手とり、足とり、愛してあげる

青森ほたる

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二人きりの緊縛


初めて会ったその日「気が向いたら、連絡してね」と、篠崎さんに教えてもらったメールアドレスに、僕は一ヶ月と経たないうちに連絡をとった。

何度かお店でも会ったが、そのうち直接ホテルで待ち合わせするようになった。


「ユウくん」

いつも緊張して待ち合わせの30分も前に到着して待っている僕の元へやってくるなり篠崎さんは、僕の手首を掴んで微笑む。

篠崎さんはいつ会っても、身体にあった細いブラックスーツを着ていた。タバコも吸わず、香水もつけない篠崎さんからは、柔軟剤のような香りが微かにする。

その日、ホテルの部屋には、ベッドの足元側の壁に大きな鏡があって、その鏡と向かい合うように篠崎さんは僕を立たせた。

いまだに、こうして緊縛のためだけにホテルで会うことに慣れない。後ろで篠崎さんが鞄のなかから何本も縄を取り出して解いてベッドのうえに並べていくのを、まるで夢を見ているような気持ちで眺めてしまう。

篠崎さんは片手に一本の縄を持ち、鏡越しに僕と目を合わせて微笑んだ。

篠崎さんが背中から腕を回して、僕の胸の前で腕を組む。

一瞬、ただ抱きしめられたと錯覚するくらい身体が密着して、ふっと離れると胸には縄が一本通っている。篠崎さんが縄を引っ張ると二の腕にわずかに食い込む。そのまま背中で結ばれて両手の自由を奪われた。



「そのまま背中の後ろで両手を組んで」

組んだ両手は一瞬で縛られて固定される。

また背中から抱きしめるように縄を回されて体温があがったが、服ごしできっと篠崎さんにはまだバレてはいないはずだ。

けれど緊縛が進んでいくと身体が反応していくのが目に見えてわかる。

「気持ちよくなってきた?」

恥ずかしくて答えられずに俯くと、

「目をそらしちゃダメ。ほらここ、膨らんでるもんね」

と、ズボンの上からす、っと股を撫でられた。


「ぁ……っ…」


今まで一度も服を脱がされたことはない。

篠崎さんはいつもこうして服の上から撫でる。しなやかな指の動きが、さらに感度を高めていく。

「篠崎…さ、ん…っ。もう……っ」


これ以上は、立っていられなくなる、そう思った瞬間、篠崎さんが手を離して今度は首をぴたぴたと撫でる。

「汗かいちゃったね」

首筋を人差し指がはうと、身体がすうっと冷えていく。

篠崎さんが左手も僕の首に回してゆっくりと撫でる。

両手を首に回されたら、されることは一つしかない。

それが僕にはいまだに怖かった。

篠崎さんは鏡ごしに僕の表情をじっと見つめながら、僕が唾を飲み込んだ瞬間、ぎゅっと指に力を入れて首を絞めた。

「……っ……」


その瞬間、頭が真っ白になる。息が止められている間は何も考えられなくなる。

鏡で指が離れると、いきなり呼吸ができるようになって、僕は思いきり息を吸いこんだ。


「いい子だね」


篠崎さんが左手で背中を撫で、右手で僕の両目に浮かんだ涙を拭ってくれる。

絞められるのは怖いのにいつもこうして優しく褒められると、身体がふわふわと軽くなった。

篠崎さんの手で縛られている間は、篠崎さんの手で息を止められている間は、篠崎さんのことしか考えなくていい。

ほんの少しの現実逃避が、いつの間にか僕の心を埋め尽くし、篠崎さんのことが片時も頭から離れなくなった。

仕事が忙しくなるとますます、夜は篠崎さんに会いたくなった。

会えない間は、次にいつ会えるかばかり考えていた。

いつもお誘いの電話をするのは僕だ。

篠崎さんからかかってくるときは「来週の約束の日、どうしても外せない用事が入っちゃって、ごめんね」と、いうお断りの電話。

篠崎さんには、篠崎さんの生活があるということも理解していた。けれど頭でわかっていても、どうしようもないこともある。







「写真を、撮って欲しいの? 縛ったあとの?」


ある日突然「写真を撮って欲しい」とお願いした僕に問い返しながら篠崎さんは、少しだけ困惑したように眉をよせた。

僕は両手をぎゅっと握りしめ、俯きながら頷いた。

真意は悟られたくない。

この間、篠崎さんに「鞄の中から好きな縄を選んでいいよ」と言われたとき、故意にではなく偶然見つけてしまった写真の束。

縄で縛られた男性や女性の、それも一人ではなく複数人の写真。

ホテルの白いシーツの上や、どこかのお店のような薄暗い照明の下や、明るい日が差し込む和室の写真もあった。

服の上からのものも、半裸のものも……。

僕にはもう篠崎さん以外に縛られたいという願望はなく、篠崎さんの僕以外のパートナーの存在を考えてみたこともなかった。

あのバーの常連客で知り合いも多いようだったし、他に何人パートナーがいても不思議ではないのに。

ショックな気持ちを、なぜ自分の写真は撮ってもらえないのだろうという気持ちに置き換える。

だから本当は写真なんか撮られるのは、恥ずかしくて嫌なのに意を決して頼んだのだ。


「篠崎さんが、そういうのが嫌なら大丈夫、です……」

ただじっと黙って見つめられた僕は、沈黙に耐えきれずに口をひらくと、篠崎さんはまだ少し戸惑いながら、


「ユウくんのお願いなら撮ってもいいけど……今日は、カメラ持ってないから、携帯で撮る写真でもいい?」

と、言った。


「ベッドのうえに座って」

柔らかい布団のうえに膝をついて座ると、篠崎さんはベッドのうえに鞄を置いて初めて見る鮮やかな青色の縄を取り出した。

縄を解く篠崎さんに「あの……」と、遠慮がちに声をかける。


「どうした?」
篠崎さんが縄を持ったまま手をとめて僕を見る。


「上だけ、脱いでもいいですか?」

ここまできたらと、思いきって尋ねてみると篠崎さんは「ユウくんの好きなようにしていいよ」と、あっさりと頷いた。

僕は、シャツのボタンに手をかけたが、今朝、普通に留めたボタンがやたらと小さく硬く感じてうまく外せない。

シャツのなかには何も着ていない。

指が震えているせいで緊張しているのが丸分かりだ。


「やってあげる」
篠崎さんが縄を肩にかけて、もたつく僕の両手をまとめて掴んでシャツから引き離す。

左手で手首を掴んだまま、篠崎さんは右手で僕のシャツのボタンを外す。

ボタンを外した場所から、篠崎さんは人差し指でするりと肌を撫で次のボタンへ指をかける。

慣れた手つきで片手で全てのボタンを外し終わると、篠崎の両手が腹から胸へとゆっくりと、僕の身体を撫で付ける。

「…っ……」

ずっと触っていてほしかったけれど、篠崎さんは襟のあたりを持ちシャツを開いて脱がせると、ソファの上に放った。

身体の前で合わせた両手の手首に青い縄が回される。

腕に格子状に縄が結ばれていく。いつも後ろで結ぶことが多かったので、今日は縄を操る篠崎さんの指の動きがよく見える。


「部屋、少し寒い?」

篠崎さんは肘のあたりまで縛ったところで手をとめて、縄の先を掴んだまま片手で僕の肩を撫でる。

外は真夏なみの暑さという日で、部屋には冷房をかなり効かせていた。


「温度あげようか?」

たしかに少し寒いが、ネクタイひとつ緩めずジャケットまで着たままの篠崎さんにとっては今よりあげてしまったら暑くなってしまうだろう。


「平気です……」


「じゃあ、ユウくんの身体が早く熱くなるように、頑張ろうかな」

篠崎さんが目を細めて口元に笑みを浮かべる。

肘から二の腕を縛っていた縄が首に回されたがそこで絞められることはなくただ両腕を吊り下げられた。

篠崎さんがまるで結び目を確認するように僕の腕に指を這わせる。
それから僕の頬にかかった髪を耳の後ろにかけ、ゆっくりと頭をなでた。

篠崎さんがベッドの片膝をついてさらに身を乗り出してきて、僕の額に唇を押し付けた。

いきなりのキスに驚く間もなく、髪の毛をぎゅっと後ろに引っ張られて身体をベッドの上に斜めに倒される。

篠崎さんは僕の背中側に回ると、首の下から手を差し入れてきて、右手で口元に細長い布を当てられた。


「口、あけて」


ハンカチか何かだと思ったそれは、篠崎さんの締めていたネクタイだった。

僕が口を開くと、舌にあたるくらいにぐっとうしろに引っ張られてそのまま首の後ろで縛られた。

口は中途半端に開いた状態で、少しだけ息苦しいのに、身体の奥がきゅっとしびれるような感覚がした。

また頭を撫でていた篠崎さんの手が、後ろへ回って背中の真ん中をすっと撫でられる。

お尻から、太ももの裏を掴んで右足だけ足を曲げたまま、別の青い縄が回された。

太ももから股に縄が食い込むと、乾いていた口内に唾液が溢れてくる。

このままでは、篠崎さんのネクタイが汚れてしまうと、急いで飲み込もうとしたら咳きこんだ。
頭に、がっと血がのぼるような感覚があって、頬が熱くなった。


「大丈夫? 苦しかったね」


篠崎さんが片手で背中を撫でながらも縄は右足に巻かれていく。

ネクタイを取って欲しくて顔だけ振り向くが、篠崎さんは両手で縄を持ったまま首をかしげる。

目線でなんとか訴えかけると、篠崎さんがベッドに手をついて僕に覆いかぶさってきた。


「もっと濡らしていいんだよ」
耳元でそう囁かれて、喉の奥がごくっと鳴ると、篠崎さんは満足げに微笑んだ。

足に巻かれていく縄のわずかな痛みと、腕を縛った縄が胸をかすめる感覚に呼吸が荒くなってきて、苦しくて僕は両目をぎゅっとつむる。

右足に巻かれていた縄がくるぶしの上で強く縛られたかと思うと、篠崎さんの指が靴下のなかに差し込まれてするりと靴下を脱がされた。

いきなり素足になった開放感と、肌に感じるシーツの冷たさに胸のあたりがぞくぞくした。


「手はこっち。目、あけて」


身体の前に伸ばされていた腕を腰の上へと持ち上げられて、額を撫でられる。

目を開いて見ると、青い縄は腕から右足にかけて、うっとりするほど綺麗な模様を描いていた。

「撮るよ」

と、篠崎さんがベッドの傍らで携帯電話を構える。

僕は首を回してレンズから顔を逸らした。

部屋のなかにシャッターを切る音だけが響く。縛られた状態でただ写真を撮られるのは思った以上に恥ずかしい。

いつも以上に、ただ見られているという感覚に、シーツに押し付けた頬が熱くなり、足の指がぎゅっと丸くなった。

心のなかはすっかり後悔で埋め尽くされていた。変なことを頼むんじゃなかった。


「ユウくん……」

シャッター音が途切れて、篠崎さんが汗で額にひっついた髪を撫でながら声をかけてくる。


「もう止める?」

僕が小さく頷くと、篠崎さんは首の付け根のネクタイの結び目を解いた。


「ごめんなさい」


居たたまれない気持ちになって、そう呟くと篠崎さんは
「なんで謝るの?」
と、僕の顔を覗きこんで言った。


「……ネクタイを、汚してしまったので」


「そんなこと、気にしなくていいんだよ」

篠崎さんは濡れたネクタイを手に巻きつけて丸めると、親指で僕の唇を撫でた。

そのまま口内に親指が差し込まれる。一瞬身構えた僕の舌をなだめるように篠崎さんは親指の腹で舌を撫でた。

下の歯をゆっくりとなぞられ、また舌の奥へと親指がのびる。

「……ぅ、…っ」


苦しくはなかった。

ただ僕の口元を食い入るように見つめる篠崎さんの目線に、息が止まりそうになった。

親指につづいて人差し指が差し入れられて舌をつままれる。
つままれたまま口のなかを掻き回されて唾液が溢れてきた。
溢れた唾液は、人差し指で口角を引っ張られて、つぅっと唇から顎へと垂れた。

僕の唾液で濡れた指を引き抜いた篠崎さんは、ゆっくりと僕に覆いかぶさってきて、僕の顎に垂れた唾液も舌で舐めとった。


「……ん…っ」

軽く、触れるだけのキス。

本当は、キスとも呼べないキス未満の行為かもしれない。

けれど一瞬だけ重なった唇に、心が溶かされていく。

「縄、解こうね」

篠崎さんが足の縄から解きだす。

縛っていたものがなくなった瞬間は少しだけ寂しい。

けれど腕の縄まで全て解いた篠崎さんがベッドにゆっくりと倒れこんできて、まるで添い寝をするように僕に寄り添った。

だらんと垂れたままの僕の両手を胸の前へ持ってきて、腕についた縄の跡を撫でる。その指の感覚が心地いい。

「今日はどうしていきなり、写真を撮って欲しいだなんて言ったの?」

篠崎さんが何気なく口にした言葉に、僕は緩んでいた気持ちが一気に張り詰めた。


「それは…」
 

篠崎さんは先を促すように瞳を揺らして、僕を見つめる。


「なんとなく、です。深い意味はなくて」
 

僕の曖昧な返事に、篠崎さんは「そっかそっか」とそれ以上追求せずに頷いた。

そうして、いつもの笑顔をつくる。


「ユウくんのお願いならなんでも叶えてあげるからね。隠し事はなしだよ」


「はい、篠崎さん……」
 

きゅっと背中から抱き寄せられて、篠崎さんの胸元に顔を埋めた。

皺ひとつないワイシャツからは今日も柔軟剤の香りがする。

どくん、とひとつ心臓が鳴った。
 



篠崎さんの腕に抱かれたまま僕はつい、ゆったりと微睡み、そのままぐっすりと眠ってしまった。


縛られたあとはいつも身も心も疲れ果てている。

夢もみないほどの深い眠りから覚めたとき、うっすらと開けた両目で篠崎さんは窓際に立って、電話をかけていることに気がついた。


「それじゃあ、次は来週の木曜日にしようか」
 

寝ている僕を気遣ってか小声で話していたが、はっきりと聞き取れた言葉は、ちょうど誰かとの約束を交わしているところだった。


「もちろんだよ。この間、使った赤い縄も持っていくね」
 

篠崎さんの発した言葉に一気に気持ちが沈む。
誰か別のパートナーとの電話で話している声なんて聞きたくなかった。


「しのさき、さん…」
 

咄嗟に今起きたかのように声をかける。
篠崎さんは振り返って僕と目を合うと「ユウくん。もしかして起こしちゃった?」と、言いながら片手で携帯電話を操作してズボンのポケットにしまった。


「いいえ。大丈夫、です。電話は、大丈夫…ですか? 誰かと話してる途中、だったんじゃ……?」 
 

僕が上半身を起こしながら尋ねると、篠崎さんは首を振った。


「平気。仕事の電話だったから」 
 

何食わぬ顔でさらりと言われて僕はそれ以上、詮索できなくなった。

こんなに簡単に嘘をつかれると思っていなかった。

篠崎さんは僕には隠し事はなしだと言うのに。


「ユウくん…? どうかした?」
 
顔を強張らせた僕に、篠崎さんが心配そうに尋ねる。


「いえ。なんでも、ないです」


結局僕も、嘘をついた。




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