二十代最後の最低最悪波乱万丈な私の十二ヶ月

三谷玲

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一月は前途多難な始まり

一月二十九日(木曜日)

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 明日は本社だと思うと気が重い。総務に仲の良い梶原さんがいるからまだいいけど、誰かに会ったら嫌だな。
 特に課長。
 また嫌味を言われるかと思うとほんと行きたくない。
 最後のプロジェクトは客先だったから、メンバーとは逢えない。みんなに退職の挨拶のメールはしたけど、三上君と須田君には別途で。
 まぁ三上君は課長から信頼があるからいいんだ。問題は須田君。仕事が出来ないわけじゃないけど三上君と比べると劣る。それを課長はチクチク言うから須田君、萎縮しちゃうんだよね。
 この間泣いてしまったことを謝って、須田君には須田君が出来ることがあるから。課長の言うことは真に受けないで、と。
 三上君、須田君のフォロー出来るかなぁ……。仕事は出来るけどそういうところが苦手なんだよね。お客さんには愛想いいし、わたしにはいい顔するんだけど。
 って、もう辞めるんだから気にしたって仕方ない。
 あぁ、このところ食べすぎだけど、明日は本社での手続き終わったらミキちゃんのケーキを食べよう!
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