここに来るまでずっと身体を動かしていたので、軍服の下はひどく汗が染みている。
恥ずかしくて仕方がなかったが、レオンは執務机の前に立ち、白の軍服のホックに指を掛けて外し始めた。
腕を抜いて上衣を脱ぎ落とし、汗を吸った薄いシャツだけになる。それも肩から外し床に捨てると、カインは長い腕を伸ばしてそれを拾い、鼻先を寄せた。
「エッロい匂い……下はもっとヤバそうだな」
「やめろ、そういう悪趣味なことは……っ」
羞恥に泣きそうになりながら、震える指でズボンに手を掛ける。
冷えた空気に乳首がピンと張りつめ、カインの視線がそこに注がれているのを感じた。
「……っ」
ペニスが充血して半勃ちになっていることに気付き、指が一瞬止まる。
羞恥を我慢してウエストを留めているベルトを外してズボンごと落とし、下着の腰紐に手を掛けて解いた。
布の引っ掛かりを感じながら足首まで抜き、とうとう長靴(ちょうか)を履いただけの全裸になる。
無防備な肌がピンクに染まり、レオンは自分を守るように腕で肩を抱き、救いを求めるようにカインの目を見た。
「机の上に、窓の方を向いて乗れ」
彼の唇から飛んだ容赦のない要求に息を呑む。
「……っ! い、いや……だ」
「早く」
最早この状態では逆らうことが出来ない。
執務机に背を向けたまま筋肉のよく発達した尻をそこに乗せ、続いて靴紐を解いてのろのろと靴を脱ぎ捨てる。
裸足の足の裏を一つずつ天板に上げると、ひやりとした冷たさが皮膚に伝わり、緊張感が走った。
「……っ」
手をついて身体を回し、カインに背を向けて、カーテンの開いている大窓に向かって脚を開く形で執務机の上に乗る。
急いでのぼったせいで尻の下には今しがたまでカインが広げていた書類がそのまま下敷きになり、言い知れない罪悪感が湧いた。
恐る恐る顔を上げると、高い机の上から窓の下がよく見える。
「か、……カイン……っ、外から見える……っ」
庭先に、まだ訓練を終えたばかりの兵士たちが残って立ち話をしている。
資材を片付けている石工と修復作業員達もちらほらいた。
(なんてことを、させるんだ……っ)
あまりの恥ずかしさに息が上がり、それとは裏腹に、ばら色に染まって屹立した性器が浅ましい期待に震える。
その日の夕暮れ時。
相変わらず謎の収集物で溢れている王城の執務室で、レオンはソファに身を預け、事の次第を報告していた。
オスカーは何時もの通り執務室の大窓に背を向け、机に広げられた沢山の書簡を前に羽根ペンを走らせている。
「そうか……それは良かったな」
彼は耳だけを貸しながら仕事を続けていて、先刻から気の無い相槌しか返ってこない。
まるでこちらに全く興味を持たれていないかのようで密かに寂しい思いが募る。
「……可笑しいんだ、最後なんてやったことのない片づけまでやるって……」
それでも話を続けていると、突然オスカーの手元でバキッという音が立った。
見ると、羊皮紙の上を滑っていたペン先が粉々に砕けている。
びっくりしてヘイゼルの瞳を見開いたレオンに、彫りの深い目蓋を伏せたままオスカーが呟いた。
「……。やっぱり、お前にあんな助言をしたのは間違いだった……」
「えっ」
「俺は謹慎が解けてからと言っただろうが……地下牢であいつと2人きりになったのか?」
表情が怒りに歪むと共にオスカーの瞳が緑から赤に変化し、金髪の間から巻角が生え始める。
その入り混じった姿が普段よりも悪魔的で恐ろしく、レオンは息を呑んだ。
「オスカー……半端に変身が解けてるぞ……」
指摘すると、彼はハッとしてすぐに角を引っ込めた。
「2人きりと言ったって特に危険なことは何も無かった……俺を殺して逃げるとか、そこまでするような男じゃない」
レオンが付け加えると、彼は溜息をついて砕けたペンを置いた。
「新しい悩みが増えないといいがな……今日はもう、仕事にならない」
座っていた椅子から貴公子が立ち上がる。
ソファに身を預けるレオンの元へ近付き隣に座る頃には、彼は銀髪の妖艶な神の姿となっていた。
久々に見るその容姿に切なく焦がれるような気持ちになりながら、眉を下げる。
「悪かった……余計な話でお前の仕事の邪魔をして。何か不快な思いをさせたなら謝る……」
忙しい彼に自分のことばかり話して聞かせたのが悪かったのだろうか。
独りよがりなことをしてしまったと罪悪感が湧き、シュンと俯く。
「礼が言いたかっただけなんだ……お前のお陰だか……ら」
言い終わらない内に、カインの両腕がレオンの体を痛い程強く抱きしめていた。
「カインっ……?」
戸惑いながら隣を振り向く。
相手は何かを押さえ込んだような無表情で、感情が読めない。
「もう二度とあの男と2人きりになんなよ……」
「そんな機会はもう無い……」
「触れたり、肩を抱いてやるのも絶対許さねえ」
「それはもうした」
罪悪感がない故にさらりと告白したレオンに、カインの顔色が変わる。
相変わらず表情は固いまま、イライラしたように尻尾が上下にのたうち始めた。
「抱いてやったのか? お前のこの、胸の中に」
「ダメなのか……? お前はいつもしてくれるのに」
憮然としている恋人の顔を見上げ、レオンは驚きと共にその青白い頬を両手の平で包んだ。
「もしかして、……心配じゃなくて……嫉妬、してくれているのか……?」
「してねえよ。お前がボンヤリしててヤられちまわねえか心配してやってんだ……っ」
ムキになって言い返した彼がどうしようもなく愛おしくなる。同時に、欲しくて堪らなくなった。
「……なんだか、嬉しいな……」
「何がだ」
カインの整った眉が吊り上がる。
「だって、俺は男で、華奢でもないし、俺を抱きたいと思うのなんてお前くらいなのに」
「……本気でそう思ってんのか?」
ルビーの瞳に呆れたように睨まれた。
「うん」
微塵も疑問を感じることなく頷くと、上腕を掴んだカインの指が痛いほど皮膚に食い込んだ。
「っ……ン……痛い、カイン……」
強引な所作にも心臓がドキドキと高鳴る。
何度も身体を繋げて、全てを見せている相手なのに、未だに恋い焦がれるような気持ちになるのが不思議だった。
「服を全部脱げ」
耳元で囁かれて頬が熱くなる。
「い、今、こ、こんな場所で……っ? よ、夜まで待てないのか……っ……汗も、沢山かいているし……」
「駄目だ。俺の気が変わるぞ……仕事は山程あるんだからな」
冷たく言い放たれて心が揺れる。
「……っ」
毎日ここに来て顔を合わせてはいるが、もう一週間近くカインは二人の寝室に帰っていなかった。
脅すような言葉に屈するのは悔しいが、身体の奥底から来る切実な飢えに逆らえず、ギュッと目蓋を閉じて頷く。
「ぬ、脱ぐ……っ」
「物分かりのいいお前は好きだぜ……さあ、立って机の前に行け」
好き、という言葉に情けないほど身体が従順に反応して火照る。
カインがレオンの腕を離し、促すように背中を押した。
ここに来るまでずっと身体を動かしていたので、軍服の下はひどく汗が染みている。
恥ずかしくて仕方がなかったが、レオンは執務机の前に立ち、白の軍服のホックに指を掛けて外し始めた。
腕を抜いて上衣を脱ぎ落とし、汗を吸った薄いシャツだけになる。それも肩から外し床に捨てると、カインは長い腕を伸ばしてそれを拾い、鼻先を寄せた。
「エッロい匂い……下はもっとヤバそうだな」
「やめろ、そういう悪趣味なことは……っ」
羞恥に泣きそうになりながら、震える指でズボンに手を掛ける。
冷えた空気に乳首がピンと張りつめ、カインの視線がそこに注がれているのを感じた。
「……っ」
ペニスが充血して半勃ちになっていることに気付き、指が一瞬止まる。
羞恥を我慢してウエストを留めているベルトを外してズボンごと落とし、下着の腰紐に手を掛けて解いた。
布の引っ掛かりを感じながら足首まで抜き、とうとう長靴(ちょうか)を履いただけの全裸になる。
無防備な肌がピンクに染まり、レオンは自分を守るように腕で肩を抱き、救いを求めるようにカインの目を見た。
「机の上に、窓の方を向いて乗れ」
彼の唇から飛んだ容赦のない要求に息を呑む。
「……っ! い、いや……だ」
「早く」
最早この状態では逆らうことが出来ない。
執務机に背を向けたまま筋肉のよく発達した尻をそこに乗せ、続いて靴紐を解いてのろのろと靴を脱ぎ捨てる。
裸足の足の裏を一つずつ天板に上げると、ひやりとした冷たさが皮膚に伝わり、緊張感が走った。
「……っ」
手をついて身体を回し、カインに背を向けて、カーテンの開いている大窓に向かって脚を開く形で執務机の上に乗る。
急いでのぼったせいで尻の下には今しがたまでカインが広げていた書類がそのまま下敷きになり、言い知れない罪悪感が湧いた。
恐る恐る顔を上げると、高い机の上から窓の下がよく見える。
「か、……カイン……っ、外から見える……っ」
庭先に、まだ訓練を終えたばかりの兵士たちが残って立ち話をしている。
資材を片付けている石工と修復作業員達もちらほらいた。
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