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本編
妖精姫は告白される。
しおりを挟む「ソフィア嬢、お慕いしております。私と結婚を前提にお付き合いして下さい。」
シュワルツ王国王城の騎士団の詰所前。
騎士団に所属している兄たちにお菓子を焼いて持ってきた帰り、冒頭のセリフを目の前の大きな黒い存在に言われて目を瞬いていた。
白銀の美しい髪、陶器のように白く滑らかな肌、空のように澄んだ青い宝石目は皇族の印。そんな人間離れしたような美しい容姿から彼女はシュワルツの宝玉、妖精姫と呼ばれている。
対して目の前の黒い存在はソフィアとは真逆の存在。
髪も目も黒、肌は黒に近い褐色、くまのように大きな身体は黒騎士団の真っ黒な騎士服に包まれていて迫力がある。
普通の令嬢であれば泣いて逃げてしまっていることだろう。
しかしソフィアは泣かなかったし逃げなかった。
何故ならソフィアは彼のことを知っていたから。
返事のないソフィアを気にしてか、下げた頭を少し上げてチラッとみてきた。
その姿が面白くて、ソフィアは微笑んでしまった。ソフィアの美しい微笑みに目を見開く彼。
そして目の前に突き出された彼の黒くて大きな手を、ソフィアの白く美しい小さな両手でそっと包み込んだ。
ビクリと大きく震えた身体。
彼は驚いたようにソフィアをみた。
恐らく彼は断られると思っていたのかもしれない。
「エメル・ファンド様。末永く宜しくお願いしますわ。」
ソフィアに初めて名前を呼ばれて、そう言えば名乗ってすらいなかったと頭の片隅で思いながら酷く驚いたエメル。
この騒動を見ていた沢山の者たちも全員が口を大きく開けて驚いていた。
何故ならエメルも含めて誰もがソフィアに断られると思っていたのだから。
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