14 / 136
第一部 二章
第十三話 全開ミーミル
しおりを挟む
「それでは夕食まで、この部屋でおくつろぎ下さい」
謁見を終えた二人は、メイドに連れられ、客室へと通されていた。
客室は高校の教室を二つ分、融合させたくらいの広さだった。
中の装飾品や調度品は、アンティーク・小物類に詳しくない二人でも、明らかな高級品である事が見てとれる。
だが二人はそんな事はどうでも良かった。
「メイド……」
「メイド……」
メイド喫茶にいるようなコスプレファッションメイドではない。
職業としての、本物メイドだ。
恐らく日本で一般人が目にかかる事は無い存在。
「何かご入り用でしたら、そちらの結線石をお使い下さい」
「メイド……」
「……何かございますか?」
「握手して下さい」
とりあえずアヤメが最初に思いついたのはそれだった。
「は、はぁ」
メイドさんは困惑しながらアヤメの手を握る。
その手は少しざらついていて、家事を本職とする仕事人の手であると感じさせる。
やはり本物のメイドだ。
アヤメは満足そうに、はふぅーとため息をついた。
「携帯ないから写真も撮れない」
ミーミルは悔しそうだった。
メイドさんは地味な外見ではあったが、着飾れば間違いなく美人の女性だった。
深緑のような長くまとめられた緑の髪と、琥珀色の瞳にはどことなく気品が漂っていた。
しっかりと様々な作法を習得しているのであろう。
その気品ある美しさは撮った画像からでも必ず伝わる、そう思わせる程であった。
今この手にスマホが無いのがとても辛い。
「他に何かありましたら、出来る限りご要望にお応えさせて頂きます」
「出来る限り!」
ミーミルは目を輝かせると、アヤメに耳打ちする。
「なあ、どこまで行けると思う? 夜伽を命じるで通じると思うか? とりあえずおっぱいくらい揉ませて貰えるよな?」
「この猫下衆いよぉ」
「何言ってんだ! お前それでも男かよ! メイドは男のロマンだろ! 男の要望に何でも答えてくれそうな従順で、それでいて優しく接してくれる、夢の」
「もう男じゃない」
ミーミルは静かになった。
輝いていた目は、一瞬で泥のように深く濁っている。
立ったまま死んだようだ。
「あの?」
メイドさんが不思議そうな顔をして、こちらを見ている。
「大丈夫です。特に問題ありません」
「かしこまりました。それでは失礼致します」
メイドさんはそう言い残すと、部屋から出て行った。
「しまった。名前きくの忘れてたなぁ」
アヤメは失敗したと思いながら、部屋を改めて見渡す。
とても豪華な部屋だった。
ここはリビングらしく、さらに部屋の奥には三つの扉があった。
奥にある窓際の扉に近づき、ゆっくりと開いて中を覗く。
奥は寝室だった。
自分の部屋のベッドを三倍くらいにした大きさのベッドが置いてある。
さらに真ん中の扉を開く。
中には空の風呂がある――恐らく浴室だろう。
これも自分の家の風呂の三倍くらいの大きさがある。
最後の扉を開くと、そこはトイレだった。
さすがに便器は三倍の大きさ――という訳ではないが、部屋の広さは三倍くらいある。
便器が小さく感じて、所在なさげに感じるほどであった。
こうやって部屋の中を色々と調べるのは、旅行に来た時みたいで楽しい。
「ミーミル、すごいよ。完全にVIP待遇だよ!」
そう言ってアヤメは飛び跳ねる。
ミーミルはそんなアヤメを見ながらぼんやりとしていた。
まるで修学旅行に来たテンションの上がってる小学生のようだ。
中身は男だと分かっていても、外見と声さえ可愛ければ、それなりに可愛く見えるものだなぁ、とミーミルは何となく思った。
「さてと、次は……」
部屋の探索は終わったので、次は置いてある物を調べる事にした。
まず一番、気になっていたのはさっきメイドが指差した「結線石」なる物体だ。
メイドの口調からして、恐らく連絡用に使う物体なのだろうが、見た目は六角形で青色の透明な石でしかない。
本当なら使い方を聞きたい所だったが、ありふれたアイテムの場合『何故知らないのか』という事になりかねない。
アヤメは机の上に置いてあった結線石を拾う。
「むっ、意外と柔らかい!」
石だと言っていたが、硬いものではなかった。
シリコン製くらいの硬さで、握るとグニグニとした触感が返ってくる。
そして二、三回くらいグニグニすると石が薄らと青く光り出した。
「光り出した」
『何か御用ですか』
石からさっきのメイドの声が聞こえてきた。
なるほど、こういう風になっているのか!
「お、おー。えー」
いきなり繋がってしまったので、何の心の準備もできていなかった。
『? どうかなさいましたか。閃皇様』
「えーあー。お名前を聞いてないと思いました」
『私の名前ですか?』
「あっ、はい」
『コカワです』
「コカワさんですか。これから宜しくお願いします」
『……宜しくお願いします』
「……」
『……』
不味い。
通話の終わらせ方が分からない。
もう一度握ればいいのか?
アヤメは石をグニグニする。
すると光がゆっくりと消えていった。
「こうやって使うんだ……。勉強になった」
アヤメは結線石を机に置くと、窓へと向かった。
この部屋は中央城の上層に位置しており、窓からの眺めはかなりいいはずだ。
だが窓には格子がはまっており、開く事はできなかった。
仕方なく格子の間から、外を見る。
崩壊した城壁が見える。
どうやら窓は南側に面しているらしい。
下を見るのを止め、空を見上げる。
夕闇が広がる空には、沈みゆく二つの小さな恒星と、緑色の巨大な惑星、真っ赤で巨大な惑星がぽっかりと浮かんでいた。
「…………」
精神的に余り良くないので、アヤメは外を見るのをやめる。
アヤメはため息をつくと、近くにあった椅子に座った。
ふかふかの柔らかな感触。
この感触は現実のものなのだろうか。
「よし、お約束やっとこうかな」
アヤメは自分のほっぺたをぎゅむっ、と抓る。
問題なく痛い。
もちろん痛みで目が覚める――何て事もない。
今更ながらの確認だが、やはり現実なのだ。
自分のほっぺたの幼女らしいプニプニ感も、やはり現実なのだ。
「今更か! 俺はとっくの昔に現実だと認めておるわ」
戦闘不能状態からいつの間にか復活していたミーミルが言う。
「とっくの昔って、どの段階で?」
「お前に胸揉まれた時」
「なるほど」
確かに、あの時点で痛いって言ってたなぁ、とアヤメは思い出す。
二人はソファーに座ると、一息ついた。
「さてと……とりあえず、どうしたらいいもんかねぇ」
「うーん……どうしようか……」
「国の為に何かやる……か」
目標が漠然とし過ぎている。
二人はしばらく無言で考えたが、やはり何も思いつかなかった。
「ていうかよく考えたら、この無意味な考え事って本日二回目じゃね?」
「うむー、二回目だね」
やはり無能二人で考えても埒があかないのだ。
ならばやる事は一つであった。
アヤメは結線石を掴む。
程なく石は光り始めた。
『はい、コカワで御座います』
「オルデミアさんと連絡取れます?」
『申し訳ありません。オルデミア様はただいま出かけております』
「ギャー」
分からない事は分かる人間に聞くのが早い。
が、いなければどうしようもない。
やる事がいきなり頓挫し、アヤメはその場に崩れ落ちた。
その隙を突き、ミーミルはアヤメが持っている石を奪うと、石に話しかける。
「だったらコカワさん。部屋に戻ってきてくれない?」
『? かしこまりました。用事が終わってからになりますが、よろしいでしょうか?』
「え? 何言ってんの?」
「時間かかりそう?」
『いえ、それほど時間はかからないでしょう』
「何を言ってんの!?」
「静かに。俺にいい考えがあるんだ」
そういってミーミルは笑顔をアヤメに返す。
その言葉と笑顔に、アヤメは総毛立った。
過去の経験から、100%の確率で事態が悪くなる前触れだ。
「それ絶対ダメなやつ! やめて!」
アヤメはミーミルの石をひったくる。
だが通信はすでに切れていた。
「何する気なの!」
「アヤメなんか女の子っぽい喋り方だな。どうした?」
「なんかよくわかんないけど、なんかそうなってきた! 外見に心が引っ張られてるかも!」
「あーネカマプレイでよくあるやつね」
「……わたし……じゃなくて俺大丈夫なの……なのか?」
アヤメはそういって頭を抱えて蹲る。
その姿は本当に子供がしゃがんで可愛く頭を抱えているように――というか子供そのものなのだが、可愛く見えた。
「不思議と声と外見も相まって、お前が可愛く見えてきたんだが」
「えっ、キモい」
「ヤバいな。幼女にキモいって言われるの、割と精神に来るわ」
「そんな事より、どうするつもりだよ!?」
「簡単な事。コカワさんに、この世界の事を色々教えて貰うのだ」
「絶対ダメじゃん!」
「あと純粋にメイドともう少し話がしたい」
「そっちメインじゃん!」
「大丈夫だ。安心しろ。上手くやってみせるさ」
そう言ってミーミルはガッツポーズを取る。
具体的にどう上手くやるか言わないミーミルに、アヤメは更なる不安を募らせる。
何の説得力も無い。
「剣皇様、閃皇様、いらっしゃいますか?」
