2 / 4
1章 性別詐称は大変です。
とにかく大変です。
しおりを挟むフルダイブに成功した俺は、早速体を見てみる。
背がちっこい…。髪が長い…。
俺が触ったフィギュアのキャラクターは短髪でスラッとしてて猫目で屈強そうで…
その時声をかけられた。
「可愛い女の子がこんなゲームに来るもんじゃねぇよ。帰りな」
スキンヘッドで筋骨隆々なおっさんに肩を押された。勢い余って尻もちをついてしまう。
とてとてとその場から逃げる。その先にはガンショップたるものがあった。ショーケースに並ぶ銃銃銃銃…
そんなショーケースに美少女が反射で映る。目はクリクリとしていて、なびく長髪。少し捻ればすぐ折れそうな手足にプリっとして小さい唇…そして断崖絶壁。
「な、な、なんだこれぇぁぁあ?!」思わず叫んだ。俺の触ったフィギュアとは全く違うんだもの
合流した3人にはリィと言うHNで何とか俺だと言うことを理解してもらった。そして、他言しないというのを前提でなぜ美少女化したのかも明かした。4人の総意として「絶対他言しないようにしよう」と。そう決めた。
何故かと言うと、体自体本人じゃなく出来るというわけだ。防止できてた不正や犯罪が多発するに違いない。
「…とりあえず狩り行くか?」そう言ったのは幼馴染の涼。プレイヤーネームはリョ。俺と合わせてくれているらしい
「そうだなぁ。このままウロウロしててもスタートダッシュ組に負けるしね。」ミッチーが適当にそう答える。サービス開始直後だ。狩場奪いとかもあるに違いないと踏んで、早々と狩場に足を踏み入れる。
その先で接敵して、冒頭に戻る訳だが…
「おいリィ!なにか策はないのかよ!!」
リョが叫ぶ。無い訳では無い。長年ガンシューやってた俺の脳内を舐めないで頂きたい。
「リョとミッチーは撃ちまくってヘイトを引いて!ヒサは左に展開するけど、わざとバレるように行動!俺は右に進む!」
リョのメインウェポンはアサルトライフルで初期装備のAK_47を持ってる。ミッチーは初期装備のM249…MINIMIと言われる軽機関銃を持ってる。その2人に弾幕を貼ってもらい、ヘイトを引いてもらう。敵の裏を狙うヒサは、サブマシンガンのMP5を持ってる。これも初期装備だ。ヒサには裏をとってもらうんだが、倒しきれなくていい。敵を乱すだけでいいんだ。最後の俺だ。敵全体が見える位置まで下がって、俺のメインウェポンを構える。俺のメインウェポンはドラグノフ狙撃銃。SVDと言われる武器だ。事前情報では「命中率が悪い」「よく跳ねる」「セミオートライフルの利点が生きない」なんてボロクソ言われてた。だが要は腕だ。俺はヒサが敵の後ろに回ったのを確認。ミッチーのリロードと合わせてヒサが裏から敵を1人倒した。その瞬間に敵の連携は乱れ、1人はミッチーとリョに背中を向けてリョのAKの餌食となった。残り敵数は定かではないが、見えてる範囲では3。裏も完璧に警戒され、また膠着状態となった。
俺の出番か
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
3
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる