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番外
祝宴
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カインはレオンの表情を観察するように顔を近づけ、鼻筋や額にキスを落とした。
視点が合わない程の距離で見つめ合いながら、体内の快楽の中枢を指先でグッと圧迫され、同時にペニスの根元を強く引き締められて、喉を裂くような悲鳴が上がる。
「ァああ……っ!!」
「レオン、俺はやっぱり悪魔なのかも知れないぜ……」
びく、びくとナカで絶頂しはじめたレオンの身体を、カインは構わずに苛《さいな》んだ。
皮膚の薄い唇を熱い舌先で愛撫されながら、ヘイゼルの瞳に涙が溜まる。
尾でペニスでの吐精を禁じられたまま、収縮し続けている中を、指を増やされてグチョグチョと犯され続けた。
「……1日ずつ死に向かっていくお前の命が、狂いそうなほど惜しくて、短い間でも、いつか別れるくらいなら、いっそお前の魂も寿命も全て俺が奪ってしまいたくなる」
カインの鋭い犬歯が、跡を残すほどレオンの喉に食い込む。
「アァ……はぁ……っ!」
身体の下の柔らかい毛が、その痛みとは裏腹に、感じやすい背中を柔らかく優しく愛撫する。
「――以前の神としての俺なら、多分そうしてた……。だが人間としての今の俺は、最後の日までお前が笑って生きるのを見たい……。そうやって、葛藤するのが苦しいから……二人きりになってもつい、仕事に逃げちまう時もある……」
滲んだ視界の中、赤い瞳が興奮と愛情で潤むのを見つめながら、レオンは微笑んだ。
「……っ、今更何、言ってる……お前が何者かなんて、ずっと前から、俺にはもう、どうでもいい。……俺はただ、変わらずお前が……どちらのお前も、好きだから……多分、死んでも……」
レオンの手がカインのキツそうな股の間に伸びてゆく。
指が、その軍服のズボンの結い紐を解いて、屹立したペニスを取り出した。
そして、前夜に尻尾にそうしたように、細やかな、愛しさと期待に満ちた手つきで、竿を掴んでゆるゆると撫でる。
「だから、これで、早く中に来て……もっと俺のことを、奥まで……頼む……もう……我慢、できない……っ」
後孔から指が引き抜かれて、その手がレオンの指を絡めるようにして握り取った。
ペニスを縛めていた尾が解かれて、その先端の一部が、硬く長大な神の性器に巻き付いてゆく。
それは凶悪な形に一体化して、レオンの物欲しげに縦に開いた後孔に押し付けられた。
「――これは、ベレトを見つけてくれた褒美で、俺の尻尾と、ジジイのオスカーに浮気した罰だ」
含み笑いを漏らしながら、カインの汗ばんだ額がレオンのそれに触れる。
「ひっ……! 待っ、大きすぎる……っ、ていうかどっちもそれ、お前だろう……!? アッ、あぁあっ、入って……広がっ……」
眉根を寄せて怯えながらも、久しぶりのその熱と、余りの質量に、レオンはゾクゾクと背筋を震わせて歓喜した。
言葉とは裏腹に、逞しい神の腰に両脚を絡め、腰を淫らにうねらせて、徐々に奥まで、その凶器のように太い先端を味わい、招き入れる。
「ンああ……っ、カイン……っ、壊れる……っ、はぁあ……っ!」
「レオン……! もっと、俺に堕ちろ……」
激しく最奥をひと突きされて、奥が淫らにグチュリと開き、カインの射精を促すとともに、理性を失い、全身が震えるほどの激しい絶頂が訪れた。
「イ……っ、や、イ、いっ、いぐ、ゥン……んぁ……あ……っ、!」
もう触れられていないはずのペニスが前後に揺れ、白濁を長く細く噴き始める。
激しく中を穿ち始めた凶悪な雄茎と尾が少しづつ別に動き始め、中を悶えるように暴れて蹂躙する。
腹の奥を好きなように支配され、理性を奪い尽くす雌の絶頂が止まらない。
「はぅ……ッ、中でっ、動いて……っ、全部いい、……っ、そこっ、だめ、や……あああっ」
絶え間ない歓びに堪えきれず、レオンは本能的に注挿から逃れ、身体を斜めに捻ってカインの下から逃れようとした。
すると逆にカインはペニスを一瞬引き抜き、レオンの身体をうつ伏せにして抑えつける。
「誰が、逃げていいって言った……?」
背中を強い力で押さえつけられ、今度は背後から獣のように激しく後孔が穿たれる。
「あ! やアぁ!!」
ベレトの柔らかな被毛に飛び出した敏感な乳首が、そしてトロトロに濡れたペニスがグチュグチュと押し付けられ、その柔らかな愛撫に包まれた。
「んはァ……っ! ンンッ、やっ、もっ、許して……擦れるのが、気持ち良すぎて辛いぃ……っ、んあ」