外の扉がコカワにノックされる。
「もう来た!」
「はい、空いてますよぉー」
ミーミルは能天気な声で返事する。
その危機感の無さにアヤメは増々不安になる。
「本当に大丈夫だよね? 信じるよ? 信じるからね!?」
「俺を信じろ! 鍵はかかってないんで、どうぞ!」
ミーミルはそう言って素晴らしい笑顔でメイドを迎える。
「失礼致します」
ミーミルの言葉で、ゆっくりと扉が開き、コカワが部屋に入って来た。
「失礼します。私も少しお話をさせて頂けますか?」
さらにリリィ騎士団長が部屋に入って来た。
「失礼しますね! 面白そうなのでついてきました!」
おまけにミゥン皇帝も入って来た。
「これはもうダメかも分からんね」
真っ青な顔でそう呟くミーミルにアヤメは殴りかかった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
結線石=この世界の電話のようなもの。グニグニで貯まったエネルギーにより声を飛ばす。
ただしつがいの石にしか繋がらない。(要は無線糸電話)
つがいの石は増やせるが、一人に話したくてもつがい全員に繋がってしまう不便仕様。
謁見を終えた二人は、メイドに連れられ、客室へと通されていた。
客室は高校の教室を二つ分、融合させたくらいの広さだった。
中の装飾品や調度品は、アンティーク・小物類に詳しくない二人でも、明らかな高級品である事が見てとれる。
だが二人はそんな事はどうでも良かった。
「メイド……」
「メイド……」
メイド喫茶にいるようなコスプレファッションメイドではない。
職業としての、本物メイドだ。
恐らく日本で一般人が目にかかる事は無い存在。
「何かご入り用でしたら、そちらの結線石をお使い下さい」
「メイド……」
「……何かございますか?」
「握手して下さい」
とりあえずアヤメが最初に思いついたのはそれだった。
「は、はぁ」
メイドさんは困惑しながらアヤメの手を握る。
その手は少しざらついていて、家事を本職とする仕事人の手であると感じさせる。
やはり本物のメイドだ。
アヤメは満足そうに、はふぅーとため息をついた。
「携帯ないから写真も撮れない」
ミーミルは悔しそうだった。
メイドさんは地味な外見ではあったが、着飾れば間違いなく美人の女性だった。
深緑のような長くまとめられた緑の髪と、琥珀色の瞳にはどことなく気品が漂っていた。
しっかりと様々な作法を習得しているのであろう。
その気品ある美しさは撮った画像からでも必ず伝わる、そう思わせる程であった。
今この手にスマホが無いのがとても辛い。
「他に何かありましたら、出来る限りご要望にお応えさせて頂きます」
「出来る限り!」
ミーミルは目を輝かせると、アヤメに耳打ちする。
「なあ、どこまで行けると思う? 夜伽を命じるで通じると思うか? とりあえずおっぱいくらい揉ませて貰えるよな?」
「この猫下衆いよぉ」
「何言ってんだ! お前それでも男かよ! メイドは男のロマンだろ! 男の要望に何でも答えてくれそうな従順で、それでいて優しく接してくれる、夢の」
「もう男じゃない」
ミーミルは静かになった。
輝いていた目は、一瞬で泥のように深く濁っている。
立ったまま死んだようだ。
「あの?」
メイドさんが不思議そうな顔をして、こちらを見ている。
「大丈夫です。特に問題ありません」
「かしこまりました。それでは失礼致します」
メイドさんはそう言い残すと、部屋から出て行った。
「しまった。名前きくの忘れてたなぁ」
アヤメは失敗したと思いながら、部屋を改めて見渡す。
とても豪華な部屋だった。
ここはリビングらしく、さらに部屋の奥には三つの扉があった。
奥にある窓際の扉に近づき、ゆっくりと開いて中を覗く。
奥は寝室だった。
自分の部屋のベッドを三倍くらいにした大きさのベッドが置いてある。
さらに真ん中の扉を開く。
中には空の風呂がある――恐らく浴室だろう。
これも自分の家の風呂の三倍くらいの大きさがある。
最後の扉を開くと、そこはトイレだった。
さすがに便器は三倍の大きさ――という訳ではないが、部屋の広さは三倍くらいある。
便器が小さく感じて、所在なさげに感じるほどであった。
こうやって部屋の中を色々と調べるのは、旅行に来た時みたいで楽しい。
「ミーミル、すごいよ。完全にVIP待遇だよ!」
そう言ってアヤメは飛び跳ねる。
ミーミルはそんなアヤメを見ながらぼんやりとしていた。
まるで修学旅行に来たテンションの上がってる小学生のようだ。
中身は男だと分かっていても、外見と声さえ可愛ければ、それなりに可愛く見えるものだなぁ、とミーミルは何となく思った。
「さてと、次は……」
部屋の探索は終わったので、次は置いてある物を調べる事にした。
まず一番、気になっていたのはさっきメイドが指差した「結線石」なる物体だ。
メイドの口調からして、恐らく連絡用に使う物体なのだろうが、見た目は六角形で青色の透明な石でしかない。
本当なら使い方を聞きたい所だったが、ありふれたアイテムの場合『何故知らないのか』という事になりかねない。
アヤメは机の上に置いてあった結線石を拾う。
「むっ、意外と柔らかい!」
石だと言っていたが、硬いものではなかった。
シリコン製くらいの硬さで、握るとグニグニとした触感が返ってくる。
そして二、三回くらいグニグニすると石が薄らと青く光り出した。
「光り出した」
『何か御用ですか』
石からさっきのメイドの声が聞こえてきた。
なるほど、こういう風になっているのか!
「お、おー。えー」
いきなり繋がってしまったので、何の心の準備もできていなかった。
『? どうかなさいましたか。閃皇様』
「えーあー。お名前を聞いてないと思いました」
『私の名前ですか?』
「あっ、はい」
『コカワです』
「コカワさんですか。これから宜しくお願いします」
『……宜しくお願いします』
「……」
『……』
不味い。
通話の終わらせ方が分からない。
もう一度握ればいいのか?
アヤメは石をグニグニする。
すると光がゆっくりと消えていった。
「こうやって使うんだ……。勉強になった」
アヤメは結線石を机に置くと、窓へと向かった。
この部屋は中央城の上層に位置しており、窓からの眺めはかなりいいはずだ。
だが窓には格子がはまっており、開く事はできなかった。
仕方なく格子の間から、外を見る。
崩壊した城壁が見える。
どうやら窓は南側に面しているらしい。
下を見るのを止め、空を見上げる。
夕闇が広がる空には、沈みゆく二つの小さな恒星と、緑色の巨大な惑星、真っ赤で巨大な惑星がぽっかりと浮かんでいた。
「…………」
精神的に余り良くないので、アヤメは外を見るのをやめる。
アヤメはため息をつくと、近くにあった椅子に座った。
ふかふかの柔らかな感触。
この感触は現実のものなのだろうか。
「よし、お約束やっとこうかな」
アヤメは自分のほっぺたをぎゅむっ、と抓る。
問題なく痛い。
もちろん痛みで目が覚める――何て事もない。
今更ながらの確認だが、やはり現実なのだ。
自分のほっぺたの幼女らしいプニプニ感も、やはり現実なのだ。
「今更か! 俺はとっくの昔に現実だと認めておるわ」
戦闘不能状態からいつの間にか復活していたミーミルが言う。
「とっくの昔って、どの段階で?」
「お前に胸揉まれた時」
「なるほど」
確かに、あの時点で痛いって言ってたなぁ、とアヤメは思い出す。
二人はソファーに座ると、一息ついた。
「さてと……とりあえず、どうしたらいいもんかねぇ」
「うーん……どうしようか……」
「国の為に何かやる……か」
目標が漠然とし過ぎている。
二人はしばらく無言で考えたが、やはり何も思いつかなかった。
「ていうかよく考えたら、この無意味な考え事って本日二回目じゃね?」
「うむー、二回目だね」
やはり無能二人で考えても埒があかないのだ。
ならばやる事は一つであった。
アヤメは結線石を掴む。
程なく石は光り始めた。
『はい、コカワで御座います』
「オルデミアさんと連絡取れます?」
『申し訳ありません。オルデミア様はただいま出かけております』
「ギャー」
分からない事は分かる人間に聞くのが早い。
が、いなければどうしようもない。
やる事がいきなり頓挫し、アヤメはその場に崩れ落ちた。
その隙を突き、ミーミルはアヤメが持っている石を奪うと、石に話しかける。
「だったらコカワさん。部屋に戻ってきてくれない?」
『? かしこまりました。用事が終わってからになりますが、よろしいでしょうか?』
「え? 何言ってんの?」
「時間かかりそう?」
『いえ、それほど時間はかからないでしょう』
「何を言ってんの!?」
「静かに。俺にいい考えがあるんだ」
そういってミーミルは笑顔をアヤメに返す。
その言葉と笑顔に、アヤメは総毛立った。
過去の経験から、100%の確率で事態が悪くなる前触れだ。
「それ絶対ダメなやつ! やめて!」
アヤメはミーミルの石をひったくる。
だが通信はすでに切れていた。
「何する気なの!」
「アヤメなんか女の子っぽい喋り方だな。どうした?」
「なんかよくわかんないけど、なんかそうなってきた! 外見に心が引っ張られてるかも!」
「あーネカマプレイでよくあるやつね」
「……わたし……じゃなくて俺大丈夫なの……なのか?」
アヤメはそういって頭を抱えて蹲る。
その姿は本当に子供がしゃがんで可愛く頭を抱えているように――というか子供そのものなのだが、可愛く見えた。
「不思議と声と外見も相まって、お前が可愛く見えてきたんだが」
「えっ、キモい」
「ヤバいな。幼女にキモいって言われるの、割と精神に来るわ」
「そんな事より、どうするつもりだよ!?」
「簡単な事。コカワさんに、この世界の事を色々教えて貰うのだ」
「絶対ダメじゃん!」
「あと純粋にメイドともう少し話がしたい」
「そっちメインじゃん!」
「大丈夫だ。安心しろ。上手くやってみせるさ」
そう言ってミーミルはガッツポーズを取る。
具体的にどう上手くやるか言わないミーミルに、アヤメは更なる不安を募らせる。
何の説得力も無い。
「剣皇様、閃皇様、いらっしゃいますか?」
外の扉がコカワにノックされる。
「もう来た!」
「はい、空いてますよぉー」
ミーミルは能天気な声で返事する。
その危機感の無さにアヤメは増々不安になる。
「本当に大丈夫だよね? 信じるよ? 信じるからね!?」
「俺を信じろ! 鍵はかかってないんで、どうぞ!」
ミーミルはそう言って素晴らしい笑顔でメイドを迎える。
「失礼致します」
ミーミルの言葉で、ゆっくりと扉が開き、コカワが部屋に入って来た。
「失礼します。私も少しお話をさせて頂けますか?」
さらにリリィ騎士団長が部屋に入って来た。
「失礼しますね! 面白そうなのでついてきました!」
おまけにミゥン皇帝も入って来た。
「これはもうダメかも分からんね」
真っ青な顔でそう呟くミーミルにアヤメは殴りかかった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
結線石=この世界の電話のようなもの。グニグニで貯まったエネルギーにより声を飛ばす。
ただしつがいの石にしか繋がらない。(要は無線糸電話)
つがいの石は増やせるが、一人に話したくてもつがい全員に繋がってしまう不便仕様。
0
あなたにおすすめの小説
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
御家騒動なんて真っ平ごめんです〜捨てられた双子の片割れは平凡な人生を歩みたい〜
伽羅
ファンタジー
【幼少期】
双子の弟に殺された…と思ったら、何故か赤ん坊に生まれ変わっていた。
ここはもしかして異世界か?
だが、そこでも双子だったため、後継者争いを懸念する親に孤児院の前に捨てられてしまう。
ようやく里親が見つかり、平和に暮らせると思っていたが…。
【学院期】
学院に通い出すとそこには双子の片割れのエドワード王子も通っていた。
周りに双子だとバレないように学院生活を送っていたが、何故かエドワード王子の影武者をする事になり…。
この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました
okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。
不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。
14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。
魔力0の貴族次男に転生しましたが、気功スキルで補った魔力で強い魔法を使い無双します
burazu
ファンタジー
事故で命を落とした青年はジュン・ラオールという貴族の次男として生まれ変わるが魔力0という鑑定を受け次男であるにもかかわらず継承権最下位へと降格してしまう。事実上継承権を失ったジュンは騎士団長メイルより剣の指導を受け、剣に気を込める気功スキルを学ぶ。
その気功スキルの才能が開花し、自然界より魔力を吸収し強力な魔法のような力を次から次へと使用し父達を驚愕させる。
神に同情された転生者物語
チャチャ
ファンタジー
ブラック企業に勤めていた安田悠翔(やすだ はると)は、電車を待っていると後から背中を押されて電車に轢かれて死んでしまう。
すると、神様と名乗った青年にこれまでの人生を同情され、異世界に転生してのんびりと過ごしてと言われる。
悠翔は、チート能力をもらって異世界を旅する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる