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第二章 破廉恥な関係
第10話 はじけてつながる約束(下)
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(アウトプット重視なのね)
メジャーな経済理論について、自分の言葉で説明できるか。それを最近の経済ニュースや企業情報などと結び付けられるか。自分の頭で思考して、その思考を他者にわかりやすく伝えられるか。試験では、そうした能力が問われるようだ。
(ふふっ……楽しい。やりがいがあるなあ)
桃音はひとまず、過去問をいくつか解いてみた。最後まで解くのにかかった時間を計ってみたが、設定されている試験時間をオーバーしてしまったので、回答内容の精度を上げつつ、時間配分も改善しなければならないだろう。
残念ながら、過去問には回答がついていない。問題用紙を持ち帰れる講義であっても、模範解答が配られたり共有されたりする講義は少ないのだ。
そこで桃音は、後日学部の教授の研究室を訪ねた。過去問を解いてみたのだが採点してもらえないだろうかと、その問題を作った教授にじかにお願いに行ったのだ。断られてしまう場合もあったが、概ねどの教授も快諾してくれた。過去問を解いたので採点してほしいと願い出るような真面目な学生は少なく、勉強熱心な桃音は快く歓迎された。
そんなふうに、桃音は期末試験に向けて大いに励んだ。その間、謙志からはなんの連絡もないことが少し寂しかったが、勉強に集中できるのはありがたかった。
◆◇◆◇◆
「松浦、伝えてあった予定で日時が確定した。行けるか?」
約一週間の試験期間が終わり、今日と明日は補講だ。通常の学期期間中に休講してしまった講義の補填があったり、病気などで試験を受けられなかった学生に臨時の課題を出したりするなどして、不足している学びを与える機会だ。
謙志は特にそうした補填が必要なわけではなかったが、所属しているゼミの教授から呼び出されていたので、朝から教授の研究室にいた。
「はい、大丈夫です」
「なら、同行を頼むな。基本はまあ、見学だが……もしかしたら、簡単な雑用ぐらいは頼まれるかもしれない。無給で悪いが、快く引き受けてくれな」
「もちろんです。簡単に得られる機会ではないので……ありがたく、励みます」
謙志はそう言って、教授の宇津木に頭を下げた。
まだ四十半ばで、教授職としては若手である宇津木は、スポーツ科学科のティーチングコースを受け持つ教授の一人だ。
そんな宇津木の紹介で、謙志はこの夏、あるプロ野球チームのトレーニングを見学させてもらうことになった。
そのチームは数あるプロ野球チームの中でも一、二を争うほどに資金力があり、選手のトレーニングに最先端のスポーツ科学を取り入れていることも有名だ。
見学をさせてもらうのは一軍ではなく、二軍と三軍とのことだが、下位の層だからといって練習に手を抜いているということはなく、伸び悩んでいる選手がいれば科学的なアプローチを用いて、トレーニング方法やフォームの見直しをしているそうだ。
プロ野球の選手は個人事業主としてチームと契約をしているが、有能なコーチやトレーナーの一部も、個人事業主として球団と契約している。しかしそうではないスタッフは、一般的には球団を運営する会社に雇用されている社員という身分で、有給休暇が一定数与えられ、それを消化することが必須なのだ。
そのため、シーズン真っただ中ではあるが、八月になるとスタッフの何人かが交代で休暇をとる。その穴埋めができる、というわけではないのだが、研究と知見収集も兼ねて、宇津木は夏になるといくつかの球団に出向き、選手たちのトレーニングに参加するのだ。
今回謙志は、そんな宇津木に同行する形となる予定だ。
「狭き門を、さらに不利な条件で進むんだもんなあ……まあ、俺にしてやれることはしてやるよ」
どのスポーツにおいても、コーチやトレーナーの席というのはそう簡単に空かない。空いたとしても、次の誰かがすぐに座る。なぜなら、現役を引退した選手が最初に考える第二の人生が、そうした指導職だからだ。
この国で一番メジャーなスポーツ競技であるプロ野球ともなれば、引退する選手の数は、平均で年に百十から百五十人ほどと、とても多い。必然的に、コーチやトレーナーの席はどんどん埋まっていく。プロ野球チームが増えるということはそうそうないので、常に限りある席の奪い合いが起きている。
その狭き門を、謙志はさらに不利な条件を持って進むつもりでいる。つまり、野球経験者ではないにもかかわらず、野球選手の指導職を目指しているのだ。
謙志が大学でスポーツ科学を学びたいと心を決めたのは、高校三年生の空手の全国大会で五位入賞した時のことだ。優勝を目指して努力を続けていたし、実際に優勝の可能性は十分にあったと思う。だが、自分よりも上位の成績を残した四人と自分との間に、謙志はとてつもない壁を感じた。そして、自分は生涯その壁を越えられないだろうと、ふと思ってしまったのだ。
そう思ってしまったが最後、高校を卒業したあとも空手を自分の人生の一番の軸に据えるという選択肢は、謙志の中ではなくなってしまった。代わりに、その壁を超える手段は果たして本当にないのだろうかと考えるようになった。そして同時に、諦めてしまった自分とは違って、何がなんでもその壁を越えようともがく者がいるのなら、その手伝いをしたいと思った。そして見つけたのが、スポーツ科学という学問だ。
この学問では、科学的な視点で選手を分析し、目標達成のためにより効率的で効果のある練習方法を考案したり、コンディションを整えたりする。時にはけがの予防やけがのリハビリ方法も検討する。単なる運動技術だけでなく、医学や栄養学、スポーツ物理学、データ解析なども学ぶスポーツ科学という分野は、自分が新たに向かうべきフィールドのような気がした。
そうしてこの玉苑スフィア大学のスポーツ科学部に入学した謙志は、専門的に学びながら検討を重ねて、三年次に上がったこの春に、進路を「プロ野球チームの指導職」に絞った。コーチやトレーナーを目指すならば、対象のスポーツは自分が長年続けていた空手を選ぶのが一番有利なのだが、「稼ぎ」という点に注目すると、この国で最もメジャーで安定しているプロスポーツの野球しかないとの結論に至ったのだ。
そして、三年次から所属したゼミの宇津木教授に、進路のことをたびたび相談していた。スポーツならば空手の経験があるとはいえ、野球に関しては未経験に等しい。そんな自分でも、プロ野球選手を支える職に就けるだろうか。そのためにはどうしたらいいだろうかと。
将来について真剣に悩む謙志に、宇津木は答えた。
野球未経験者でも、プロ野球チームのスタッフになっている者はいる。ほかのスポーツを経験しているからこそ見える視点があり、それが武器になることもある。だが、その人数は途方もなく少なく、わずかな武器も、野球経験者のアドバンテージを上回ることはほぼないだろう。プロ野球チームともなれば、選手だけでなくスタッフにすら厳密な結果が求められることも多く、その職に就けたあとも試練の連続だと。
宇津木のその回答を聞いても、しかし謙志は諦めなかった。「俺には無理だ」と自分の限界を決めつけて逃げてしまうのは、高校時代の最後のあの大会だけで十分だ。そう思ったのだ。
「前期はサボらずに、とれる講義はとったか?」
「コンディショニングと予防医学、筋生物学などはとりました。あと、スポーツ演習はもちろん野球を」
「よしよし、幅広く学んでるな。後期もとれる講義はとっておけよ。野球経験者っつーアドバンテージがないからな……それを補うように、学べる知識は学んでおくに越したことはない。それに、それらはこの先ずーっと、生涯をかけて知識のアップデートをしていかにゃならん。仕事にする以上、学びはずっと続くからな」
「はい」
「詳しいことはまた近くなったら連絡するから、予定だけは必ず空けておいてくれよ」
「はい、ありがとうございます」
謙志は真面目な表情で頭を下げて礼を述べると、研究室を後にする。
そして、学生たちは長い夏休み期間に入った。
◆◇◆◇◆
メジャーな経済理論について、自分の言葉で説明できるか。それを最近の経済ニュースや企業情報などと結び付けられるか。自分の頭で思考して、その思考を他者にわかりやすく伝えられるか。試験では、そうした能力が問われるようだ。
(ふふっ……楽しい。やりがいがあるなあ)
桃音はひとまず、過去問をいくつか解いてみた。最後まで解くのにかかった時間を計ってみたが、設定されている試験時間をオーバーしてしまったので、回答内容の精度を上げつつ、時間配分も改善しなければならないだろう。
残念ながら、過去問には回答がついていない。問題用紙を持ち帰れる講義であっても、模範解答が配られたり共有されたりする講義は少ないのだ。
そこで桃音は、後日学部の教授の研究室を訪ねた。過去問を解いてみたのだが採点してもらえないだろうかと、その問題を作った教授にじかにお願いに行ったのだ。断られてしまう場合もあったが、概ねどの教授も快諾してくれた。過去問を解いたので採点してほしいと願い出るような真面目な学生は少なく、勉強熱心な桃音は快く歓迎された。
そんなふうに、桃音は期末試験に向けて大いに励んだ。その間、謙志からはなんの連絡もないことが少し寂しかったが、勉強に集中できるのはありがたかった。
◆◇◆◇◆
「松浦、伝えてあった予定で日時が確定した。行けるか?」
約一週間の試験期間が終わり、今日と明日は補講だ。通常の学期期間中に休講してしまった講義の補填があったり、病気などで試験を受けられなかった学生に臨時の課題を出したりするなどして、不足している学びを与える機会だ。
謙志は特にそうした補填が必要なわけではなかったが、所属しているゼミの教授から呼び出されていたので、朝から教授の研究室にいた。
「はい、大丈夫です」
「なら、同行を頼むな。基本はまあ、見学だが……もしかしたら、簡単な雑用ぐらいは頼まれるかもしれない。無給で悪いが、快く引き受けてくれな」
「もちろんです。簡単に得られる機会ではないので……ありがたく、励みます」
謙志はそう言って、教授の宇津木に頭を下げた。
まだ四十半ばで、教授職としては若手である宇津木は、スポーツ科学科のティーチングコースを受け持つ教授の一人だ。
そんな宇津木の紹介で、謙志はこの夏、あるプロ野球チームのトレーニングを見学させてもらうことになった。
そのチームは数あるプロ野球チームの中でも一、二を争うほどに資金力があり、選手のトレーニングに最先端のスポーツ科学を取り入れていることも有名だ。
見学をさせてもらうのは一軍ではなく、二軍と三軍とのことだが、下位の層だからといって練習に手を抜いているということはなく、伸び悩んでいる選手がいれば科学的なアプローチを用いて、トレーニング方法やフォームの見直しをしているそうだ。
プロ野球の選手は個人事業主としてチームと契約をしているが、有能なコーチやトレーナーの一部も、個人事業主として球団と契約している。しかしそうではないスタッフは、一般的には球団を運営する会社に雇用されている社員という身分で、有給休暇が一定数与えられ、それを消化することが必須なのだ。
そのため、シーズン真っただ中ではあるが、八月になるとスタッフの何人かが交代で休暇をとる。その穴埋めができる、というわけではないのだが、研究と知見収集も兼ねて、宇津木は夏になるといくつかの球団に出向き、選手たちのトレーニングに参加するのだ。
今回謙志は、そんな宇津木に同行する形となる予定だ。
「狭き門を、さらに不利な条件で進むんだもんなあ……まあ、俺にしてやれることはしてやるよ」
どのスポーツにおいても、コーチやトレーナーの席というのはそう簡単に空かない。空いたとしても、次の誰かがすぐに座る。なぜなら、現役を引退した選手が最初に考える第二の人生が、そうした指導職だからだ。
