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ゲスい笑み
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会場を出てから数時間後、少し離れた場所にある喫茶店にてコーヒーを飲んでいると、サングラスに帽子の怪しげな男が入ってきた。男はこちらに顔を向けると、まっすぐに歩いてきて、何も言わずに前の椅子に座った。
そしていやらしい笑みを見せた。
「今日はお疲れ様。例のブツは?」
「どうぞ」
SDカードを渡すと、笑みをより一層深めた。
「ありがとう。君はいつもいい仕事をしてくれるね」
「中身の確認はいいのか?」
「いいんだ。こんなところで確認しちゃったら、喫茶店のトイレを汚してしまうことになるからね」
さらっとクソ汚いことをほざいてから、オッサンはスマホを操作した。
「報酬は今振り込んでおいたから、明日には反映されると思う」
「毎度あり。こちらこそあんたのおかげでいい思いができたよ」
「それはよかった。ただ興奮で我を見失わないようにな。神川さんの時は目つきがやばかったし、さすがに傍から見ても不自然だったよ」
「……すまん。いい体すぎた。ていうか、女優の卵とか言って煽ったのはあんただろ」
「はっはっは!確かにそうだな。いや、楽しみだ。美女のスカートの中を下から見上げるというのはいいものだな」
「老後の趣味にしちゃ刺激が強すぎるがな」
「まあそう言うな。君もしばらくは今の趣味を続けるんだろう?」
「どうだろうな。明日にはやめるかもしれん」
「いや、絶対にそれはないだろ」
「…………」
うん。そのとおり。さすがに明日にはやめない。
「じゃあ、俺はもう行く。今夜はせいぜい楽しめよ」
「ああ、今夜は七発くらいは出せそうだ」
そんなことまで聞きたくない。にこやかにオッサンがオッサンに何を宣言しているんだ気持ち悪い。
依頼を遂行した達成感と少しの不快感を胸に喫茶店を出た。
……俺も七発くらいは出せそうだな。一年のうちにここまで上玉を触れる日はなかなかないからな。さらに高木とも遭遇したし……これは何年分かの運を使い果たしたかな?いや、運なんて湧いてくるものだからな。どんどん使ったほうがいい。よし、さっさと帰ろう。
・・・
「お姉ちゃん、どうかしたの?」
「えっ、あ、ううん。なんでもないよ」
弟から声をかけられ、考え事に耽っていたことに気づいた。
いけない……まださっきのことを思い出している。
あんなところで先生と会う可能性なんて低いんだから、あれは知らないおじさんだと思う。
でも……どっちにしても、気持ち悪い……。
たまたまぶつかっただけならいいんだけど。
お風呂に入るまで、その気持ち悪さは消えなかった。
そしていやらしい笑みを見せた。
「今日はお疲れ様。例のブツは?」
「どうぞ」
SDカードを渡すと、笑みをより一層深めた。
「ありがとう。君はいつもいい仕事をしてくれるね」
「中身の確認はいいのか?」
「いいんだ。こんなところで確認しちゃったら、喫茶店のトイレを汚してしまうことになるからね」
さらっとクソ汚いことをほざいてから、オッサンはスマホを操作した。
「報酬は今振り込んでおいたから、明日には反映されると思う」
「毎度あり。こちらこそあんたのおかげでいい思いができたよ」
「それはよかった。ただ興奮で我を見失わないようにな。神川さんの時は目つきがやばかったし、さすがに傍から見ても不自然だったよ」
「……すまん。いい体すぎた。ていうか、女優の卵とか言って煽ったのはあんただろ」
「はっはっは!確かにそうだな。いや、楽しみだ。美女のスカートの中を下から見上げるというのはいいものだな」
「老後の趣味にしちゃ刺激が強すぎるがな」
「まあそう言うな。君もしばらくは今の趣味を続けるんだろう?」
「どうだろうな。明日にはやめるかもしれん」
「いや、絶対にそれはないだろ」
「…………」
うん。そのとおり。さすがに明日にはやめない。
「じゃあ、俺はもう行く。今夜はせいぜい楽しめよ」
「ああ、今夜は七発くらいは出せそうだ」
そんなことまで聞きたくない。にこやかにオッサンがオッサンに何を宣言しているんだ気持ち悪い。
依頼を遂行した達成感と少しの不快感を胸に喫茶店を出た。
……俺も七発くらいは出せそうだな。一年のうちにここまで上玉を触れる日はなかなかないからな。さらに高木とも遭遇したし……これは何年分かの運を使い果たしたかな?いや、運なんて湧いてくるものだからな。どんどん使ったほうがいい。よし、さっさと帰ろう。
・・・
「お姉ちゃん、どうかしたの?」
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