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第13話 風鈴の音色
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僕たちの夏は、真夜中のピクニックを境に、再び輝きを取り戻したかのように見えた。
七海の容態は奇跡的に少しだけ安定し、面会謝絶のプレートが外された。夏休みが始まり、僕と柚希は、友達の家にでも通うかのように、毎日彼女の病室を訪れた。僕たちにとって夏休みとは、七海と過ごすための特別な時間そのものだった。
町は来るべき夏祭りへの期待で、日に日にその熱を上げていた。商店街には色とりどりの七夕飾りが風に揺れ、スーパーでは繰り返し、夏祭りの特売セールを告げる陽気な音楽が鳴り響いている。その活気に満ちた、浮き足立った町の空気を、僕たちは土産話として、七海の病室へと運び込んだ。
ある日の午後、僕と柚希が病室のドアを開けると、チリンと涼やかで、遠い記憶を呼び覚ますようなガラスの音が僕たちを迎えた。
見ると、開け放たれた窓辺に、透明なガラスでできた小さな江戸風鈴が、夏の風を受けて心地よく揺れている。風鈴の下に吊るされた短冊には、子供らしい少しだけ拙いタッチで、赤い尾びれをひらめかせる一匹の金魚の絵が、楽しそうに描かれていた。
「わあ、風鈴だ!」
「あっ、柚希ちゃん! 見て、きれいでしょ」
ベッドの上で上半身を起こした七海が、嬉しそうに笑った。
「昨日、看護師さんが持ってきてくれたの。この短冊の金魚は私が描いたんだよ。これがあれば、ここにいても、なんだか夏祭りの音がちゃんと聞こえてくるような気がして」
その言葉に、僕の胸が少し痛んだ。彼女は、この四角く切り取られた窓から、僕たちと同じ夏を必死に、必死にその五感の全てで感じようとしているのだ。
「夏祭りといえば! じゃじゃーん!」
柚希がまるで手品師のように、自分のカバンから一冊の分厚いファッション雑誌を取り出した。ティーン向けのきらびやかなモデルたちが、僕には到底理解できないポーズで、微笑んで表紙を飾っている。
「今年の、浴衣の最新最強カタログだよ! これ見て、七海ちゃんが着る世界で一番可愛いやつ決めよう!」
柚希はベッドの横に椅子を引き寄せると、目を爛々と輝かせながらページをめくり始めた。
「うわ、この朝顔の柄超可愛い! 白地に青とか、絶対七海ちゃんに似合うって!」
「こっちの、水玉のも涼しげでいいな……。ラムネみたい」
七海も、その色とりどりの幸福しかない世界に吸い寄せられるように、身を乗り出している。その瞳は、今まで見た中で一番、普通の、小学五年生の女の子の瞳をしていた。病気の影など、どこにもない。
淡いピンク色の生地に金魚が舞う柄。深い藍色に大輪の菊が咲き誇る、少しだけ大人びた柄。白地に涼しげな撫子の花が描かれた、清楚な柄。
ページをめくるたびに、三人の間では、ああでもないこうでもないと、他愛もない、しかし、最高に幸福な真剣な議論が繰り広げられた。
「ハルは、どんなのがいいと思う?」
不意に、柚希が僕に話を振った。僕はどきりとして、しどろもどろにページの一隅を指さした。
「え……? あ、ええと……この、白地に、赤と金の金魚のやつとか……楽しそうに泳いでるのが、七海に合ってて、綺麗だと思う」
そのページに写る七海を、僕は本気で想像してしまっていた。その姿は、きっとこの世のものとは思えないほど美しいだろう。
「へえ、あんた意外と渋い趣味してんじゃん。でも、わかる。七海ちゃん、絶対似合う! これに決定!」
僕たちは、その日が本当に、必ず、僕たちの未来のページに書き込まれているかのように、無邪気に心の底から笑い合った。
七海が、お楽しみノートのあるページを指さす。
『⑩ 浴衣を着て、三人で花火を見る』
「これね、新しく書き足したの! 二人と仲良くなってから、私のお楽しみノートがどんどんすごいことになっていっちゃうの」
その文字を、柚希はまるで自分のことのように、力強く、そして、どこか祈るように指でなぞった。
