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第三部 竜の棲む村編
80 村長の謝罪
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リアとの再会の喜びを分かち合うと、村長へ無事に戻ったことを報告することにした。
屋敷の入り口へ向かう私たちに向かって、先ほどの使用人がやってきた。村長に先に報告すると言っていたけれど、もう戻ってきたらしい。
「村長から応接室へ案内するように言われております。どうぞこちらへ」
屋敷の応接室に案内された私たちは、ソファに座った。
そして、スイリュ村で採れた茶葉の紅茶をいただく。スッキリとした味で美味しい。
ロウと紅茶を堪能していたところ、扉から控えめなノックが聞こえた。
私が「はい」と返事すると、扉が開く。
村長一人だと思っていたら、その横に息子のウリュもいた。
「このたびは、ご迷惑おかけしてすみませんでした」
開口一番に、村長から謝罪の言葉。村長とウリュがペコリと頭を下げた。
「英雄さまに危険があるとわかっていて、それを言いませんでした。自分たちの保身に走った結果、英雄さまが攫われてしまい……」
「村長さまたちのお気持ちはわかったわ」
ロウにも村長から謝罪を受けた話は聞いていたので、その話はもう十分だった。
私はソファから立ち上がって言葉を続ける。
「村長さまが全て悪いというわけではありません。……私がもし村長の立場だったら、娘を守りたい気持ちが働いてもおかしくないでしょう。でも、村長の行動によって困った状況になった人がいたとわかってもらえれば、私はそれでいいです」
「……ロザリー」
ロウからの「それでいいのか?」と問うような視線。
私はロウを見つめ返して私は言う。
「これで良かったの。反省するところは反省して、前に進んでもらうしかないでしょう?」
「……申し訳ありませんでした。英雄さまだけでなく、大魔法使いさまにも大変迷惑を……」
そう言って再度、村長が頭を下げた。
私は謝罪されていて、なんだか落ち着かない気持ちになって口を開いた。
「謝罪の気持ちはわかったので、どうか頭を上げてください」
「村長の気の済むまでそのままにさせておけ」
ロウの思うところがあったのか、口を挟んできた。
……だって、人に謝られることって慣れてないんだもの。
そう心の中でブツブツ言いながらも、ロウの言うようにそれもそうかと、村長が気の済むまで待った。
「ところで、竜神さまには会えたのでしょうか?」
興味があったのか、ウリュが私に聞いてきた。
私は頷いて、肯定した。話しても困る内容ではないし、竜の村の人は知ってても良い情報だろうしね。
「会えたわ。この湖の守り神だから悪いようには言いたくないけれど……とんでもない目に遭ったわ」
「とんでもない目?」
ウリュは恐る恐るその意味を確認してきた。
「昔に竜神さまの命を助けたことがあって、再会できたと喜んで力を暴走させてしまったみたい。花嫁にならないかと言われて困ったわ」
「それは、とんでもない目にあいましたね……」
ウリュから同情の視線を送られる。
時間の流れが竜の宮と地上で違うことも困ったことに入るけれど……。
それは今さらりと言う話ではないような気がして、あえて言わなかった。
時間の流れが違うことってあまりに残酷すぎる話なんだもの。
話が途切れると、村長が私たちに聞いてきた。
「お二人はこれからどうされる予定でしょうか」
「それは、明日にも出発しようと考えている」
質問にはロウが答えてくれた。二人で湖から帰っている間に決めたことだ。
その返事を聞いた村長は、あまりに早い出発だと驚きを隠せない様子だった。
「もっと滞在してくださっても良かったのに……」
「ここは、居心地が良すぎる。それは人のお膳立てがあってのことだ。旅人を長くやっているからか、そんな環境からは離れたくなる」
残念そうな顔をした村長だったが、ロウの言うことに納得したようだ。
「人に頼らない姿勢、大変素晴らしい。大魔法使いさまと英雄さま、人から尊敬されるのは自分に厳しいところがあるからなんですね」
「自分に厳しいというか、色んなことに興味があって、一つの場所でじっとしているのがもったいなく感じる」
「うわぁ。その姿勢を見習いたいです。最後の晩は、ぜひみんなで一緒に食事をしましょう」
その日の夜はささやかながらも、旅立ちの晩餐会を開いてくれて、竜の宮での出来事を話したり、スイリュ村の料理を味わった。
