16 / 34
カレー
しおりを挟む
薄目を開けると、いつもと変わらずに杏が料理をして、鼻腔に幸せが広がる。
今日の朝ご飯はカレーだった。
朝からカレーとは重いなぁと思いつつ目を開け、時計を見ると1時を指していた。
1時かぁ......ん?
「おっ!い!」
驚きのあまり叫んでしまった。
それに驚いた杏が並べようとしていたスプーンを落とし怪訝な顔をしていた。
慌てて椅子から転げ落ちるように立つと、鏡の前にたった。
そこには窶れた顔をした僕がいた。
まぁ、そのうち治るだろうと思い、急いで顔と歯を磨いた。
本当にハイスピードで(きっとボルト選手もビックリ)
「ねぇ、りょ、慎治?
顔色悪いけど大丈夫??」
誰かと言い間違えそうになったのだろうか?すぐさま言葉を訂正した。
口にはあの赤いルージュは付けていていなかった。
何となく察してはいたが帰ってこなかったのも口紅も、きっと、きっとあの男の為だろう。
僕にとっては、あの口紅を付ける価値も無いのだろう。
無いんじゃなくて意味が無いのかもしれない。
そして、名前を間違えるくらい愛しているのだろう。
愛しくて愛しくて仕方がないんだろう。
そう考え俯いていると、心中を察したのかどうか分からないが、杏が顔を覗き込みに来た。
「ねぇ?大丈夫?
昨日飲みすぎたの??」
僕の心配の前に昨日帰ってこなかった訳とか色々あるだろとふつふつと煮えたぎる怒りが僕に似合わず爆発しそうになっていた。
それら全てを拭いさり、笑顔で僕は言った。
「大丈夫だよ!
心配しないで。」
ほっとした顔の杏が瞼の裏で悪魔に変わっていた。
杏は悪くないのに。
今日の朝ご飯はカレーだった。
朝からカレーとは重いなぁと思いつつ目を開け、時計を見ると1時を指していた。
1時かぁ......ん?
「おっ!い!」
驚きのあまり叫んでしまった。
それに驚いた杏が並べようとしていたスプーンを落とし怪訝な顔をしていた。
慌てて椅子から転げ落ちるように立つと、鏡の前にたった。
そこには窶れた顔をした僕がいた。
まぁ、そのうち治るだろうと思い、急いで顔と歯を磨いた。
本当にハイスピードで(きっとボルト選手もビックリ)
「ねぇ、りょ、慎治?
顔色悪いけど大丈夫??」
誰かと言い間違えそうになったのだろうか?すぐさま言葉を訂正した。
口にはあの赤いルージュは付けていていなかった。
何となく察してはいたが帰ってこなかったのも口紅も、きっと、きっとあの男の為だろう。
僕にとっては、あの口紅を付ける価値も無いのだろう。
無いんじゃなくて意味が無いのかもしれない。
そして、名前を間違えるくらい愛しているのだろう。
愛しくて愛しくて仕方がないんだろう。
そう考え俯いていると、心中を察したのかどうか分からないが、杏が顔を覗き込みに来た。
「ねぇ?大丈夫?
昨日飲みすぎたの??」
僕の心配の前に昨日帰ってこなかった訳とか色々あるだろとふつふつと煮えたぎる怒りが僕に似合わず爆発しそうになっていた。
それら全てを拭いさり、笑顔で僕は言った。
「大丈夫だよ!
心配しないで。」
ほっとした顔の杏が瞼の裏で悪魔に変わっていた。
杏は悪くないのに。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
遠回りな恋〜私の恋心を弄ぶ悪い男〜
小田恒子
恋愛
瀬川真冬は、高校時代の同級生である一ノ瀬玲央が好きだった。
でも玲央の彼女となる女の子は、いつだって真冬の友人で、真冬は選ばれない。
就活で内定を決めた本命の会社を蹴って、最終的には玲央の父が経営する会社へ就職をする。
そこには玲央がいる。
それなのに、私は玲央に選ばれない……
そんなある日、玲央の出張に付き合うことになり、二人の恋が動き出す。
瀬川真冬 25歳
一ノ瀬玲央 25歳
ベリーズカフェからの作品転載分を若干修正しております。
表紙は簡単表紙メーカーにて作成。
アルファポリス公開日 2024/10/21
作品の無断転載はご遠慮ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる