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第10話 春樹の決意
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その日の放課後のことを、僕は、きっと一生忘れないだろう。
最後の授業が終わるチャイムが、重く、悲しく響き渡った。クラスメイトたちは誰一人として、いつもように賑やかな声を上げることもなく、無言で俯いたまま、静かに、ゆっくりと教室から出ていく。誰もが、口に出せない同じ重たい現実を、ランドセルよりもずっとずっと重たい想いを、その小さな背中に背負っていた。
やがて、帰宅を促す気の抜けた放送のメロディーも途絶え、廊下を引きずるような足音も聞こえなくなった。
教室には、僕だけが一人取り残された。
しんと静まり返った教室。
窓の外からは、まだ、日常の音が聞こえてくる。グラウンドで練習に励む、下級生たちの甲高い声。体育館から響く、バスケットボールが床を叩くリズミカルな音。そして、音楽室から流れてくる、少しだけ音程の外れた、どこか物悲しいメロディー。
それらの音は、いつもなら僕の心を落ち着かせてくれる。放課後の優しい音色だった。
なのに、今日の僕の耳には、その全てが残酷なほどに、無慈悲なほどに、いつも通りの世界の音を演出していた。
七海にあんなことがあったのに。彼女が今頃、白い、僕の知らない病院のベッドの上で、一人で戦っているというのに。
世界は何事もなかったかのように、ただ、いつも通りの音を奏で、いつも通りの光を放ち、いつも通りの時を刻み続けている。
そのあまりにも理不尽な事実が、僕の心の中で、もやもやと燻ぶり続けていた。
僕は、ゆっくりと七海の席へと視線を向けた。
空っぽの椅子。
誰も座っていない机。
そこに彼女がいたという痕跡は、もうほとんど残っていなかった。
でも、僕には見えた。机の表面に、彼女がうっかりつけてしまったであろう、鉛筆の黒い跡。彼女が座るときに、ほんの少しだけ椅子がきしむ音。そして、彼女が毎日見ていたはずの窓の外の風景。あのクスノキの、風に揺れる葉の裏側。
この席から、彼女はどんな空を見ていたのだろう。空に浮かぶ金魚は、どんな姿をしていたのだろう。
空っぽの机の中。
夕日に照らされて、一冊のノートだけが、ぽつんと置かれていることに気付いた。
この世界の最後の希望であるかのように、あるいは、持ち主に見つけてもらうのを、健気に、じっと待っている迷子の子犬のように、静かに、その存在をアピールしていた。
「天野さんの、お楽しみノート……」
僕は何かに導かれるように、その机へと吸い寄せられていった。
お楽しみノートを机から取り出す。震える指先で、持ち上げたそのノートは、少しだけくたびれた、表紙のボール紙の温かい感触がした。
ノートの重さが、僕にはずしりとした、彼女の命そのものの凝縮された重さのように感じられた。
自分の席に戻り、僕は椅子に座って、そのノートをゆっくりと開いた。
ページを、一枚、また一枚とめくっていく。
そこには彼女の、子供らしく、しかし、どこか力強い生き生きとした文字が、楽しそうに踊っていた。
『① 潮見ヶ丘の駄菓子屋で、100円玉を握りしめてお菓子を買う』――できた!