それが終わると、自分の部屋で荷物をまとめて、明日に備えて早くベッドに入った。
屋敷の入り口へ向かう私たちに向かって、先ほどの使用人がやってきた。村長に先に報告すると言っていたけれど、もう戻ってきたらしい。
「村長から応接室へ案内するように言われております。どうぞこちらへ」
屋敷の応接室に案内された私たちは、ソファに座った。
そして、スイリュ村で採れた茶葉の紅茶をいただく。スッキリとした味で美味しい。
ロウと紅茶を堪能していたところ、扉から控えめなノックが聞こえた。
私が「はい」と返事すると、扉が開く。
村長一人だと思っていたら、その横に息子のウリュもいた。
「このたびは、ご迷惑おかけしてすみませんでした」
開口一番に、村長から謝罪の言葉。村長とウリュがペコリと頭を下げた。
「英雄さまに危険があるとわかっていて、それを言いませんでした。自分たちの保身に走った結果、英雄さまが攫われてしまい……」
「村長さまたちのお気持ちはわかったわ」
ロウにも村長から謝罪を受けた話は聞いていたので、その話はもう十分だった。
私はソファから立ち上がって言葉を続ける。
「村長さまが全て悪いというわけではありません。……私がもし村長の立場だったら、娘を守りたい気持ちが働いてもおかしくないでしょう。でも、村長の行動によって困った状況になった人がいたとわかってもらえれば、私はそれでいいです」
「……ロザリー」
ロウからの「それでいいのか?」と問うような視線。
私はロウを見つめ返して私は言う。
「これで良かったの。反省するところは反省して、前に進んでもらうしかないでしょう?」
「……申し訳ありませんでした。英雄さまだけでなく、大魔法使いさまにも大変迷惑を……」
そう言って再度、村長が頭を下げた。
私は謝罪されていて、なんだか落ち着かない気持ちになって口を開いた。
「謝罪の気持ちはわかったので、どうか頭を上げてください」
「村長の気の済むまでそのままにさせておけ」
ロウの思うところがあったのか、口を挟んできた。
……だって、人に謝られることって慣れてないんだもの。
そう心の中でブツブツ言いながらも、ロウの言うようにそれもそうかと、村長が気の済むまで待った。
「ところで、竜神さまには会えたのでしょうか?」
興味があったのか、ウリュが私に聞いてきた。
私は頷いて、肯定した。話しても困る内容ではないし、竜の村の人は知ってても良い情報だろうしね。
「会えたわ。この湖の守り神だから悪いようには言いたくないけれど……とんでもない目に遭ったわ」
「とんでもない目?」
ウリュは恐る恐るその意味を確認してきた。
「昔に竜神さまの命を助けたことがあって、再会できたと喜んで力を暴走させてしまったみたい。花嫁にならないかと言われて困ったわ」
「それは、とんでもない目にあいましたね……」
ウリュから同情の視線を送られる。
時間の流れが竜の宮と地上で違うことも困ったことに入るけれど……。
それは今さらりと言う話ではないような気がして、あえて言わなかった。
時間の流れが違うことってあまりに残酷すぎる話なんだもの。
話が途切れると、村長が私たちに聞いてきた。
「お二人はこれからどうされる予定でしょうか」
「それは、明日にも出発しようと考えている」
質問にはロウが答えてくれた。二人で湖から帰っている間に決めたことだ。
その返事を聞いた村長は、あまりに早い出発だと驚きを隠せない様子だった。
「もっと滞在してくださっても良かったのに……」
「ここは、居心地が良すぎる。それは人のお膳立てがあってのことだ。旅人を長くやっているからか、そんな環境からは離れたくなる」
残念そうな顔をした村長だったが、ロウの言うことに納得したようだ。
「人に頼らない姿勢、大変素晴らしい。大魔法使いさまと英雄さま、人から尊敬されるのは自分に厳しいところがあるからなんですね」
「自分に厳しいというか、色んなことに興味があって、一つの場所でじっとしているのがもったいなく感じる」
「うわぁ。その姿勢を見習いたいです。最後の晩は、ぜひみんなで一緒に食事をしましょう」
その日の夜はささやかながらも、旅立ちの晩餐会を開いてくれて、竜の宮での出来事を話したり、スイリュ村の料理を味わった。
それが終わると、自分の部屋で荷物をまとめて、明日に備えて早くベッドに入った。
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