「絶対、行こうね。三人で。あたしが七海ちゃんに、この雑誌のモデルさんより百倍可愛く、浴衣着付けてあげるから。約束だからね」
あまりにも力強い約束の言葉に、七海は、零れそうなぐらい目に涙を溜め、嬉しそうな顔で何度も、何度も深く頷いた。
その帰り道だった。
僕と柚希は、まだ幸福な興奮の余韻の中にいた。廊下を歩きながらも、「やっぱり、髪飾りはかんざしがいいかな」「ハルは甚平でも着れば? 絶対似合わないけど!」なんていう、輝かしい未来の話をしていた。
その僕たちの背後から、静かに声がかけられた。
「――神谷くん、月村さん。少し、いいかな」
振り返ると、そこには七海の担当医である、武田という名札をつけた初老の男性医師が、優しい目で静かに立っていた。
僕たちは、廊下の隅にある面会用のソファに並んで座らされた。武田医師は、僕たちの前に立ち、言葉を一つひとつ慎重に、選ぶように、ゆっくりと話し始めた。
「七海ちゃん、君たちが毎日来てくれるから、本当に喜んでいるよ。心からありがとう」
あまりにも丁寧な感謝の言葉が、逆に、これから告げられる言葉の重さを僕たちに予感させた。
「ただ……一つだけ、お願いがあるんだ」
武田医師は、僕たちの目をまっすぐに見て言った。
「七海ちゃんに、あまり無理な期待はさせないでやってほしい」
「え……?」
柚希が、信じられないという声を上げた。
「夏祭りのこと、彼女がどれほど楽しみにしているか、我々も痛いほどわかっている。我々スタッフも、何とか彼女を連れて行ってあげたいと心から思っているんだ。……でも、今の彼女の心臓の状態を考えると、大勢の人がいる場所の、あの熱気と興奮は……」
武田医師は、そこで一度言葉を切り、辛そうに目を伏せた。そして、僕たちに残酷な真実を告げる。
「……今年の夏祭りは……正直に言うと、極めて難しいかもしれない」
その言葉は何の比喩でもなく、僕たちの幸福感でふわふわと浮かんでいた心を、巨大な冷たい鉄のハンマーで、真正面から粉々に打ち砕いた。
僕と柚希は完全に言葉を失った。
さっきまで、あれほどきらきらと未来の希望に満ちて輝いて見えた浴衣の雑誌が、今では鉛のようにただの重い、紙の塊にしか見えなかった。
僕たちは、どうやって病院を出たのか全く覚えていない。
気づいた時には、病院の前にあるバス停のベンチに、亡霊のように並んで座っていた。
夏の生温かいまとわりつくような風が、僕たちの間を気まずそうに吹き抜けていく。
その時だった。
ぽつりと、鼻先に冷たいものが落ちてきた。
見上げると、さっきまであんなに憎らしいほど晴れ渡っていたはずの青空が、いつの間にか分厚い暗雲に覆い尽くされている。
ぽつ、ぽつと、大粒の雨がアスファルトの地面に、黒い絶望の染みを作り始めた。
そして次の瞬間、空が僕たちの無力な悲しみに共鳴し、そして激怒したかのように、ざああっと、バケツをひっくり返したような激しい夕立が、僕たちを容赦なく襲った。
逃げることもせず、僕たちはただその場に座ったまま、あっという間にずぶ濡れになっていった。
やがて、柚希が雷鳴にも負けないくらい、大きな声で天に向かって叫んだ。
「……あきらめない!」
彼女は、びしょ濡れになった髪が顔に張り付くのも構わずに、固く、血が滲むほど拳を握りしめていた。
「あたしは、絶対、あきらめない! ……絶対、連れていく。医者がダメって言うなら、神様にお願いする。どんな手を使っても、あたしが七海ちゃんを夏祭りに連れていくんだから!」
その声は、悲痛であまりにも無力な、この理不尽な世界に対する、たった一人の孤独な宣戦布告だった。
僕は、そんな彼女の横で何も言えなかった。今はただ、告げられた現実に打ちのめされることしかできなかった。
冷たい雨に打たれながら、唇を強く、血の味がするまで噛みしめることしかできなかった。
その頃、病室で一人。
七海は、窓ガラスを狂ったように流れ落ちていく雨の筋を、ただ、ぼんやりと眺めていた。
突然、激しい風が病室に吹き込んだ。
窓辺で、彼女のかけがえのない希望の象徴であるガラスの風鈴が、その風を受けてたった一度だけチリンと、あまりにも、澄んだ、そして、あまりにも寂しげな音を立てた。
それは、彼女のたった一つの小さな涙の粒が、地面に落ちて砕け散った音のようだった。
七海の容態は奇跡的に少しだけ安定し、面会謝絶のプレートが外された。夏休みが始まり、僕と柚希は、友達の家にでも通うかのように、毎日彼女の病室を訪れた。僕たちにとって夏休みとは、七海と過ごすための特別な時間そのものだった。
町は来るべき夏祭りへの期待で、日に日にその熱を上げていた。商店街には色とりどりの七夕飾りが風に揺れ、スーパーでは繰り返し、夏祭りの特売セールを告げる陽気な音楽が鳴り響いている。その活気に満ちた、浮き足立った町の空気を、僕たちは土産話として、七海の病室へと運び込んだ。
ある日の午後、僕と柚希が病室のドアを開けると、チリンと涼やかで、遠い記憶を呼び覚ますようなガラスの音が僕たちを迎えた。
見ると、開け放たれた窓辺に、透明なガラスでできた小さな江戸風鈴が、夏の風を受けて心地よく揺れている。風鈴の下に吊るされた短冊には、子供らしい少しだけ拙いタッチで、赤い尾びれをひらめかせる一匹の金魚の絵が、楽しそうに描かれていた。
「わあ、風鈴だ!」
「あっ、柚希ちゃん! 見て、きれいでしょ」
ベッドの上で上半身を起こした七海が、嬉しそうに笑った。
「昨日、看護師さんが持ってきてくれたの。この短冊の金魚は私が描いたんだよ。これがあれば、ここにいても、なんだか夏祭りの音がちゃんと聞こえてくるような気がして」
その言葉に、僕の胸が少し痛んだ。彼女は、この四角く切り取られた窓から、僕たちと同じ夏を必死に、必死にその五感の全てで感じようとしているのだ。
「夏祭りといえば! じゃじゃーん!」
柚希がまるで手品師のように、自分のカバンから一冊の分厚いファッション雑誌を取り出した。ティーン向けのきらびやかなモデルたちが、僕には到底理解できないポーズで、微笑んで表紙を飾っている。
「今年の、浴衣の最新最強カタログだよ! これ見て、七海ちゃんが着る世界で一番可愛いやつ決めよう!」
柚希はベッドの横に椅子を引き寄せると、目を爛々と輝かせながらページをめくり始めた。
「うわ、この朝顔の柄超可愛い! 白地に青とか、絶対七海ちゃんに似合うって!」
「こっちの、水玉のも涼しげでいいな……。ラムネみたい」
七海も、その色とりどりの幸福しかない世界に吸い寄せられるように、身を乗り出している。その瞳は、今まで見た中で一番、普通の、小学五年生の女の子の瞳をしていた。病気の影など、どこにもない。
淡いピンク色の生地に金魚が舞う柄。深い藍色に大輪の菊が咲き誇る、少しだけ大人びた柄。白地に涼しげな撫子の花が描かれた、清楚な柄。
ページをめくるたびに、三人の間では、ああでもないこうでもないと、他愛もない、しかし、最高に幸福な真剣な議論が繰り広げられた。
「ハルは、どんなのがいいと思う?」
不意に、柚希が僕に話を振った。僕はどきりとして、しどろもどろにページの一隅を指さした。
「え……? あ、ええと……この、白地に、赤と金の金魚のやつとか……楽しそうに泳いでるのが、七海に合ってて、綺麗だと思う」
そのページに写る七海を、僕は本気で想像してしまっていた。その姿は、きっとこの世のものとは思えないほど美しいだろう。
「へえ、あんた意外と渋い趣味してんじゃん。でも、わかる。七海ちゃん、絶対似合う! これに決定!」
僕たちは、その日が本当に、必ず、僕たちの未来のページに書き込まれているかのように、無邪気に心の底から笑い合った。
七海が、お楽しみノートのあるページを指さす。
『⑩ 浴衣を着て、三人で花火を見る』
「これね、新しく書き足したの! 二人と仲良くなってから、私のお楽しみノートがどんどんすごいことになっていっちゃうの」
その文字を、柚希はまるで自分のことのように、力強く、そして、どこか祈るように指でなぞった。
「絶対、行こうね。三人で。あたしが七海ちゃんに、この雑誌のモデルさんより百倍可愛く、浴衣着付けてあげるから。約束だからね」
