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題名のない3年間。
第十五話 Anyway
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3ヶ日合宿が終わった。ようやく終わったというか、もう終わってしまったというか、決まらなかった。
そして1月11日。3学期が始まった。これはようやく始まったと断言できる。瞬とか何より柚愛と逢えるからね。
3年生3学期が始まって分かったことがある。それはいつもより人数が3、4人減っていることだ。理由は受験戦争の影響で3学期は家庭で過ごすという人や、私立受験に行ってる人だっている。
僕も1月29日に私立尾張大学附属高校、2月22、26日に県立明保野中央高校、3月9日に私立境第二高校の受験が控えている。だから受験が終わった翌日に泣きながら学校に登校している人を見ると自らに関連させたってパニックになる。でも大丈夫、僕は本当に柚愛が好きならば。入試は答え合わせのような要領で。
1月16日、この日は珍しく、塾のない土曜日。僕は午前から1人で図書館に向かった。
図書館の2Fに着くと、瞬が居た。
「あ、瞬じゃん!」
榎本「よっ!晃汰郎!一緒に勉強しない?3F行こうぜ!」
「OK!」
階段を上り、屋外へ行く。ここでは話すことが可能になっている。
窓を開けると、高校生くらいの人たちやお年寄りまで老若男女問わずここで各々何かしてた。
左側を見ると、見覚えのある人2人がぽつり。それを見ると急に瞬が僕の後ろに移動したのをみて、勘づいた。
「おはよう!柚愛!」
それの正体は柚愛と伊丹さんだった。つい3週間前に瞬と伊丹さんは付き合ったばっか。恥ずかしいのだろう。ここだけは瞬に上から目線で威張れる。
柚愛「一緒にここで勉強しない?」
「了解!」
4人机に腰掛ける。その7秒後に瞬がようやく座った。
これは初々しいカップルともう立派な中堅カップルのWデート。そう思うと僕も恥ずかしくなってきた。友達の前でこんなデレデレなとこは見せたりやしてないから。
まあそんなことはいいつつ恋のまにまにに僕と柚愛は楽しそうに話してるが、瞬と伊丹さんペアはすんごいぎこちない。この状況はどうにかして打破しようかと思ってたら、柚愛からこんな言葉が飛んできた。
柚愛「ねえさ、王様ゲームさせるのはどう?そしてあの2人に恋人繋ぎをさせる。イカサマしてさ。」
イカサマの内容はこうだ。まず紙に僕か柚愛のどちらか2人が王様になったら、王様じゃない方の番号をあの2人にバレないように伝える。そして瞬と伊丹さんに恋人繋ぎをさせるという作戦。完璧な作戦だぜ⭐︎
時は満ちた、作戦を実行するのみ。
「ねえねえ、王様ゲームしない?」
柚愛「私賛成!ねえ、2人は?」
榎本「うん。いいよ。」
伊丹「賛成。」
「よし、決まりね。じゃあ紙に書くね。」
王様、1、2、3、と書き入れていく。
柚愛「じゃあ始めよう!せーの!」
こうやって王様ゲームは順調に進んでいった。途中、榎本がぐるぐるバットの刑に処されたり、僕は柚愛をおんぶしたりと、波瀾万丈だった。
そしてその時は不意に訪れた。
紙を見ると『王様』の文字があった。僕は柚愛の方を見る。柚愛は手で1のサインをしてた。
(よし、柚愛は1番だから2番と3番が恋人繋ぎ…)
「王様でーす!じゃあ、2番と3番が恋人繋ぎで!」
榎本「3番。」
伊丹「私2番。」
榎本「嘘でしょ!?マジで言ってる!?」
柚愛「せーの!」
この合図でこの2人は立派なカップルになれた。勿論、2人の顔は真っ赤っか。
「wwwwwwきゃぁぁ!」
柚愛「wwwwww」
もう残り少ない華の中学生生活を骨の髄まで楽しんだ時間だった。
I wanna be with you more.
そして1月11日。3学期が始まった。これはようやく始まったと断言できる。瞬とか何より柚愛と逢えるからね。
3年生3学期が始まって分かったことがある。それはいつもより人数が3、4人減っていることだ。理由は受験戦争の影響で3学期は家庭で過ごすという人や、私立受験に行ってる人だっている。
僕も1月29日に私立尾張大学附属高校、2月22、26日に県立明保野中央高校、3月9日に私立境第二高校の受験が控えている。だから受験が終わった翌日に泣きながら学校に登校している人を見ると自らに関連させたってパニックになる。でも大丈夫、僕は本当に柚愛が好きならば。入試は答え合わせのような要領で。
1月16日、この日は珍しく、塾のない土曜日。僕は午前から1人で図書館に向かった。
図書館の2Fに着くと、瞬が居た。
「あ、瞬じゃん!」
榎本「よっ!晃汰郎!一緒に勉強しない?3F行こうぜ!」
「OK!」
階段を上り、屋外へ行く。ここでは話すことが可能になっている。
窓を開けると、高校生くらいの人たちやお年寄りまで老若男女問わずここで各々何かしてた。
左側を見ると、見覚えのある人2人がぽつり。それを見ると急に瞬が僕の後ろに移動したのをみて、勘づいた。
「おはよう!柚愛!」
それの正体は柚愛と伊丹さんだった。つい3週間前に瞬と伊丹さんは付き合ったばっか。恥ずかしいのだろう。ここだけは瞬に上から目線で威張れる。
柚愛「一緒にここで勉強しない?」
「了解!」
4人机に腰掛ける。その7秒後に瞬がようやく座った。
これは初々しいカップルともう立派な中堅カップルのWデート。そう思うと僕も恥ずかしくなってきた。友達の前でこんなデレデレなとこは見せたりやしてないから。
まあそんなことはいいつつ恋のまにまにに僕と柚愛は楽しそうに話してるが、瞬と伊丹さんペアはすんごいぎこちない。この状況はどうにかして打破しようかと思ってたら、柚愛からこんな言葉が飛んできた。
柚愛「ねえさ、王様ゲームさせるのはどう?そしてあの2人に恋人繋ぎをさせる。イカサマしてさ。」
イカサマの内容はこうだ。まず紙に僕か柚愛のどちらか2人が王様になったら、王様じゃない方の番号をあの2人にバレないように伝える。そして瞬と伊丹さんに恋人繋ぎをさせるという作戦。完璧な作戦だぜ⭐︎
時は満ちた、作戦を実行するのみ。
「ねえねえ、王様ゲームしない?」
柚愛「私賛成!ねえ、2人は?」
榎本「うん。いいよ。」
伊丹「賛成。」
「よし、決まりね。じゃあ紙に書くね。」
王様、1、2、3、と書き入れていく。
柚愛「じゃあ始めよう!せーの!」
こうやって王様ゲームは順調に進んでいった。途中、榎本がぐるぐるバットの刑に処されたり、僕は柚愛をおんぶしたりと、波瀾万丈だった。
そしてその時は不意に訪れた。
紙を見ると『王様』の文字があった。僕は柚愛の方を見る。柚愛は手で1のサインをしてた。
(よし、柚愛は1番だから2番と3番が恋人繋ぎ…)
「王様でーす!じゃあ、2番と3番が恋人繋ぎで!」
榎本「3番。」
伊丹「私2番。」
榎本「嘘でしょ!?マジで言ってる!?」
柚愛「せーの!」
この合図でこの2人は立派なカップルになれた。勿論、2人の顔は真っ赤っか。
「wwwwwwきゃぁぁ!」
柚愛「wwwwww」
もう残り少ない華の中学生生活を骨の髄まで楽しんだ時間だった。
I wanna be with you more.
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