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第32話 春樹の言葉
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春が来た。
僕たちの、小学校生活最後の日。
そう。卒業式の日がやってきたのだ。
体育館の高い窓から、春の柔らかな光が差し込んでいる。床に塗られたワックスの匂いと、誰かが胸につけた、花の甘い香りが混じり合っている。
陽光が、壇上に立つ僕の足元を、スポットライトのように照らし出していた。
僕は、卒業生代表として、その場所に立っていた。
眼下には在校生、そして、保護者たちのたくさんの顔。
卒業生席の横に目をやると、六年間、僕たちを見守ってくれた先生たちの姿が見える。村井先生が、僕に優しい、信頼に満ちた眼差しを向けてくれている。
僕は、卒業生席に目をやった。
クラスメイトたちの緊張した、でも、どこか誇らしげな顔。
一番端の席に座っている柚希の、力強いまっすぐな視線が、僕の心を貫いた。彼女は僕の視線に気付いたのか、口元で小さく、しかし、はっきりと、「行け、ハル」と言った。
そして、僕は彼女の、その視線の先に、一つの空席を見た。
そこにいるはずだった、僕たちのもう一人の仲間。
七海の空っぽの席。
でも、僕たちににとっては、その席は空っぽなものに見えなかった。
彼女は、そこにいる。
今もあの笑顔で、微笑みながら僕たちを見守ってくれている。
僕の、胸の中に、僕がこれから語る物語の中に、彼女の姿があるのだから。
僕は、演台の上で、先生方が用意してくれた答辞の原稿を、ポケットから取り出した。
そこには、美しい時候の挨拶と、当たり障りのない、運動会や、修学旅行の思い出と、未来への希望が書かれていた。
確かに、間違ってはいないんだ。僕たちは六年間の中でそれらの学校生活を経験し、未来への希望を持って進んで行く。でも、そ子に書かれている文章は、誰のものでもない。ただ、言葉が羅列されている、空っぽなものだった。
僕はその原稿を、ゆっくりと丁寧に二つに折り畳むと、制服の胸のポケットにそっとしまった。
体育館が、少しだけざわめいた。
先生たちの、困惑したような視線を感じる。
でも、僕には何の迷いもなかった。きっと、僕を見つめている柚希も、してやったりという顔をしているのだろう。
マイクに、一歩近づく。
そして、深く息を吸った。
僕の、本当の言葉を紡ぐために。
「卒業生の皆さん。在校生の皆さん。先生方。そして、お父さん、お母さん。……本日は、僕たちのために、このような素晴らしい式を開いていただき、本当にありがとうございます」
僕は一度言葉を切り、そして続けた。
「卒業というこの日に、僕たちは、たくさんの思い出を振り返ります。楽しかったこと、辛かったこと。六年間という、長い、本当に長い時間。でも、僕たち卒業生にとって、どうしても忘れられない、一つの季節があります。それは、去年の夏です」
その一言で、体育館の全ての空気が変わった。
全ての視線が、全ての意識が、僕の次の一言に集中するのが分かった。
「僕たちには、この卒業式に一緒に出るはずだった、もう一人の大切な仲間がいました」
僕は、七海の空席を見つめた。
「彼女はとても明るくて、とても強くて、そして、誰よりも生きるということに貪欲な女の子でした。彼女は僕たちに、たくさんの、たくさんの大切なことを教えてくれました」
僕は、ゆっくりと会場を見渡した。
「彼女は、僕たちに教えてくれました。命の価値というものは、その長さで決まるんじゃないと。どれだけ生きたか……そんなものでは、僕たちの価値は決まらないと。その、一瞬、一瞬を、どれだけ深く、どれだけ必死に生きたかで決まるんだと」
僕は思い出す。
屋上の、彼女の笑顔を。
夏祭りの夜の、彼女の最後の言葉を。
「彼女は、僕たちに教えてくれました。ただの、空に浮かぶ雲の中に、『空を泳ぐ金魚』という壮大な物語を見つける。その、豊かな想像力を。道端に咲く小さな花の中に宇宙の神秘を感じる、その、優しい心を。彼女がいたから、僕たちのありふれた日常は、宝物のように輝いていました」
僕は、胸のポケットから、七海の物語の最後のページをコピーしたものを取り出した。
「僕は、この六年間、言葉というものがずっと苦手で、嫌いでした。自分の言葉が、人を傷つけるのが、怖かったからです。でも、彼女と、そして、僕のもう一人の、最高の親友のおかげで、僕は言葉の、本当の力を知ることができました。言葉は、人を傷つけるためじゃなく、誰かの大切な記憶や、想いを、未来へと繋いでいくためにあるんだと知ることができたんです。」
僕は、その一枚の紙を、両手で大切に広げた。
「これから僕が読むのは、僕が書いた、僕たちが過ごしてきた夏の物語の最後の一節です。これは僕が書いたものだと言いましたが、僕の言葉ではありません。僕たちに、彼女が遺してくれた、光の言葉です」
僕は、目を閉じた。
そして、静かに朗読を始めた。
僕の声は、きっと、今までで一番凜としていだろう。
そう、僕は語り部だったから。
「一秒の長さを、誰が決めるの?
一分の重さを、誰が計るの?
命の価値は、時計の針じゃない。
ある夏。
ある一瞬。
僕たちは、永遠の時間を生きていた。
お日様の匂いがする、図書室の午後の光。
いびつな形をしたおにぎりの、しょっぱい、しょっぱい涙の味。
屋上のフェンスの向こうに広がっていた、青い空の海。
そして、夜空を泳いでいった、たくさんの光の金魚たち。
消えて、なくなったりしない。
だって僕たちが、覚えているから。
君が笑ったその一秒。
君が生きていたその一瞬。
その輝きは、僕たちの心の中で永遠に生き続ける。
だから、これはさよならの詩じゃない。
これは、始まりの詩。
君が教えてくれた、光の物語の始まりの詩だ」
僕が、最後の一言を言い終えた時、体育館は、水を打ったように静まり返っていた。
誰も、一言も発しない。
その、神聖な静寂の中で、ひっく、ひっくと、誰かが嗚咽を漏らす声が聞こえ始めた。
それは、一人二人ではなかった。
あちこちから、鼻をすする音がする。いつもは、強がっているクラスの男の子たちが、必死に、涙を堪えているのが見えた。見知らぬ、保護者のお母さんたちが、そっとハンカチで目頭を押さえている。
秋の日の教室に満ちていた、どうしようもない重苦しい悲しみは、この空間には存在しなかった。
一つの美しく、そして、気高い生き方を、この場所にいる全員が共有した。そんな、温かい、感動の涙だった。
僕は、目を開けた。
柚希が、顔をぐしゃぐしゃにして泣いていた。
でも、その顔は、誇らしげな笑顔だった。
僕は、演台の向こうにいる全ての人たちに向かって、そして、この体育館の、どこか一番空に近い場所で僕たちを見守ってくれている彼女に向かって、深々と頭を下げた。
その、静寂を破ったのは、一人の拍手だった。
柚希だった。
彼女が立ち上がって、力一杯、僕に拍手を送ってくれていた。
その拍手が、波のように広がっていく。
一人、また一人と立ち上がり、僕に、そして、僕たちが語った七海の物語に、温かい拍手を送ってくれた。
やがて、その拍手は、体育館全体を包み込む、大きなうねりとなった。
それは、僕たちの卒業を祝う、そして、僕たちの短いけれど、永遠に残る夏を祝福する、優しい音に聴こえた。
温かい、浄化の雨のような拍手の中で、僕の心の奥底にずっとこびりついていた黒い澱が、すうっと、洗い流されていくのを感じた。
僕は、彼女の生きる希望を奪ってしまったわけじゃなかったんだ。
僕は、彼女の物語を形にし、広げることができた。彼女を永遠に刻み付けることができたんだ。
鳴り止まない拍手の中で、ただ静かに、僕たちの物語の始まりを思い出していた。
僕たちの、小学校生活最後の日。
そう。卒業式の日がやってきたのだ。
体育館の高い窓から、春の柔らかな光が差し込んでいる。床に塗られたワックスの匂いと、誰かが胸につけた、花の甘い香りが混じり合っている。
陽光が、壇上に立つ僕の足元を、スポットライトのように照らし出していた。
僕は、卒業生代表として、その場所に立っていた。
眼下には在校生、そして、保護者たちのたくさんの顔。
卒業生席の横に目をやると、六年間、僕たちを見守ってくれた先生たちの姿が見える。村井先生が、僕に優しい、信頼に満ちた眼差しを向けてくれている。
僕は、卒業生席に目をやった。
クラスメイトたちの緊張した、でも、どこか誇らしげな顔。
一番端の席に座っている柚希の、力強いまっすぐな視線が、僕の心を貫いた。彼女は僕の視線に気付いたのか、口元で小さく、しかし、はっきりと、「行け、ハル」と言った。
そして、僕は彼女の、その視線の先に、一つの空席を見た。
そこにいるはずだった、僕たちのもう一人の仲間。
七海の空っぽの席。
でも、僕たちににとっては、その席は空っぽなものに見えなかった。