濡れた雄の裏筋を、密生した毛がザワリと愛撫する。
四つん這いが潰れたような体勢で、尻を掴んで広げられ、わざとグリグリと奥を小突かれて責められて――被虐的な興奮で目の前に火花が散る。
「っ、あうぅっ、奥っ、グジュグジュしないで……っ、乳首っ、ぞわぞわしてっ、またっ、いっく……も、やめ、カインっ、愛してる、お前だけあいしてるから……っ」
普段は決して聞くことの出来ない、物静かな騎士の裏返った喘ぎ声を楽しみながら、神は満足気に微笑み、鍛えられた彼の肉の奥に欲望を吐き散らした。
「ああ……俺も愛している。俺の、淫らな騎士……」
翌日、レオンが深い眠りから目覚めた時、広いベッドには自分一人だけで、ベレトもカインもいなくなっていた。
昨夜ドロドロのまま眠ってしまったはずの素っ裸の身体は、体液が拭われ、きれいにされている。
ベレトの毛も昨晩かなりグチャグチャに汚してしまったが、彼はどこに行ったのだろう。
すぐに洗ってやりたかったのに、うっかり寝てしまうなんて……あんな可愛い生き物に、なんて酷いことをしてしまったのか。
深い罪悪感を覚えながら、レオンはベッドの支柱にかけてあったシャツを取り、着替え始めた。
窓の外を見ると、雲ひとつない青空に、すっかり太陽が高くまで昇っている。
どうやらずいぶん寝過ごしてしまっていたらしい。
下に降りてゆくと、食堂のあるホールに続く扉の前から、楽しそうなカインの話し声が聞こえてきた。
「こらっ、つまみ食いすんじゃねぇ。全くお前は、相変わらず食い意地が張りすぎだ。そんなだから人間に捕まるんじゃねぇか」
……ベレトに話しかけているんだろうか。
「いやぁ、仕方ないだろう。腹が空いてるんだから」
聞いたことのない声が答える。
「!?」
一体、いつの間に、誰をこの城に招いたのだろう。
両開きの扉を押し開け、レオンは中に脚を踏み入れた。
食堂の長いテーブルに、豪華に飾り付けられた魚のオーブン料理と、スープ、色とりどりの果物が並んでいる。
まるでちょっとした祝宴だ。
「ああ、お前を待ってたんだぜ。さあ、食べるぞ。再会を祝う料理が冷めちまう」
料理を指差したカインの向かい側で、赤いベルベットの上衣と上品な半ズボンを身に付けた、見たことのない男がにっこりと微笑んでいた。
腰まである灰色の髪に、カインとそっくりの華々しい美貌をしているが、頭にはヤギのような巻角の他に、毛の生えた猫のような耳がついている。
尻から垂れた尻尾はフワフワの灰色の毛に包まれていて、ゆらゆらと楽しそうに動いていた。
男が入ってきたレオンに気付き、いかにも人の良さそうな柔和な笑顔を浮かべる。
「やあ、改めて初めまして。一晩寝たら薬が抜けて、やっとこの姿を思い出すことができたよ。君のおかげだ」
丁寧に頭を下げた彼に、嫌な予感がして――レオンは食卓に座るカインの横に迫った。
「……誰だ? あの男は」
怒りをあらわにしたその形相に、なんでもないことのようにカインが答える。
「ベレトだが? 俺の一番お気に入りの兄だ」
いけしゃあしゃあとそう言い放った伴侶を、レオンは椅子ごと、激しく蹴り飛ばした。
バラバラに壊れた椅子と、カインの体が床に吹っ飛んでいく。
「そういうことは早く言えと、お前は何度言ったら分かるんだ!?」
「……」
頭をさすりながら起き上がり、カインは不貞腐れたような表情で口答えしてきた。
「だってお前、あいつを気に入ってたから」
「それは何か関係あるのか!?」
「素顔が俺に似ていて、しかも無茶苦茶に可愛いと来たら、危ねぇだろ。顔を見る前に、俺のモンだって見せつけておかねぇと」
「どういう論理だ!?」
更に馬乗りになり、殴りつけようとしたが――その時、ベレトがその金色の瞳をギュッと細めて、楽しげに大笑いしだした。
「ニャハハハハッ。 カインが、あのカインが、人間なんかに素直に蹴られてる! レオンは凄いなぁ」
廃城の食堂ホールに響く、ベレトのあっけらかんとした笑い声。
――その余りにも無邪気な様子に、レオンも思わず怒る気力を抜かれ――グッタリと肩を落としたのだった。
おわり
視点が合わない程の距離で見つめ合いながら、体内の快楽の中枢を指先でグッと圧迫され、同時にペニスの根元を強く引き締められて、喉を裂くような悲鳴が上がる。
「ァああ……っ!!」
「レオン、俺はやっぱり悪魔なのかも知れないぜ……」
びく、びくとナカで絶頂しはじめたレオンの身体を、カインは構わずに苛《さいな》んだ。
皮膚の薄い唇を熱い舌先で愛撫されながら、ヘイゼルの瞳に涙が溜まる。
