11 / 28
猿も木から落ちる
そのに
しおりを挟む
どうやらこの木の上にいたらしい。黄金色の瞳は釣り上がり少々キツイ顔立ちをしている。周りを見渡せば似たような尻尾を持つ子供たちと比べると大分その顔つきは違った。
どうにも木から落ちたことが気に食わないようできーきーと叫ぶ男は桃太郎の膝の上に乗ったままである。
「だいたい、なんでこんなとこにいんだよっ! ここはオレの縄張りだぞ! 早く、出てけよっ!」
「縄張りって言っても……ここ別に君の土地じゃないだろ? 見たところまだ番も見つかってないようだし」
「う、うるさいなっ! どうせ、オレは一族の中でも可愛げがないって言われてるけどっ、いつか鬼ヶ島さんに連れて行ってもらえるんだからなっ!」
可愛げがないとは言ってない、と桃太郎は思ったがその後の言葉が重要だった。今この男は鬼ヶ島と言った。どうやら人名のようだが、オニという言葉に桃太郎は引っかかりを覚えた。
「その、鬼ヶ島さんってのはどんな人なの?」
「ただで教えるわけないだろ? お前だってオレの身体に、なにかしたくせに……っ」
怒りでどうやら忘れていたようだがこの男、発情しかけていた。桃太郎も身に覚えはないがこの状況は犬斗のときと似ている気がした。腰袋からきびだんごを一つ取り出すと、男はそれを両手で受け取り掲げて下から見たり、横から見たりとせわしなく観察していた。
「な、なんだこれ……オレこんないい匂いのするモノ見たことねぇ……」
「うちのばあさん特製のきびだんごだ、一個あげるよ」
やはりこの匂いにはなにかオメガの発奮材料になるものが含まれているのだろうか? ぺろりと舐めて味見をするとそのまま一気に口に含んだ。頬を膨らませて食べる姿は乱雑な口調とは裏腹に可愛げがあった。
「なんだ、可愛いとこあるじゃないか」
「か、か、可愛いって、っ! お前目が悪いのか? オレのこと、可愛いって……」
顔を真赤にさせた男は桃太郎を睨んだが、言われ慣れてない言葉を掛けられて目をしろくろさせているからまったく怖さを感じなかった。
「俺、桃太郎って言うんだけど君、名前は?」
「も、ももたろう? 変な名前。オレは……え、んや。猿弥って名前だ、かっこいいだろ?」
猿弥は誇らしげに胸を張った。おかげで元からぱっかり開いていた胸元はさらに押し広げられその日に焼けた身体を桃太郎に見せつける形となり、大きな数珠がなめらかな素肌に艶かしく輝いていた。桃太郎がその珠を一つ持ちあげるとそれが擦れたのだろう。猿弥が身体をくねらせた。
何度も言うが猿弥が座っているのは桃太郎の膝の上である。悪態をつきながらもその身体は常に桃太郎から離れることはなかった。本人も気付いていないのだろう。その尻は桃太郎のペニスに終始こすりつけていることなど。無意識に猿弥は桃太郎を誘っていたのである。
どうにも木から落ちたことが気に食わないようできーきーと叫ぶ男は桃太郎の膝の上に乗ったままである。
「だいたい、なんでこんなとこにいんだよっ! ここはオレの縄張りだぞ! 早く、出てけよっ!」
「縄張りって言っても……ここ別に君の土地じゃないだろ? 見たところまだ番も見つかってないようだし」
「う、うるさいなっ! どうせ、オレは一族の中でも可愛げがないって言われてるけどっ、いつか鬼ヶ島さんに連れて行ってもらえるんだからなっ!」
可愛げがないとは言ってない、と桃太郎は思ったがその後の言葉が重要だった。今この男は鬼ヶ島と言った。どうやら人名のようだが、オニという言葉に桃太郎は引っかかりを覚えた。
「その、鬼ヶ島さんってのはどんな人なの?」
「ただで教えるわけないだろ? お前だってオレの身体に、なにかしたくせに……っ」
怒りでどうやら忘れていたようだがこの男、発情しかけていた。桃太郎も身に覚えはないがこの状況は犬斗のときと似ている気がした。腰袋からきびだんごを一つ取り出すと、男はそれを両手で受け取り掲げて下から見たり、横から見たりとせわしなく観察していた。
「な、なんだこれ……オレこんないい匂いのするモノ見たことねぇ……」
「うちのばあさん特製のきびだんごだ、一個あげるよ」
やはりこの匂いにはなにかオメガの発奮材料になるものが含まれているのだろうか? ぺろりと舐めて味見をするとそのまま一気に口に含んだ。頬を膨らませて食べる姿は乱雑な口調とは裏腹に可愛げがあった。
「なんだ、可愛いとこあるじゃないか」
「か、か、可愛いって、っ! お前目が悪いのか? オレのこと、可愛いって……」
顔を真赤にさせた男は桃太郎を睨んだが、言われ慣れてない言葉を掛けられて目をしろくろさせているからまったく怖さを感じなかった。
「俺、桃太郎って言うんだけど君、名前は?」
「も、ももたろう? 変な名前。オレは……え、んや。猿弥って名前だ、かっこいいだろ?」
猿弥は誇らしげに胸を張った。おかげで元からぱっかり開いていた胸元はさらに押し広げられその日に焼けた身体を桃太郎に見せつける形となり、大きな数珠がなめらかな素肌に艶かしく輝いていた。桃太郎がその珠を一つ持ちあげるとそれが擦れたのだろう。猿弥が身体をくねらせた。
何度も言うが猿弥が座っているのは桃太郎の膝の上である。悪態をつきながらもその身体は常に桃太郎から離れることはなかった。本人も気付いていないのだろう。その尻は桃太郎のペニスに終始こすりつけていることなど。無意識に猿弥は桃太郎を誘っていたのである。
0
あなたにおすすめの小説
「今夜は、ずっと繋がっていたい」というから頷いた結果。
猫宮乾
BL
異世界転移(転生)したワタルが現地の魔術師ユーグと恋人になって、致しているお話です。9割性描写です。※自サイトからの転載です。サイトにこの二人が付き合うまでが置いてありますが、こちら単独でご覧頂けます。
獣のような男が入浴しているところに落っこちた結果
ひづき
BL
異界に落ちたら、獣のような男が入浴しているところだった。
そのまま美味しく頂かれて、流されるまま愛でられる。
2023/04/06 後日談追加
カエルになったら幼なじみが変態でやべーやつだということに気づきました。
まつぼっくり
BL
カエルになったけど、人間に戻れた俺と幼なじみ(変態ストーカー)の日常のお話。時々コオロギさん。
え?俺たちコイビトなの?え?こわ。
攻 変態ストーカーな幼馴染
受 おめめくりくりな性格男前
1話ごとに区切り良くサクサク進んでいきます
全8話+番外編
予約投稿済み
ムーンさんからの転載
【完結】気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件
白井のわ
BL
雄っぱいが大好きな俺は、気が付いたら大好きなblゲーの主人公になっていた。
最初から好感度MAXのマッチョな攻略対象達に迫られて正直心臓がもちそうもない。
いつも俺を第一に考えてくれる幼なじみ、優しいイケオジの先生、憧れの先輩、皆とのイチャイチャハーレムエンドを目指す俺の学園生活が今始まる。
おすすめのマッサージ屋を紹介したら後輩の様子がおかしい件
ひきこ
BL
名ばかり管理職で疲労困憊の山口は、偶然見つけたマッサージ店で、長年諦めていたどうやっても改善しない体調不良が改善した。
せっかくなので後輩を連れて行ったらどうやら様子がおかしくて、もう行くなって言ってくる。
クールだったはずがいつのまにか世話焼いてしまう年下敬語後輩Dom ×
(自分が世話を焼いてるつもりの)脳筋系天然先輩Sub がわちゃわちゃする話。
『加減を知らない初心者Domがグイグイ懐いてくる』と同じ世界で地続きのお話です。
(全く別の話なのでどちらも単体で読んでいただけます)
https://www.alphapolis.co.jp/novel/21582922/922916390
サブタイトルに◆がついているものは後輩視点です。
同人誌版と同じ表紙に差し替えました。
表紙イラスト:浴槽つぼカルビ様(X@shabuuma11 )ありがとうございます!
逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。抱かれたら身代わりがばれてしまうので初夜は断固拒否します!
雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
隣国の国王キリアン(アルファ)に嫁がされたオメガの王子リュカ。
しかし実は、結婚から逃げ出した双子の弟セラの身代わりなのです…
本当の花嫁じゃないとばれたら大変!
だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、
だんだんキリアンに惹かれてしまい、苦しくなる…という
お話です。よろしくお願いします<(_ _)>
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる