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第一部 勇者パーティ追放編
24 ロザリーは大魔法使いのカッコ良さを本人に語る
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「貴重なチケットを恵んでいただいてどうもありがとうございました。奇跡的に大魔法使いさまにプレゼントを渡すことができて大変感謝しております!」
魔道具屋でロウを見つけると、開口一番に丁寧にお礼を言って、ペコリと頭を下げた。
すぐにロウの反応がなかったので、顔を上げて彼の様子を見る。
ロウは何とも言えない表情を浮かべていた。
え? お礼しただけなのに、問題でもあった!?
「……言いたいのはそれだけか?」
「え? どういうことですか?」
「それなら――もういい」
言ってくれないとわからないよ! 「もういい」なら、特に問題ないってことだよね? 言葉通りに解釈するよ。本当にいいんだよね?
ロウの瞳を見つめても、外らされるばかり。含みのあるような、何かシコリのあるようなロウの態度がよくわからない。
「……プレゼントを渡した時の大魔法使いさまの反応はどうだったのか?」
あれ? もういいって言っておきながら詳しく聞いてくるの? なーんだ。実はロウってば、大魔法使いさまの反応が気になってたの? ま、全然話すけどさ。
「いや、とくに意味もないが気になって。急にプレゼントを渡されるとあいつは迷惑だったんだじゃないか……って」
「迷惑がってはいなくて、本当に喜んでいましたよ! 加護付きのピアスだって一瞬で見抜かれたのはさすが大魔法使いさまだって思いましたね」
「そ、そうか……」
そういえばロウって大魔法使いさまとお知り合いって話だよね。そうだ。大魔法使いさまをもっとヨイショした方がいいのかも。
「実は式典が終わった後に突然、大魔法使いさまの封印した魔獣が復活したんです。その魔獣が大魔法使いさまに襲いかかってきて。私が立候補して大魔法使いさまと一緒に戦ったんですけど、剣術も素晴らしかったなぁ。一線を退いたとは思えないくらい!」
「そうか……」
反応が微妙? 褒めたのに喜んでくれない。もしかして、褒め足りないのかな?
そう思い直して、さらに褒めることに決めた。
「私が囮になりましょうか? って聞いたら、『標的は俺だけで十分だ』と言われたの。男気があって素晴らしいと思ったわ。さすが大魔法使いさまよね!」
「……それは、大魔法使いとして民衆を守るのは当然じゃないのか?」
ロウの指摘はごもっとも。
だけど、当然のことをサラリとできるのがカッコいいんです!
「当然だとしても、ギリギリに追い込まれた時の冷静に判断できる姿勢が、カッコよかったんだよね」
「そうか……」
私の力説を聞いたロウは耳を少し赤くしている。
……ははーん。そういうことか。
思い当たることがあって、ニヤリとしてしまう。
「もしかして、大魔法使いさまに嫉妬されました? 私があまりに大好きだから!」
「いや、そんなんじゃなく……」
手を口で覆っている。本人は否定しているけれど、叫び出したいくらい悔しがっているのに違いない。そりゃあ、比較対象が大魔法使いさまだからね。魔道具屋の店主と比べたら天と地くらい違うもんね。
「大魔法使いさまは髪もサラサラしていてね。同じ金髪なのに、ロウとは全然違うの。……んーでも、ロウもオールバックにしたら、少しは見れるようになるんじゃないの?」
と、ロウの目にかかりそうな長い前髪を触ろうとしたら、手首を掴まれた。ギロっと睨みつけられる。
「――もう、やめてくれ!」
と怒られて、ちょっかいを出すのをやめた。
馴れ馴れしくしすぎたかな。少し反省。
緑色の瞳って、大魔法使いさまと同じ色なんだなと思っただけ。紳士的な大魔法使いさまとは全然違うけどね。
あ、大魔法使いさまとの関係について聞き忘れてた。まあ、怒られた今、その話を突くのはあれだから、ほとぼりが去ったとき……次に会った時でも聞いてみようかな。
魔道具屋でロウを見つけると、開口一番に丁寧にお礼を言って、ペコリと頭を下げた。
すぐにロウの反応がなかったので、顔を上げて彼の様子を見る。
ロウは何とも言えない表情を浮かべていた。
え? お礼しただけなのに、問題でもあった!?
「……言いたいのはそれだけか?」
「え? どういうことですか?」
「それなら――もういい」
言ってくれないとわからないよ! 「もういい」なら、特に問題ないってことだよね? 言葉通りに解釈するよ。本当にいいんだよね?
ロウの瞳を見つめても、外らされるばかり。含みのあるような、何かシコリのあるようなロウの態度がよくわからない。
「……プレゼントを渡した時の大魔法使いさまの反応はどうだったのか?」
あれ? もういいって言っておきながら詳しく聞いてくるの? なーんだ。実はロウってば、大魔法使いさまの反応が気になってたの? ま、全然話すけどさ。
「いや、とくに意味もないが気になって。急にプレゼントを渡されるとあいつは迷惑だったんだじゃないか……って」
「迷惑がってはいなくて、本当に喜んでいましたよ! 加護付きのピアスだって一瞬で見抜かれたのはさすが大魔法使いさまだって思いましたね」
「そ、そうか……」
そういえばロウって大魔法使いさまとお知り合いって話だよね。そうだ。大魔法使いさまをもっとヨイショした方がいいのかも。
「実は式典が終わった後に突然、大魔法使いさまの封印した魔獣が復活したんです。その魔獣が大魔法使いさまに襲いかかってきて。私が立候補して大魔法使いさまと一緒に戦ったんですけど、剣術も素晴らしかったなぁ。一線を退いたとは思えないくらい!」
「そうか……」
反応が微妙? 褒めたのに喜んでくれない。もしかして、褒め足りないのかな?
そう思い直して、さらに褒めることに決めた。
「私が囮になりましょうか? って聞いたら、『標的は俺だけで十分だ』と言われたの。男気があって素晴らしいと思ったわ。さすが大魔法使いさまよね!」
「……それは、大魔法使いとして民衆を守るのは当然じゃないのか?」
ロウの指摘はごもっとも。
だけど、当然のことをサラリとできるのがカッコいいんです!
「当然だとしても、ギリギリに追い込まれた時の冷静に判断できる姿勢が、カッコよかったんだよね」
「そうか……」
私の力説を聞いたロウは耳を少し赤くしている。
……ははーん。そういうことか。
思い当たることがあって、ニヤリとしてしまう。
「もしかして、大魔法使いさまに嫉妬されました? 私があまりに大好きだから!」
「いや、そんなんじゃなく……」
手を口で覆っている。本人は否定しているけれど、叫び出したいくらい悔しがっているのに違いない。そりゃあ、比較対象が大魔法使いさまだからね。魔道具屋の店主と比べたら天と地くらい違うもんね。
「大魔法使いさまは髪もサラサラしていてね。同じ金髪なのに、ロウとは全然違うの。……んーでも、ロウもオールバックにしたら、少しは見れるようになるんじゃないの?」
と、ロウの目にかかりそうな長い前髪を触ろうとしたら、手首を掴まれた。ギロっと睨みつけられる。
「――もう、やめてくれ!」
と怒られて、ちょっかいを出すのをやめた。
馴れ馴れしくしすぎたかな。少し反省。
緑色の瞳って、大魔法使いさまと同じ色なんだなと思っただけ。紳士的な大魔法使いさまとは全然違うけどね。
あ、大魔法使いさまとの関係について聞き忘れてた。まあ、怒られた今、その話を突くのはあれだから、ほとぼりが去ったとき……次に会った時でも聞いてみようかな。
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