この国で一番メジャーなスポーツ競技であるプロ野球ともなれば、引退する選手の数は、平均で年に百十から百五十人ほどと、とても多い。必然的に、コーチやトレーナーの席はどんどん埋まっていく。プロ野球チームが増えるということはそうそうないので、常に限りある席の奪い合いが起きている。
その狭き門を、謙志はさらに不利な条件を持って進むつもりでいる。つまり、野球経験者ではないにもかかわらず、野球選手の指導職を目指しているのだ。
謙志が大学でスポーツ科学を学びたいと心を決めたのは、高校三年生の空手の全国大会で五位入賞した時のことだ。優勝を目指して努力を続けていたし、実際に優勝の可能性は十分にあったと思う。だが、自分よりも上位の成績を残した四人と自分との間に、謙志はとてつもない壁を感じた。そして、自分は生涯その壁を越えられないだろうと、ふと思ってしまったのだ。
そう思ってしまったが最後、高校を卒業したあとも空手を自分の人生の一番の軸に据えるという選択肢は、謙志の中ではなくなってしまった。代わりに、その壁を超える手段は果たして本当にないのだろうかと考えるようになった。そして同時に、諦めてしまった自分とは違って、何がなんでもその壁を越えようともがく者がいるのなら、その手伝いをしたいと思った。そして見つけたのが、スポーツ科学という学問だ。
この学問では、科学的な視点で選手を分析し、目標達成のためにより効率的で効果のある練習方法を考案したり、コンディションを整えたりする。時にはけがの予防やけがのリハビリ方法も検討する。単なる運動技術だけでなく、医学や栄養学、スポーツ物理学、データ解析なども学ぶスポーツ科学という分野は、自分が新たに向かうべきフィールドのような気がした。
そうしてこの玉苑スフィア大学のスポーツ科学部に入学した謙志は、専門的に学びながら検討を重ねて、三年次に上がったこの春に、進路を「プロ野球チームの指導職」に絞った。コーチやトレーナーを目指すならば、対象のスポーツは自分が長年続けていた空手を選ぶのが一番有利なのだが、「稼ぎ」という点に注目すると、この国で最もメジャーで安定しているプロスポーツの野球しかないとの結論に至ったのだ。
そして、三年次から所属したゼミの宇津木教授に、進路のことをたびたび相談していた。スポーツならば空手の経験があるとはいえ、野球に関しては未経験に等しい。そんな自分でも、プロ野球選手を支える職に就けるだろうか。そのためにはどうしたらいいだろうかと。
将来について真剣に悩む謙志に、宇津木は答えた。
野球未経験者でも、プロ野球チームのスタッフになっている者はいる。ほかのスポーツを経験しているからこそ見える視点があり、それが武器になることもある。だが、その人数は途方もなく少なく、わずかな武器も、野球経験者のアドバンテージを上回ることはほぼないだろう。プロ野球チームともなれば、選手だけでなくスタッフにすら厳密な結果が求められることも多く、その職に就けたあとも試練の連続だと。
宇津木のその回答を聞いても、しかし謙志は諦めなかった。「俺には無理だ」と自分の限界を決めつけて逃げてしまうのは、高校時代の最後のあの大会だけで十分だ。そう思ったのだ。
「前期はサボらずに、とれる講義はとったか?」
「コンディショニングと予防医学、筋生物学などはとりました。あと、スポーツ演習はもちろん野球を」
「よしよし、幅広く学んでるな。後期もとれる講義はとっておけよ。野球経験者っつーアドバンテージがないからな……それを補うように、学べる知識は学んでおくに越したことはない。それに、それらはこの先ずーっと、生涯をかけて知識のアップデートをしていかにゃならん。仕事にする以上、学びはずっと続くからな」
「はい」
「詳しいことはまた近くなったら連絡するから、予定だけは必ず空けておいてくれよ」
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