きつく縛って、キスをして【2】

青森ほたる

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お仕置きのあとで

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「よし、終わりでいいだろう」

と俊光様がそう告げて、ずるっと蕾からショウガを引き抜かれて、私の背中から俊光様の重さが消えても、私はうつ伏せの体勢のまま指一本うごかせなかった。

「ぅぅ……っ」

ショウガがなくなっても、ひりひりじくじくとした熱は残ったままで、散々パドルと鞭に打たれたお尻と太ももも、その痛みを主張している。

「ちひろ」

俊光様の声がお仕置き中のものとは違っていることはすぐに分かった。お仕置きがやっと終わったのか、という思いがよりいっそう全身の力を奪い、体は一層シーツに沈み込んでいく。

「千尋。起きろ」
「……むりです」

「尻のなかを洗ってやるから、バスルームまで来い」
「動きたくないです……」

本当に動きたくない。動けない。体も疲れているし、泣き疲れて頭もぼんやりしている。

「仕方がないな」

そう言った俊光様の足音が遠ざかっていき寝室を出ていく気配がした。

どこへいってしまったんだろう。考えるのもしんどい。

案外とすぐに戻ってきた俊光様は、ベッドの傍にかちゃかちゃと何かを置いて、シーツに顔をうずめてうつ伏せになっている私の足首を掴んで、無理やり私の体をひっくり返した。

「わ、ぁ……っ」

俊光様が足首を掴んだまま持ち上げていたので、腫れたお尻はシーツにつかなかったが、それでも体をよじったので、ずきっと痛みがはしった。

私の腰の下にふんわりと分厚いバスタオルを敷いた俊光様が、「ほら、自分で足は抱えていろ」と、持ち上げたままの足から手を離した。

お尻をつけるのは嫌だったので、私は素直に膝裏に手を回して足を持ち上げておく。

最初にショウガを突っ込まれたときと同じ体勢だ。

となりを見れば俊光様が大きなガラスの注射器を手にサイドテーブルの上にのせた洗面器から水を吸い上げていた。浣腸に使われる道具だ。

「俊光さま……それ……」
「これは、ただのぬるま湯だ。これでなかが洗えるだろ」

「ここで、やるのですか?」
「お前が動きたくないって言ったんだろ」

言ったけれども……。

「なかにいれたお湯は、ここへ出せ」

俊光様がもう一つ空の洗面器を手にして、私のお尻の下へそれを置く。そしてお湯をたっぷりたたえた注射器の先を蕾にあてがった。

「ぁっ、ぁっ、ぁっ、熱いですっっっ」

俊光様が注射器を押し込み、蕾のなかにお湯がさぁっと流れ込むとあまりの熱さに声が震えた。

「熱くない」

ちゅぅ、っと俊光様が注射器の先から私の腹の上にお湯を落とした。たしかにそれはほぼ水のようなぬるいお湯だった。

「でも、なかでは、熱ぃんです……」
「この程度で熱がっていてどうする。ほら、さっさと今入れたお湯を出せ」

俊光様は注射器を置いて洗面器を私のお尻の下にあてる。

「お仕置きの浣腸ではないのだから我慢する必要はない」

それはわかっているけれど……まだそこへ出す決心が……。私がもだもだしていると、俊光様がいきなり私の下腹をぎゅっと押さえつけた。

じゅ、っと蕾からお湯が飛びでて、流れ出す。ぼたぼたぼたっと洗面器を打つ水音が響いた。

「ぅぅぅ……っ……」

羞耻で泣きそうな私に俊光様は「もう一回だ」と平然とまた中身をいっぱいにした注射器をあてがう。蕾のなかにお湯が流しこまれて熱さと気持ち悪さに悶える。

「はやく出せ」

無理やりお腹を押されるまえに、私は蕾を緩め、ゆっくりと力んで洗面器にお湯を出す。

俊光様はこれを何度も繰り返して、最後に私の濡れたお尻をタオルで拭いて洗面器を片付けた。

「俊光様……ご褒美はないのですか……?」

私は横向きになってベッドに寝そべったまま俊光様を見上げる。

こんな厳しいお仕置きを耐えたのだから、あってもいいんじゃないかと思ったけれど。

「お仕置きは、受けて当然だ。当然のものを当然やり終えてご褒美などない」

俊光様にそう言われると、そうなのかもしれないと納得せざるおえない……。

「じゃあ、恋人としてキスしたいです」

俊光様が、ふっと頬をゆるめた。久しぶりに俊光様の笑っている顔を見れた気がする。きゅっと胸の奥がうずいて熱くなった私に俊光様は覆いかぶさるようにして唇を重ねた。
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