その文字を見ているだけで、あの日のみんなの笑い声や、七海の宝物を見つけたかのような輝く笑顔が、鮮明に僕の中に蘇ってくる。
そのあまりにも眩しい記憶が、今の、この絶望的な状況とのコントラストで、僕の胸を何度も何度も、深く突き刺した。
次のページをめくった。
まだ叶えられていない、これからの未来のリストがいくつか書かれている。
『⑥ 夏祭りで、金魚すくいをする』
『⑦ 好きな人に、ちゃんと、気持ちを伝える』
僕の指が、その項目の上でぴたりと止まった。好きな人。それは、誰だったのだろう。もしかしたら、それは……。そんな考えが、さらなる痛みを僕の心にもたらした。
これから、僕たちに訪れるはずだった輝かしい未来の設計図。
そのあまりにも無垢な願いを前に、僕の視界が急速に歪んでいった。
そこからは何も書かれていないページが続いていた。
そして、僕は最後のページを開いた。
そこだけ、彼女の字が違っていた。
他のページのような、元気さがない。まるで、最後の力を振り絞るように、必死に書き記された薄く、か細い鉛筆の文字。
その文字は、震えていた。文字が滲んだような跡もあった。
彼女がどんな想いで、どんな状態で、この最後の言葉を書き加えたのか。
たった一人、夜の病室の冷たいベッドの上で、自分の運命と向き合いながら、震える手でこの願いを、この祈りを書き記したのか。
その光景が、僕の脳裏にあまりにも鮮明に、残酷なまでに浮かび上がった。
『⑧ みんなに忘れられないでいたい』
その悲痛な、心からの叫びが、僕の心の最後の壁を、完全に打ち砕いた。
ああ、そうか。
彼女は、いなくなってしまうことそのものよりも、誰からも忘れられてしまうことを何よりも、何よりも恐れていたんだ。
彼女の笑顔の裏側に隠されていた、深い、深い、孤独の闇。そして、自分の死をはっきりと自覚していた者の、あまりにも切実な願い。
この、彼女の必死の訴えを前にして、僕は今日の校庭で、一体何ができたというのだろう。指一本動かせなかった、この僕に。
無力感。後悔。そして、どうしようもない自分自身への怒り。
それら全てが、熱い涙となって、僕の瞳から流れ出した。
ぽたぽたと、僕の涙がノートの上に落ちる。彼女が、命を懸けて書き記したその大切な言葉を、僕のこの無力な涙が、無残に滲ませていく。
ごめん。ごめん。ごめん。
僕は子供のように、声を殺してただ泣いた。
どれくらいそうしていただろうか。
涙が枯れ果てたその先で。
絶望という名の冷たい海の底で、僕は一つの光を見つけた。
僕に何ができるのか。無力なくせに。言葉しか持たないくせに。
――違う。
――違うだろ、神谷春樹。
僕は、無力かもしれない。でも、言葉だけは持っている。そしてその、僕がずっと隠してきた言葉の力を、世界でたった一人見つけ出し、信じ、肯定してくれたのは誰だ。
天野七海、その人じゃなかったのか。
彼女は、この最後の願いを僕に残してくれたんだ。僕の言葉の力を信じて、魂のバトンを託してくれたんだ。
袖で自分の顔を、乱暴にごしごしと拭った。
そして顔を上げる。
その瞳に、もう先ほどまでの、絶望に濡れた迷いはなかった。
悲しみは消えていない。怒りも、後悔も、まだ胸の中で渦巻いている。
だが、僕は決めた。
この全ての黒い感情を燃料にして、僕は立ち上がる。立ち上がらなければ、七海と話す資格なんかない。
僕は七海のお楽しみノートをそっと閉じると、鞄の中から、誰にも見せたことのなかった詩のノートを取り出した。
それは、図書室で七海が、温かい指先で優しく触れてくれた特別なノート。
詩を書いていたページではない、新しい、まだ何も書かれていない真っ白なページを開いた。
これは、過去の臆病だった自分との決別だ。
そして、新しい自分に生まれ変わるための、始まりの儀式だ。
七海のお楽しみノートを、自分のノートの隣にそっと置く。
ペンを祈るように、強く握りしめた。
もう迷わない。
もう逃げない。
――僕が、叶えるから。
七海。君が叶えられなかった、リストの全てを。
夏祭りで、君の代わりに僕が金魚をすくおう。
君が見たかった花火を、僕がこの目で見届けよう。
そして、君がここに確かに生きていたという証を遺そう。
君が見た空を泳ぐ金魚のことを。君が好きだと言った風の匂いのことを。君と過ごした時間、君が過ごした時間。
その全てが、ただ消えてなくなってしまうなんて、僕が絶対に許さない。
僕が、僕の言葉で、全てを物語にする。
君という、たった一人のかけがえのない少女が、この世界に確かに存在したのだという永遠に消えない物語を、僕が紡いでみせる。
それが僕に表現できる、たった一つの君への想いだ。
誓いを立てた。
開け放たれた教室の窓から、優しい夕方の風が、さあっと吹き込んできた。
その風は、僕の涙の跡が残る頬を、慰めるようにそっと撫でていった。
僕の目の前にある二冊のノートのページを、僕の決意を祝福し、七海の魂が「よろしくね」と、そっと囁いているかのように、ぱらぱらぱらと優しくめくっていった。
風は、僕のノートの真っ白なページを、「さあ、ここから始めなさい」とでも言うかのように、ゆっくりと開いてみせた。
僕たちの、あまりにも短く、そしてあまりにも濃密な最後の夏が、今、本当の意味で始まろうとしていた。
最後の授業が終わるチャイムが、重く、悲しく響き渡った。クラスメイトたちは誰一人として、いつもように賑やかな声を上げることもなく、無言で俯いたまま、静かに、ゆっくりと教室から出ていく。誰もが、口に出せない同じ重たい現実を、ランドセルよりもずっとずっと重たい想いを、その小さな背中に背負っていた。
やがて、帰宅を促す気の抜けた放送のメロディーも途絶え、廊下を引きずるような足音も聞こえなくなった。
教室には、僕だけが一人取り残された。
しんと静まり返った教室。
窓の外からは、まだ、日常の音が聞こえてくる。グラウンドで練習に励む、下級生たちの甲高い声。体育館から響く、バスケットボールが床を叩くリズミカルな音。そして、音楽室から流れてくる、少しだけ音程の外れた、どこか物悲しいメロディー。
それらの音は、いつもなら僕の心を落ち着かせてくれる。放課後の優しい音色だった。
なのに、今日の僕の耳には、その全てが残酷なほどに、無慈悲なほどに、いつも通りの世界の音を演出していた。
七海にあんなことがあったのに。彼女が今頃、白い、僕の知らない病院のベッドの上で、一人で戦っているというのに。
世界は何事もなかったかのように、ただ、いつも通りの音を奏で、いつも通りの光を放ち、いつも通りの時を刻み続けている。
そのあまりにも理不尽な事実が、僕の心の中で、もやもやと燻ぶり続けていた。
僕は、ゆっくりと七海の席へと視線を向けた。
空っぽの椅子。
誰も座っていない机。
そこに彼女がいたという痕跡は、もうほとんど残っていなかった。
でも、僕には見えた。机の表面に、彼女がうっかりつけてしまったであろう、鉛筆の黒い跡。彼女が座るときに、ほんの少しだけ椅子がきしむ音。そして、彼女が毎日見ていたはずの窓の外の風景。あのクスノキの、風に揺れる葉の裏側。
この席から、彼女はどんな空を見ていたのだろう。空に浮かぶ金魚は、どんな姿をしていたのだろう。
空っぽの机の中。
夕日に照らされて、一冊のノートだけが、ぽつんと置かれていることに気付いた。
この世界の最後の希望であるかのように、あるいは、持ち主に見つけてもらうのを、健気に、じっと待っている迷子の子犬のように、静かに、その存在をアピールしていた。
「天野さんの、お楽しみノート……」
僕は何かに導かれるように、その机へと吸い寄せられていった。
お楽しみノートを机から取り出す。震える指先で、持ち上げたそのノートは、少しだけくたびれた、表紙のボール紙の温かい感触がした。
ノートの重さが、僕にはずしりとした、彼女の命そのものの凝縮された重さのように感じられた。
自分の席に戻り、僕は椅子に座って、そのノートをゆっくりと開いた。
ページを、一枚、また一枚とめくっていく。
そこには彼女の、子供らしく、しかし、どこか力強い生き生きとした文字が、楽しそうに踊っていた。
『① 潮見ヶ丘の駄菓子屋で、100円玉を握りしめてお菓子を買う』――できた!
その文字を見ているだけで、あの日のみんなの笑い声や、七海の宝物を見つけたかのような輝く笑顔が、鮮明に僕の中に蘇ってくる。
そのあまりにも眩しい記憶が、今の、この絶望的な状況とのコントラストで、僕の胸を何度も何度も、深く突き刺した。
次のページをめくった。
まだ叶えられていない、これからの未来のリストがいくつか書かれている。
『⑥ 夏祭りで、金魚すくいをする』
『⑦ 好きな人に、ちゃんと、気持ちを伝える』
僕の指が、その項目の上でぴたりと止まった。好きな人。それは、誰だったのだろう。もしかしたら、それは……。そんな考えが、さらなる痛みを僕の心にもたらした。
これから、僕たちに訪れるはずだった輝かしい未来の設計図。
そのあまりにも無垢な願いを前に、僕の視界が急速に歪んでいった。
そこからは何も書かれていないページが続いていた。
そして、僕は最後のページを開いた。
そこだけ、彼女の字が違っていた。
他のページのような、元気さがない。まるで、最後の力を振り絞るように、必死に書き記された薄く、か細い鉛筆の文字。
その文字は、震えていた。文字が滲んだような跡もあった。
彼女がどんな想いで、どんな状態で、この最後の言葉を書き加えたのか。
たった一人、夜の病室の冷たいベッドの上で、自分の運命と向き合いながら、震える手でこの願いを、この祈りを書き記したのか。
その光景が、僕の脳裏にあまりにも鮮明に、残酷なまでに浮かび上がった。
『⑧ みんなに忘れられないでいたい』
その悲痛な、心からの叫びが、僕の心の最後の壁を、完全に打ち砕いた。
ああ、そうか。
彼女は、いなくなってしまうことそのものよりも、誰からも忘れられてしまうことを何よりも、何よりも恐れていたんだ。
彼女の笑顔の裏側に隠されていた、深い、深い、孤独の闇。そして、自分の死をはっきりと自覚していた者の、あまりにも切実な願い。
この、彼女の必死の訴えを前にして、僕は今日の校庭で、一体何ができたというのだろう。指一本動かせなかった、この僕に。
無力感。後悔。そして、どうしようもない自分自身への怒り。
それら全てが、熱い涙となって、僕の瞳から流れ出した。
ぽたぽたと、僕の涙がノートの上に落ちる。彼女が、命を懸けて書き記したその大切な言葉を、僕のこの無力な涙が、無残に滲ませていく。
ごめん。ごめん。ごめん。
僕は子供のように、声を殺してただ泣いた。
どれくらいそうしていただろうか。
涙が枯れ果てたその先で。
絶望という名の冷たい海の底で、僕は一つの光を見つけた。
僕に何ができるのか。無力なくせに。言葉しか持たないくせに。
――違う。
――違うだろ、神谷春樹。
僕は、無力かもしれない。でも、言葉だけは持っている。そしてその、僕がずっと隠してきた言葉の力を、世界でたった一人見つけ出し、信じ、肯定してくれたのは誰だ。
天野七海、その人じゃなかったのか。
彼女は、この最後の願いを僕に残してくれたんだ。僕の言葉の力を信じて、魂のバトンを託してくれたんだ。
袖で自分の顔を、乱暴にごしごしと拭った。
そして顔を上げる。
その瞳に、もう先ほどまでの、絶望に濡れた迷いはなかった。
悲しみは消えていない。怒りも、後悔も、まだ胸の中で渦巻いている。
だが、僕は決めた。
この全ての黒い感情を燃料にして、僕は立ち上がる。立ち上がらなければ、七海と話す資格なんかない。
僕は七海のお楽しみノートをそっと閉じると、鞄の中から、誰にも見せたことのなかった詩のノートを取り出した。
それは、図書室で七海が、温かい指先で優しく触れてくれた特別なノート。
詩を書いていたページではない、新しい、まだ何も書かれていない真っ白なページを開いた。
これは、過去の臆病だった自分との決別だ。
そして、新しい自分に生まれ変わるための、始まりの儀式だ。
七海のお楽しみノートを、自分のノートの隣にそっと置く。
ペンを祈るように、強く握りしめた。
もう迷わない。
もう逃げない。
――僕が、叶えるから。
七海。君が叶えられなかった、リストの全てを。
夏祭りで、君の代わりに僕が金魚をすくおう。
君が見たかった花火を、僕がこの目で見届けよう。
そして、君がここに確かに生きていたという証を遺そう。
君が見た空を泳ぐ金魚のことを。君が好きだと言った風の匂いのことを。君と過ごした時間、君が過ごした時間。
その全てが、ただ消えてなくなってしまうなんて、僕が絶対に許さない。
僕が、僕の言葉で、全てを物語にする。
君という、たった一人のかけがえのない少女が、この世界に確かに存在したのだという永遠に消えない物語を、僕が紡いでみせる。
それが僕に表現できる、たった一つの君への想いだ。
誓いを立てた。
開け放たれた教室の窓から、優しい夕方の風が、さあっと吹き込んできた。
その風は、僕の涙の跡が残る頬を、慰めるようにそっと撫でていった。
僕の目の前にある二冊のノートのページを、僕の決意を祝福し、七海の魂が「よろしくね」と、そっと囁いているかのように、ぱらぱらぱらと優しくめくっていった。
風は、僕のノートの真っ白なページを、「さあ、ここから始めなさい」とでも言うかのように、ゆっくりと開いてみせた。
僕たちの、あまりにも短く、そしてあまりにも濃密な最後の夏が、今、本当の意味で始まろうとしていた。
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