彼女は、そこにいる。
今もあの笑顔で、微笑みながら僕たちを見守ってくれている。
僕の、胸の中に、僕がこれから語る物語の中に、彼女の姿があるのだから。
僕は、演台の上で、先生方が用意してくれた答辞の原稿を、ポケットから取り出した。
そこには、美しい時候の挨拶と、当たり障りのない、運動会や、修学旅行の思い出と、未来への希望が書かれていた。
確かに、間違ってはいないんだ。僕たちは六年間の中でそれらの学校生活を経験し、未来への希望を持って進んで行く。でも、そ子に書かれている文章は、誰のものでもない。ただ、言葉が羅列されている、空っぽなものだった。
僕はその原稿を、ゆっくりと丁寧に二つに折り畳むと、制服の胸のポケットにそっとしまった。
体育館が、少しだけざわめいた。
先生たちの、困惑したような視線を感じる。
でも、僕には何の迷いもなかった。きっと、僕を見つめている柚希も、してやったりという顔をしているのだろう。
マイクに、一歩近づく。
そして、深く息を吸った。
僕の、本当の言葉を紡ぐために。
「卒業生の皆さん。在校生の皆さん。先生方。そして、お父さん、お母さん。……本日は、僕たちのために、このような素晴らしい式を開いていただき、本当にありがとうございます」
僕は一度言葉を切り、そして続けた。
「卒業というこの日に、僕たちは、たくさんの思い出を振り返ります。楽しかったこと、辛かったこと。六年間という、長い、本当に長い時間。でも、僕たち卒業生にとって、どうしても忘れられない、一つの季節があります。それは、去年の夏です」
その一言で、体育館の全ての空気が変わった。
全ての視線が、全ての意識が、僕の次の一言に集中するのが分かった。
「僕たちには、この卒業式に一緒に出るはずだった、もう一人の大切な仲間がいました」
僕は、七海の空席を見つめた。
「彼女はとても明るくて、とても強くて、そして、誰よりも生きるということに貪欲な女の子でした。彼女は僕たちに、たくさんの、たくさんの大切なことを教えてくれました」
僕は、ゆっくりと会場を見渡した。
「彼女は、僕たちに教えてくれました。命の価値というものは、その長さで決まるんじゃないと。どれだけ生きたか……そんなものでは、僕たちの価値は決まらないと。その、一瞬、一瞬を、どれだけ深く、どれだけ必死に生きたかで決まるんだと」
僕は思い出す。
屋上の、彼女の笑顔を。
夏祭りの夜の、彼女の最後の言葉を。
「彼女は、僕たちに教えてくれました。ただの、空に浮かぶ雲の中に、『空を泳ぐ金魚』という壮大な物語を見つける。その、豊かな想像力を。道端に咲く小さな花の中に宇宙の神秘を感じる、その、優しい心を。彼女がいたから、僕たちのありふれた日常は、宝物のように輝いていました」
僕は、胸のポケットから、七海の物語の最後のページをコピーしたものを取り出した。
「僕は、この六年間、言葉というものがずっと苦手で、嫌いでした。自分の言葉が、人を傷つけるのが、怖かったからです。でも、彼女と、そして、僕のもう一人の、最高の親友のおかげで、僕は言葉の、本当の力を知ることができました。言葉は、人を傷つけるためじゃなく、誰かの大切な記憶や、想いを、未来へと繋いでいくためにあるんだと知ることができたんです。」
僕は、その一枚の紙を、両手で大切に広げた。
「これから僕が読むのは、僕が書いた、僕たちが過ごしてきた夏の物語の最後の一節です。これは僕が書いたものだと言いましたが、僕の言葉ではありません。僕たちに、彼女が遺してくれた、光の言葉です」
僕は、目を閉じた。
そして、静かに朗読を始めた。
僕の声は、きっと、今までで一番凜としていだろう。
そう、僕は語り部だったから。
「一秒の長さを、誰が決めるの?
一分の重さを、誰が計るの?
命の価値は、時計の針じゃない。
ある夏。
ある一瞬。
僕たちは、永遠の時間を生きていた。
お日様の匂いがする、図書室の午後の光。
いびつな形をしたおにぎりの、しょっぱい、しょっぱい涙の味。
屋上のフェンスの向こうに広がっていた、青い空の海。
そして、夜空を泳いでいった、たくさんの光の金魚たち。
消えて、なくなったりしない。
だって僕たちが、覚えているから。
君が笑ったその一秒。
君が生きていたその一瞬。
その輝きは、僕たちの心の中で永遠に生き続ける。
だから、これはさよならの詩じゃない。
これは、始まりの詩。
君が教えてくれた、光の物語の始まりの詩だ」
僕が、最後の一言を言い終えた時、体育館は、水を打ったように静まり返っていた。
誰も、一言も発しない。
その、神聖な静寂の中で、ひっく、ひっくと、誰かが嗚咽を漏らす声が聞こえ始めた。
それは、一人二人ではなかった。
あちこちから、鼻をすする音がする。いつもは、強がっているクラスの男の子たちが、必死に、涙を堪えているのが見えた。見知らぬ、保護者のお母さんたちが、そっとハンカチで目頭を押さえている。
秋の日の教室に満ちていた、どうしようもない重苦しい悲しみは、この空間には存在しなかった。
一つの美しく、そして、気高い生き方を、この場所にいる全員が共有した。そんな、温かい、感動の涙だった。
僕は、目を開けた。
柚希が、顔をぐしゃぐしゃにして泣いていた。
でも、その顔は、誇らしげな笑顔だった。
僕は、演台の向こうにいる全ての人たちに向かって、そして、この体育館の、どこか一番空に近い場所で僕たちを見守ってくれている彼女に向かって、深々と頭を下げた。
その、静寂を破ったのは、一人の拍手だった。
柚希だった。
彼女が立ち上がって、力一杯、僕に拍手を送ってくれていた。
その拍手が、波のように広がっていく。
一人、また一人と立ち上がり、僕に、そして、僕たちが語った七海の物語に、温かい拍手を送ってくれた。
やがて、その拍手は、体育館全体を包み込む、大きなうねりとなった。
それは、僕たちの卒業を祝う、そして、僕たちの短いけれど、永遠に残る夏を祝福する、優しい音に聴こえた。
温かい、浄化の雨のような拍手の中で、僕の心の奥底にずっとこびりついていた黒い澱が、すうっと、洗い流されていくのを感じた。
僕は、彼女の生きる希望を奪ってしまったわけじゃなかったんだ。
僕は、彼女の物語を形にし、広げることができた。彼女を永遠に刻み付けることができたんだ。
鳴り止まない拍手の中で、ただ静かに、僕たちの物語の始まりを思い出していた。
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