あまりにも力強い約束の言葉に、七海は、零れそうなぐらい目に涙を溜め、嬉しそうな顔で何度も、何度も深く頷いた。
その帰り道だった。
僕と柚希は、まだ幸福な興奮の余韻の中にいた。廊下を歩きながらも、「やっぱり、髪飾りはかんざしがいいかな」「ハルは甚平でも着れば? 絶対似合わないけど!」なんていう、輝かしい未来の話をしていた。
その僕たちの背後から、静かに声がかけられた。
「――神谷くん、月村さん。少し、いいかな」
振り返ると、そこには七海の担当医である、武田という名札をつけた初老の男性医師が、優しい目で静かに立っていた。
僕たちは、廊下の隅にある面会用のソファに並んで座らされた。武田医師は、僕たちの前に立ち、言葉を一つひとつ慎重に、選ぶように、ゆっくりと話し始めた。
「七海ちゃん、君たちが毎日来てくれるから、本当に喜んでいるよ。心からありがとう」
あまりにも丁寧な感謝の言葉が、逆に、これから告げられる言葉の重さを僕たちに予感させた。
「ただ……一つだけ、お願いがあるんだ」
武田医師は、僕たちの目をまっすぐに見て言った。
「七海ちゃんに、あまり無理な期待はさせないでやってほしい」
「え……?」
柚希が、信じられないという声を上げた。
「夏祭りのこと、彼女がどれほど楽しみにしているか、我々も痛いほどわかっている。我々スタッフも、何とか彼女を連れて行ってあげたいと心から思っているんだ。……でも、今の彼女の心臓の状態を考えると、大勢の人がいる場所の、あの熱気と興奮は……」
武田医師は、そこで一度言葉を切り、辛そうに目を伏せた。そして、僕たちに残酷な真実を告げる。
「……今年の夏祭りは……正直に言うと、極めて難しいかもしれない」
その言葉は何の比喩でもなく、僕たちの幸福感でふわふわと浮かんでいた心を、巨大な冷たい鉄のハンマーで、真正面から粉々に打ち砕いた。
僕と柚希は完全に言葉を失った。
さっきまで、あれほどきらきらと未来の希望に満ちて輝いて見えた浴衣の雑誌が、今では鉛のようにただの重い、紙の塊にしか見えなかった。
僕たちは、どうやって病院を出たのか全く覚えていない。
気づいた時には、病院の前にあるバス停のベンチに、亡霊のように並んで座っていた。
夏の生温かいまとわりつくような風が、僕たちの間を気まずそうに吹き抜けていく。
その時だった。
ぽつりと、鼻先に冷たいものが落ちてきた。
見上げると、さっきまであんなに憎らしいほど晴れ渡っていたはずの青空が、いつの間にか分厚い暗雲に覆い尽くされている。
ぽつ、ぽつと、大粒の雨がアスファルトの地面に、黒い絶望の染みを作り始めた。
そして次の瞬間、空が僕たちの無力な悲しみに共鳴し、そして激怒したかのように、ざああっと、バケツをひっくり返したような激しい夕立が、僕たちを容赦なく襲った。
逃げることもせず、僕たちはただその場に座ったまま、あっという間にずぶ濡れになっていった。
やがて、柚希が雷鳴にも負けないくらい、大きな声で天に向かって叫んだ。
「……あきらめない!」
彼女は、びしょ濡れになった髪が顔に張り付くのも構わずに、固く、血が滲むほど拳を握りしめていた。
「あたしは、絶対、あきらめない! ……絶対、連れていく。医者がダメって言うなら、神様にお願いする。どんな手を使っても、あたしが七海ちゃんを夏祭りに連れていくんだから!」
その声は、悲痛であまりにも無力な、この理不尽な世界に対する、たった一人の孤独な宣戦布告だった。
僕は、そんな彼女の横で何も言えなかった。今はただ、告げられた現実に打ちのめされることしかできなかった。
冷たい雨に打たれながら、唇を強く、血の味がするまで噛みしめることしかできなかった。
その頃、病室で一人。
七海は、窓ガラスを狂ったように流れ落ちていく雨の筋を、ただ、ぼんやりと眺めていた。
突然、激しい風が病室に吹き込んだ。
窓辺で、彼女のかけがえのない希望の象徴であるガラスの風鈴が、その風を受けてたった一度だけチリンと、あまりにも、澄んだ、そして、あまりにも寂しげな音を立てた。
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