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第五章 聖女の来訪
第18話 嫉妬心(下)
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――ふに……ふに……。
「今日はだめですよ? 月の障りがまだ終わっていません」
その日の夜、寝台に寝転んだキアンは、隣に寝転ぶティルフィーユの頬をつまむようにやさしくなでていた。
「わかっている」
キアンはティルフィーユの長いまつげや整った眉、ふっくらとした唇など細かなパーツをじっくりと眺めながら相槌を打つ。そうしてティルフィーユの愛らしさを目で見て愛でるのも悪くはなかったが、もっと彼女の存在を感じたいと思い、仰向けになる。そして自分の肩に頭を乗せるようにティルフィーユを誘導する。ティルフィーユの頭に頬を寄せてサックスブルー色の髪の毛の匂いを嗅ぎながら、キアンはティルフィーユの身体に腕を回して抱きしめた。
「明日からはしばらく別行動で……あさってにはいよいよ、聖女様がいらっしゃいますね」
万が一にも力任せに潰さないように、というキアンの最大限の配慮を感じつつ、ティルフィーユはキアンに包まれる心地をいとしく思う。しかしこの甘くて優しい時間も、明日からはしばらくお預けだ。聖女の傍女であるティルフィーユは明日から聖女が帰国するまでの間、スベーク城に寝泊まりすることになっているのだ。キアンの方も、妻が聖女の傍女であるということもあって基本的にはスベーク城にいるそうだが、騎士団の指揮のためにスベーク城を離れることもあるだろう。そして夜は交代で行う寝ずの番もあるので、おそらく聖女滞在期間中はこの屋敷に帰れないだろうとのことだった。
「緊張しているか?」
「ええ、さすがに……。だって、傍女のお務めは初めてですから」
当代の聖女は二年前にグントバハロンを訪問したが、滞在場所は首都エンフェリダクスではなかったため、ティルフィーユは残念ながら聖女を見てはいない。そのさらに前に聖女がグントバハロンに来た時のティルフィーユは九歳で、その時の傍女は名のある公家の女性が担当していたはずだ。八年も前の、しかも子供の頃のことなので、詳細はほとんど思い出せない。
「お母様やお姉様たちからは、手紙でいくつか助言を頂けました」
「それは心強いな。なんと言われたんだ?」
「まずは聖女様に安心して気持ちよく過ごしてもらえるように、それを一番に考えなさいと。聖女様の身の安全確保は、基本的には警備を担当する者たちの領分なのだから、そちらに任せるのが第一であること。けれど、聖女様のことを思って言えることがあるのなら臆してはいけないと」
「さすがだな」
グントバハロン宗家の女性たちの、なんと聡いこと。
聖女が暴漢に襲われたり何か不穏なことに巻き込まれたりしないように、事前に周囲を警備し、常に聖女の安全を確保して警護する――それがキアンたち騎士団の仕事だ。同じことを同じようには、ティルフィーユにはできない。そしてキアンたち騎士団に、聖女の朝から晩までの生活を支えることはできない。何が必要か、次に何をすべきか、細やかな気遣いは同じ女性だからこそできることも多い。
それぞれにできること、得意なことを、それぞれが主となって行う。だが任せっきりにはしない。担当分野を分けてはいるけれども、それは厳密に区切れるものではない。補い合えるところがあれば協力するべきだ。すべては尊い聖女のために。
グントバハロン宗家の女性たちからの助言は、きちんと軸を持った内容だ。
「この国の民は、聖女様の来訪を本当に待ち望んでいたと聞いています。聖女様もそうですが、民の皆さんにも安心して聖女様の癒しの儀式を受けてもらえるように、精一杯努めます」
旧ジャノオン王国に最後に聖女が来訪したのは十四年も前、暗殺されたアリヨン王の治世なのだという。聖女は一年に一度しか他国に足を運ばないので、次の来訪まで数年という間隔が空いてしまうことは珍しくない。しかし、旧ジャノオン王国は十年前のアリヨン王一家暗殺事件以降、ゲイニー王が聖女招聘に積極的ではなく、レシクラオン神皇国に聖女の訪問をまったく要請しなかったのだ。それなのに重い税を課し、時には病人でさえ無理やりにでも労働させたものだから、ゲイニー王の時代、この国には病人やけが人が一気に増えた。本来なら治って当然の風邪でさえ、まともに薬も手に入らずなかなか治らないというありさまだった。
グントバハロンに亡命していたロイックはその様子をじかには見ていないが、旧ジャノオン王国に残っていたソイラは実際にその時代を経験している。その時の悲惨な国の様子をティルフィーユはソイラから聞いており、今回の聖女招聘を心から喜んでいるこの国の民のためにも、聖女には気持ちよく過ごしてもらいたいと思っていた。
「決して無理はしないように。聖女もそうだが、何かあれば必ず俺が君を守る」
「はい。でも、そんな事態が起きないことを願います」
ティルフィーユはそう言うと甘えるようにキアンの寝間着に頬をこすり付け、キアンの体温を感じながらゆっくりと眠りに落ちていった。
◆◇◆◇◆
そして夜が明けて、朝がくる。
ティルフィーユはキアンと共に朝食をとったあと、少し長めのハグをしてから一人馬車に乗り込み、スベーク城へと向かった。スベーク城では昨日まで共和議会が開催されていたが、それもしばらくお休みだ。今日は一日、聖女を迎える準備のために使用人たちが駆け回っている。
スベーク城に到着したティルフィーユはまず東棟の応接室に行き、そこでロイックをはじめ共和議会の代表者たちと共に、聖女滞在期間中の全体のスケジュールを確認した。ティルフィーユが特に把握しておくべき事項は、聖女の導線だ。いつ、どこに居てもらうようにすべきなのか、休息の時間がいつなのか。聖女を無意味に立たせている時間が一秒でもないように、常に聖女の次の予定を把握しておかなければならない。
(たいへんだけれど……でも頑張らなくちゃ)
聖女を迎えることは、ひとつの国として正しく成り立っていることの証だ。新たな政府の中心人物であるロイックたちにとって、エヴァエロン共和国という国がこの先十年、二十年と続いていけるかどうかが試されている。身重のため今回の聖女招聘にそれほど加われないソイラの分も、ティルフィーユはしっかりとこの国に貢献したいと思った。それから、首を長くして聖女の癒しの力を待ち望んでいる民たちのために、良い働きをしたいとも。
(キアン様も、このためにずっと頑張ってこられたのだから)
今回聖女がこの国に滞在するのは、明日から八日間の予定だ。一週間ほどとはいえ、キアンと離れ離れで夜を過ごすのは正直寂しい。けれどもキアンには、騎士団だけでなくグントバハロンから支援に来てくれた武人たち、そしてレシクラオン神皇国から来る護衛たちと連携し、全体をとりまとめるという重要な仕事がある。キアンはキアンで、この国のためにできることに必死なのだ。夫婦そろってしっかりと働き、決して名だけではなく、明確な実を貢献できるように頑張りたい。ティルフィーユは熱くそう思った。
長いようで短い一日が過ぎて、ティルフィーユはスベーク城の客室で夜を明かす。そうして朝がきて、聖女のスケジュールの暗記に時間を割きつつ、その到着を待つ。そして昼過ぎ、にわかにスベーク城内が活気づいた。聖女を乗せたレシクラオン神皇国の馬車の隊列が、スベーク城へ続く坂道を上り始めたのが見えたようだ。
ティルフィーユは共和議会議員たちと共に、スベーク城の正門に向かう。使用人たちも大勢押しかけたが、そのほとんどが騎士団の騎士たちによってきちんと整列させられて、ある一定距離以上は聖女隊列に近付かないように統制されていた。
(いよいよね)
馬車の車輪が石畳の上で回転する音が近付いてくる。騎兵と歩兵に続き、多くの荷物と関係者を乗せた幌馬車が正門を超えて、前庭へと入ってくる。さらに、二頭の白馬に牽かれた、きらびやかな黄金色の彫刻が装飾されたコーチも前庭に到着し、ゆっくりと止まる。そしてその中から、美しい銀髪と露草色の瞳を持った女性が足元によく気を付けながら、優雅に降りてきた。
「今日はだめですよ? 月の障りがまだ終わっていません」
その日の夜、寝台に寝転んだキアンは、隣に寝転ぶティルフィーユの頬をつまむようにやさしくなでていた。
「わかっている」
キアンはティルフィーユの長いまつげや整った眉、ふっくらとした唇など細かなパーツをじっくりと眺めながら相槌を打つ。そうしてティルフィーユの愛らしさを目で見て愛でるのも悪くはなかったが、もっと彼女の存在を感じたいと思い、仰向けになる。そして自分の肩に頭を乗せるようにティルフィーユを誘導する。ティルフィーユの頭に頬を寄せてサックスブルー色の髪の毛の匂いを嗅ぎながら、キアンはティルフィーユの身体に腕を回して抱きしめた。
「明日からはしばらく別行動で……あさってにはいよいよ、聖女様がいらっしゃいますね」
万が一にも力任せに潰さないように、というキアンの最大限の配慮を感じつつ、ティルフィーユはキアンに包まれる心地をいとしく思う。しかしこの甘くて優しい時間も、明日からはしばらくお預けだ。聖女の傍女であるティルフィーユは明日から聖女が帰国するまでの間、スベーク城に寝泊まりすることになっているのだ。キアンの方も、妻が聖女の傍女であるということもあって基本的にはスベーク城にいるそうだが、騎士団の指揮のためにスベーク城を離れることもあるだろう。そして夜は交代で行う寝ずの番もあるので、おそらく聖女滞在期間中はこの屋敷に帰れないだろうとのことだった。
「緊張しているか?」
「ええ、さすがに……。だって、傍女のお務めは初めてですから」
当代の聖女は二年前にグントバハロンを訪問したが、滞在場所は首都エンフェリダクスではなかったため、ティルフィーユは残念ながら聖女を見てはいない。そのさらに前に聖女がグントバハロンに来た時のティルフィーユは九歳で、その時の傍女は名のある公家の女性が担当していたはずだ。八年も前の、しかも子供の頃のことなので、詳細はほとんど思い出せない。
「お母様やお姉様たちからは、手紙でいくつか助言を頂けました」
「それは心強いな。なんと言われたんだ?」
「まずは聖女様に安心して気持ちよく過ごしてもらえるように、それを一番に考えなさいと。聖女様の身の安全確保は、基本的には警備を担当する者たちの領分なのだから、そちらに任せるのが第一であること。けれど、聖女様のことを思って言えることがあるのなら臆してはいけないと」
「さすがだな」
グントバハロン宗家の女性たちの、なんと聡いこと。
聖女が暴漢に襲われたり何か不穏なことに巻き込まれたりしないように、事前に周囲を警備し、常に聖女の安全を確保して警護する――それがキアンたち騎士団の仕事だ。同じことを同じようには、ティルフィーユにはできない。そしてキアンたち騎士団に、聖女の朝から晩までの生活を支えることはできない。何が必要か、次に何をすべきか、細やかな気遣いは同じ女性だからこそできることも多い。
それぞれにできること、得意なことを、それぞれが主となって行う。だが任せっきりにはしない。担当分野を分けてはいるけれども、それは厳密に区切れるものではない。補い合えるところがあれば協力するべきだ。すべては尊い聖女のために。
グントバハロン宗家の女性たちからの助言は、きちんと軸を持った内容だ。
「この国の民は、聖女様の来訪を本当に待ち望んでいたと聞いています。聖女様もそうですが、民の皆さんにも安心して聖女様の癒しの儀式を受けてもらえるように、精一杯努めます」
旧ジャノオン王国に最後に聖女が来訪したのは十四年も前、暗殺されたアリヨン王の治世なのだという。聖女は一年に一度しか他国に足を運ばないので、次の来訪まで数年という間隔が空いてしまうことは珍しくない。しかし、旧ジャノオン王国は十年前のアリヨン王一家暗殺事件以降、ゲイニー王が聖女招聘に積極的ではなく、レシクラオン神皇国に聖女の訪問をまったく要請しなかったのだ。それなのに重い税を課し、時には病人でさえ無理やりにでも労働させたものだから、ゲイニー王の時代、この国には病人やけが人が一気に増えた。本来なら治って当然の風邪でさえ、まともに薬も手に入らずなかなか治らないというありさまだった。
グントバハロンに亡命していたロイックはその様子をじかには見ていないが、旧ジャノオン王国に残っていたソイラは実際にその時代を経験している。その時の悲惨な国の様子をティルフィーユはソイラから聞いており、今回の聖女招聘を心から喜んでいるこの国の民のためにも、聖女には気持ちよく過ごしてもらいたいと思っていた。
「決して無理はしないように。聖女もそうだが、何かあれば必ず俺が君を守る」
「はい。でも、そんな事態が起きないことを願います」
ティルフィーユはそう言うと甘えるようにキアンの寝間着に頬をこすり付け、キアンの体温を感じながらゆっくりと眠りに落ちていった。
◆◇◆◇◆
そして夜が明けて、朝がくる。
ティルフィーユはキアンと共に朝食をとったあと、少し長めのハグをしてから一人馬車に乗り込み、スベーク城へと向かった。スベーク城では昨日まで共和議会が開催されていたが、それもしばらくお休みだ。今日は一日、聖女を迎える準備のために使用人たちが駆け回っている。
スベーク城に到着したティルフィーユはまず東棟の応接室に行き、そこでロイックをはじめ共和議会の代表者たちと共に、聖女滞在期間中の全体のスケジュールを確認した。ティルフィーユが特に把握しておくべき事項は、聖女の導線だ。いつ、どこに居てもらうようにすべきなのか、休息の時間がいつなのか。聖女を無意味に立たせている時間が一秒でもないように、常に聖女の次の予定を把握しておかなければならない。
(たいへんだけれど……でも頑張らなくちゃ)
聖女を迎えることは、ひとつの国として正しく成り立っていることの証だ。新たな政府の中心人物であるロイックたちにとって、エヴァエロン共和国という国がこの先十年、二十年と続いていけるかどうかが試されている。身重のため今回の聖女招聘にそれほど加われないソイラの分も、ティルフィーユはしっかりとこの国に貢献したいと思った。それから、首を長くして聖女の癒しの力を待ち望んでいる民たちのために、良い働きをしたいとも。
(キアン様も、このためにずっと頑張ってこられたのだから)
今回聖女がこの国に滞在するのは、明日から八日間の予定だ。一週間ほどとはいえ、キアンと離れ離れで夜を過ごすのは正直寂しい。けれどもキアンには、騎士団だけでなくグントバハロンから支援に来てくれた武人たち、そしてレシクラオン神皇国から来る護衛たちと連携し、全体をとりまとめるという重要な仕事がある。キアンはキアンで、この国のためにできることに必死なのだ。夫婦そろってしっかりと働き、決して名だけではなく、明確な実を貢献できるように頑張りたい。ティルフィーユは熱くそう思った。
長いようで短い一日が過ぎて、ティルフィーユはスベーク城の客室で夜を明かす。そうして朝がきて、聖女のスケジュールの暗記に時間を割きつつ、その到着を待つ。そして昼過ぎ、にわかにスベーク城内が活気づいた。聖女を乗せたレシクラオン神皇国の馬車の隊列が、スベーク城へ続く坂道を上り始めたのが見えたようだ。
ティルフィーユは共和議会議員たちと共に、スベーク城の正門に向かう。使用人たちも大勢押しかけたが、そのほとんどが騎士団の騎士たちによってきちんと整列させられて、ある一定距離以上は聖女隊列に近付かないように統制されていた。
(いよいよね)
馬車の車輪が石畳の上で回転する音が近付いてくる。騎兵と歩兵に続き、多くの荷物と関係者を乗せた幌馬車が正門を超えて、前庭へと入ってくる。さらに、二頭の白馬に牽かれた、きらびやかな黄金色の彫刻が装飾されたコーチも前庭に到着し、ゆっくりと止まる。そしてその中から、美しい銀髪と露草色の瞳を持った女性が足元によく気を付けながら、優雅に降りてきた。
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