尾でペニスでの吐精を禁じられたまま、収縮し続けている中を、指を増やされてグチョグチョと犯され続けた。
「……1日ずつ死に向かっていくお前の命が、狂いそうなほど惜しくて、短い間でも、いつか別れるくらいなら、いっそお前の魂も寿命も全て俺が奪ってしまいたくなる」
カインの鋭い犬歯が、跡を残すほどレオンの喉に食い込む。
「アァ……はぁ……っ!」
身体の下の柔らかい毛が、その痛みとは裏腹に、感じやすい背中を柔らかく優しく愛撫する。
「――以前の神としての俺なら、多分そうしてた……。だが人間としての今の俺は、最後の日までお前が笑って生きるのを見たい……。そうやって、葛藤するのが苦しいから……二人きりになってもつい、仕事に逃げちまう時もある……」
滲んだ視界の中、赤い瞳が興奮と愛情で潤むのを見つめながら、レオンは微笑んだ。
「……っ、今更何、言ってる……お前が何者かなんて、ずっと前から、俺にはもう、どうでもいい。……俺はただ、変わらずお前が……どちらのお前も、好きだから……多分、死んでも……」
レオンの手がカインのキツそうな股の間に伸びてゆく。
指が、その軍服のズボンの結い紐を解いて、屹立したペニスを取り出した。
そして、前夜に尻尾にそうしたように、細やかな、愛しさと期待に満ちた手つきで、竿を掴んでゆるゆると撫でる。
「だから、これで、早く中に来て……もっと俺のことを、奥まで……頼む……もう……我慢、できない……っ」
後孔から指が引き抜かれて、その手がレオンの指を絡めるようにして握り取った。
ペニスを縛めていた尾が解かれて、その先端の一部が、硬く長大な神の性器に巻き付いてゆく。
それは凶悪な形に一体化して、レオンの物欲しげに縦に開いた後孔に押し付けられた。
「――これは、ベレトを見つけてくれた褒美で、俺の尻尾と、ジジイのオスカーに浮気した罰だ」
含み笑いを漏らしながら、カインの汗ばんだ額がレオンのそれに触れる。
「ひっ……! 待っ、大きすぎる……っ、ていうかどっちもそれ、お前だろう……!? アッ、あぁあっ、入って……広がっ……」
眉根を寄せて怯えながらも、久しぶりのその熱と、余りの質量に、レオンはゾクゾクと背筋を震わせて歓喜した。
言葉とは裏腹に、逞しい神の腰に両脚を絡め、腰を淫らにうねらせて、徐々に奥まで、その凶器のように太い先端を味わい、招き入れる。
「ンああ……っ、カイン……っ、壊れる……っ、はぁあ……っ!」
「レオン……! もっと、俺に堕ちろ……」
激しく最奥をひと突きされて、奥が淫らにグチュリと開き、カインの射精を促すとともに、理性を失い、全身が震えるほどの激しい絶頂が訪れた。
「イ……っ、や、イ、いっ、いぐ、ゥン……んぁ……あ……っ、!」
もう触れられていないはずのペニスが前後に揺れ、白濁を長く細く噴き始める。
激しく中を穿ち始めた凶悪な雄茎と尾が少しづつ別に動き始め、中を悶えるように暴れて蹂躙する。
腹の奥を好きなように支配され、理性を奪い尽くす雌の絶頂が止まらない。
「はぅ……ッ、中でっ、動いて……っ、全部いい、……っ、そこっ、だめ、や……あああっ」
絶え間ない歓びに堪えきれず、レオンは本能的に注挿から逃れ、身体を斜めに捻ってカインの下から逃れようとした。
すると逆にカインはペニスを一瞬引き抜き、レオンの身体をうつ伏せにして抑えつける。
「誰が、逃げていいって言った……?」
背中を強い力で押さえつけられ、今度は背後から獣のように激しく後孔が穿たれる。
「あ! やアぁ!!」
ベレトの柔らかな被毛に飛び出した敏感な乳首が、そしてトロトロに濡れたペニスがグチュグチュと押し付けられ、その柔らかな愛撫に包まれた。
「んはァ……っ! ンンッ、やっ、もっ、許して……擦れるのが、気持ち良すぎて辛いぃ……っ、んあ」
濡れた雄の裏筋を、密生した毛がザワリと愛撫する。
四つん這いが潰れたような体勢で、尻を掴んで広げられ、わざとグリグリと奥を小突かれて責められて――被虐的な興奮で目の前に火花が散る。
「っ、あうぅっ、奥っ、グジュグジュしないで……っ、乳首っ、ぞわぞわしてっ、またっ、いっく……も、やめ、カインっ、愛してる、お前だけあいしてるから……っ」
普段は決して聞くことの出来ない、物静かな騎士の裏返った喘ぎ声を楽しみながら、神は満足気に微笑み、鍛えられた彼の肉の奥に欲望を吐き散らした。
「ああ……俺も愛している。俺の、淫らな騎士……」
翌日、レオンが深い眠りから目覚めた時、広いベッドには自分一人だけで、ベレトもカインもいなくなっていた。
昨夜ドロドロのまま眠ってしまったはずの素っ裸の身体は、体液が拭われ、きれいにされている。
ベレトの毛も昨晩かなりグチャグチャに汚してしまったが、彼はどこに行ったのだろう。
すぐに洗ってやりたかったのに、うっかり寝てしまうなんて……あんな可愛い生き物に、なんて酷いことをしてしまったのか。
深い罪悪感を覚えながら、レオンはベッドの支柱にかけてあったシャツを取り、着替え始めた。
窓の外を見ると、雲ひとつない青空に、すっかり太陽が高くまで昇っている。
どうやらずいぶん寝過ごしてしまっていたらしい。
下に降りてゆくと、食堂のあるホールに続く扉の前から、楽しそうなカインの話し声が聞こえてきた。
「こらっ、つまみ食いすんじゃねぇ。全くお前は、相変わらず食い意地が張りすぎだ。そんなだから人間に捕まるんじゃねぇか」
……ベレトに話しかけているんだろうか。
「いやぁ、仕方ないだろう。腹が空いてるんだから」
聞いたことのない声が答える。
「!?」
一体、いつの間に、誰をこの城に招いたのだろう。
両開きの扉を押し開け、レオンは中に脚を踏み入れた。
食堂の長いテーブルに、豪華に飾り付けられた魚のオーブン料理と、スープ、色とりどりの果物が並んでいる。
まるでちょっとした祝宴だ。
「ああ、お前を待ってたんだぜ。さあ、食べるぞ。再会を祝う料理が冷めちまう」
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腰まである灰色の髪に、カインとそっくりの華々しい美貌をしているが、頭にはヤギのような巻角の他に、毛の生えた猫のような耳がついている。
尻から垂れた尻尾はフワフワの灰色の毛に包まれていて、ゆらゆらと楽しそうに動いていた。
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「……誰だ? あの男は」
怒りをあらわにしたその形相に、なんでもないことのようにカインが答える。
「ベレトだが? 俺の一番お気に入りの兄だ」
いけしゃあしゃあとそう言い放った伴侶を、レオンは椅子ごと、激しく蹴り飛ばした。
バラバラに壊れた椅子と、カインの体が床に吹っ飛んでいく。
「そういうことは早く言えと、お前は何度言ったら分かるんだ!?」
「……」
頭をさすりながら起き上がり、カインは不貞腐れたような表情で口答えしてきた。
「だってお前、あいつを気に入ってたから」
「それは何か関係あるのか!?」
「素顔が俺に似ていて、しかも無茶苦茶に可愛いと来たら、危ねぇだろ。顔を見る前に、俺のモンだって見せつけておかねぇと」
「どういう論理だ!?」
更に馬乗りになり、殴りつけようとしたが――その時、ベレトがその金色の瞳をギュッと細めて、楽しげに大笑いしだした。
「ニャハハハハッ。 カインが、あのカインが、人間なんかに素直に蹴られてる! レオンは凄いなぁ」
廃城の食堂ホールに響く、ベレトのあっけらかんとした笑い声。
――その余りにも無邪気な様子に、レオンも思わず怒る気力を抜かれ――グッタリと肩を落としたのだった。
おわり
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できるかぎり毎日? お話の予告と皆の裏話? のあがるインスタとYouTube
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名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
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二人は好きなBLカプの典型なのでそう言っていただけて嬉しいです!
はじめまして!
切ないけどえっちで幸せなお話に、思わず一気読みさせて頂きました....
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私の性へk....もといツボにズッポリです♪♪
続編の連載とっても嬉しいです!!!
2人がこれからもいろんな幸せを掴めるように祈ってます(*´∀`*)
ha luさま初めまして、ご感想ありがとうございます!
初めて書いたオリジナルの小説で、拙いところもあったかと思いますが、たのしんで頂けてとても嬉しいです。
二人はラスト後も色々ありつつ幸せに暮らしていくと思います。
応援をくださって本当にありがとうございました!
レオンの物語を見守ってくださってありがとうございます!
完了の後二人の続編も連載いたしますのでどうぞお楽しみに。